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ピースウィンズスタッフ林直光 アフガン支援帰還報告 第2回


 
難民登録からテント、小麦配給へ。
12月31日、サリプル難民キャンプ。テント配給の日がやってきた。降雪期を前に、難民にとって待ちに待った日だ。これは当初の予定から1カ月もずれ込んでの実施である。パキスタンで発注した 5,000 張りのテントは 11月中に完成し、すぐにアフガニスタンに運び込む予定だったのだが、パキスタンの税関が難色を示し、国境で足止めを食っていたためだ。
パキスタンはタリバン政権を承認していた数少ない国のひとつであり、そのタリバンが崩壊したアフガニスタンへの支援には当然消極的だ。おまけに一部の公務員の腐敗はひどく、いちいち難癖を付けては賄賂を要求してくる。このため 、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ) のパキスタン事務所は、テントの国境通過にかなり苦労したようだ。
さらにアフガン内では、1台のトラックが険しい峠道で谷に転落。紛失や損傷でおよそ 50 個のテントを失っていた。
こんな経緯があったために、テントを積んだ10台の大型トラックがキャンプに入ってきたときには、私たちも難民と同じくらいに喜んでしまった。
配給を実行するのは、CoAR というアフガンNGO 。アフガニスタンでは長年にわたり、国連や各国NGO が支援活動を展開しているが、それをサポートする形でアフガン人による多数のローカル NGOが、外国人の入れないエリアなどでのプロジェクトを代行してきたのである。
キャンプ内2カ所での配給は初め順調に見えた。事前に難民登録を行い、家族ごとに物資の受給者カードを配布してある。このカードを持っている者だけがテントを受け取る資格がある。
しかし配給が進むにつれ、難民から苦情が出始めた。カードを盗まれた、テントを3つも受け取ったやつがいる、キャンプ外の人間がテントをもらっている、等々。混乱を避けるために一端配給を停止し、対策を練る。
この手の問題はどこの現場でも起きうることだが、無視するわけにはいかない。難民の間に不公平感が広がると、暴動に発展することもあるからだ。各ケースには地元警察の協力も得て、スタッフが個別にチェック・対応することで配給を再開。いくつかの不正を摘発しながら、4日間かけて 4,200 張りのテント配給を終えた。気が付くと正月はすっかり明けていた。
広大なキャンプ一面に白いテントが張られた光景は壮観だ。今までのぼろ布だけのテントより少しは広く、暖かいだろう。しかし次の小麦配給の準備を始めようとしたところ、新たな問題が判明した。
■林直光■ 札幌在住。絶滅の恐れがあるニホンザリガニから、アラブ諸国で発生するクルド難民までをファインダーに収めるフォトジャーナリスト。国会で話題が沸騰した非政府組織(NGO)「ピースウィンズ・ジャパン」の非常勤職員として、アフガニスタンでの難民支援活動にも従事した。







| 『国境なき医師団』が設置した給水所からテントに水を運ぶ |
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| 日本政府からWFP(世界食糧計画)へ送られた小麦も現地へ届き、PWJが難民に配給 |
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