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検証 「恵庭OL殺人事件」 第1回


 
発生から丸2年。不可解極まりない殺人事件には、いまだに多くの謎が…。
「恵庭OL殺人事件」――敢えて説明するまでもないほど世に知られたこの事件を改めて振り返る。
2000年3月17日午前8時20分ごろ、幼稚園職員が恵庭市北島で、同市に住むOL橋向香(当時24歳)の焼死体を発見した。事件発覚直後から警察にマークされていた大越美奈子(当時29歳)が殺人、死体損壊の容疑で逮捕されたのは同年5月23日。逮捕された大越と被害者の橋向は日本通運札幌東支店キリンビール千歳工場内構内課に勤務する同僚だった。
札幌地裁での公判は初日の2000年10月27日以降、2002年3月20日まで34回を数えるが、裁判は「冤罪」を主張する弁護側同様、検察側も決め手を欠いたまま経過している。
大越の「白・黒」はあくまでも、裁判で決することではあるが、検察、弁護人双方の主張がこれほどかけ離れていることもこの事件の大きな特徴と言えるだろう。
まず事件の概略を検察の冒頭陳述にそって説明する。
被告人は、事件当日、被害者と一緒に退社し、殺害する機会をうかがおうと考えていたことから、自らの仕事を急いで処理。橋向に対し「私を置いて行かないでね」などと言って単独で退社することを阻止した。橋向に合わせて残業を終えた被告人は、被害者と一緒に午後9時半頃「お先に失礼します」と残っている従業員に挨拶し、1階の事務所から2階の女子更衣室に行き、帰り支度をして退社している。
その後、被告人は午後11時頃までの間、千歳市、恵庭市またはその周辺において被害者を殺害。殺人の動機は、結婚を期待しながら交際を続けていた男性に突然別れ話を通告され、その原因が被害者との交際を開始したことにあること。また、被告人は(アルバイトから)契約社員への昇進時期(経験年数や仕事内容)の件で反感を持っていたとしている。死因は頸部圧迫による窒息死。さらに、恵庭市内の路上にて被害者の死体に自分の車に積んでおいたポリタンクの灯油をかけた上、火を放って焼損。犯行に用いた凶器は現在まで見つかっていないが、公判に出廷した証人の警察官はタオルではないかと証言している。
一方、弁護側の冒頭陳述は真っ向から検察に反するものである。
被告人と被害者は事件当日午後9時半頃仕事を終えて、2階女子更衣室で着替えながら会話した。その会話の中で被告人は、被害者の冷たい一面を知り、自分の元恋人の彼女とはいえ「大したひとではない」と思えるようになった。それまで恋人のことで悩み、無言電話をかけていたことが馬鹿らしくなってきた。また、被害者が他の同僚と一緒に「またカラオケに行こうね」と親しく話してきたことから今までの行動を自ら反省し、嫉妬の気持ちも失せていった。2人は一緒に退社したが、その後被告人は、気分転換のため真っ直ぐ家に帰りたくないと思い、知り合いに会う可能性の少ない、恵庭の書店「ビブロス」で立ち読みをしていたとしている。
起訴状によれば、被告人は午後11頃までに被害者を殺害し、午後11時頃死体に灯油をかけて火を放って焼損した、とされている。もし仮に、JR長都駅に被害者の車両が置かれていた事実から被告人が会社の駐車場からさらにJR長都駅に向かったとすると、JR長都駅を出発できる時刻は午後9時50分頃となる。さらに25分かけて、遺体発見現場に到着する時刻は午後10時15分頃となる。したがって、犯行時刻とされる午後11時までは45分しかない。検察側が言う45分間という短い時間内に、単独で、殺害と死体遺棄・死体放火等一連の行為を行ったとすることには合理的説明がつかず、不可能としか言いようがない。
被告人は午後11時36分にはガソリンキング恵庭店にてガソリンを給油してもらい支払いまですませ、レシートを受け取っていることから、給油に要する時間を考慮すれば、その数分前の午後11時30分前後にはガソリンスタンドに到着していなければならない。現場から当該ガソリンスタンドまで所要時間は25分かかる。したがって、午後11時15分に現場を出発すると、午後11時30分迄の到着はありえない。この点から、被告人の犯行は不可能である。
以上が検察と弁護側の冒頭陳述要旨であるが、前述したように以下の点だけを考えても両者には“決定打”が見られない。
橋向を殺害したとする検察だが、犯行に使ったとされる大越の車からはルミノール反応(血痕を検出する検査)、指紋、毛髪等の証拠が提出されていない。片や「冤罪」とする弁護側も、犯行時刻の大越のアリバイを立証するには至っていない。
記者は、現場に赴き検証を試みた。(敬称略)







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http://www.bnn-s.com/news/series_cd13.html






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