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検証 「恵庭OL殺人事件」 第4回


 
被告が灯油を買ったことは事実。しかし・・・。
「恵庭OL殺人事件」――敢えて説明するまでもないほど世に知られたこの事件を改めて振り返る。第3回では、検察側の冒頭陳述書に基づき、車内で“絞殺実験”を行い遺体を路上へ降ろすまでを報じた。
被告の大越美奈子は、被害者・橋向香の遺体に灯油をかけ焼損したとされているが、この問題における検察側と弁護側の見解は次のように大きく相違する。
検察側(冒頭陳述抜粋) 被告人は、勤務終了後、自宅へ帰る途中、3月16日午前0時1分ころ、千歳市末広所在のコンビニエンスストアで、赤色ポリタンクに入った約10リットルの灯油を購入した。被告人は、同店からの帰宅途中の同日午前0時8分ころ、千歳市朝日町所在のガソリンスタンドにおいて、被告人の自動車に約9.62リットル(1000円相当)のガソリンを給油した。(中略)同日午後11時ころ、恵庭市北島所在の路上において、被害者の死体に、前記のとおりコンビニエンスストアで購入して被告人の車に積んで置いたポリタンク中の灯油をかけた上、火を放って焼損した。
弁護側(同) 1甲第9号証死体の解剖鑑定書において、被害者の遺体の状況に関し次の記載がある。鑑定書第2項及び第3項の中で、(1)目の部分にはタオルと思われるもので目隠しされている。(2)左の下肢はやや開いて膝を立てており、右は大きく股関節で開いて膝を内側に曲げている。(3)下半身(外陰部から肛門・会陰)は完全に炭化している。2右鑑定のための解剖に立会した司法警察員櫻中博はその捜査報告書(甲第10号証)の中で、本件を「他殺」と判断した根拠として、1.右手の位置、2.下肢の開きの姿勢、3.目隠し、の3点を挙げている。(一)通常、死体を焼毀する犯行は、犯行の証拠を残さないためであることが多い。本件においても、被害者は両肢を開いた状態で、しかも上半身に比べ下半身が完全に炭化している状態にあるが、これは、犯人がその証拠を消すために当該部分に燃料を多く散布した可能性があることを示している。したがって、これは下半身に犯行の痕跡が残りうる性犯罪による被害をうかがわせるものである。(二)もし、被告人が本件犯行を犯したのなら、前述のように目隠しする必要はなく、かつ、わざわざ両肢を開いた状態で死体を焼く必要もない。(中略)被告人は、気分を一新するために、父親の社宅内にある自分の持ち物を整理しようと考え、3月16日深夜に灯油を購入した。 検察・弁護側双方で一致している部分は、大越がコンビニで灯油を購入している点である。
2000年3月16日に大越が購入した灯油と、遺体から検出された灯油の成分が一致していれば、有力な物証となるはずだ。しかし、弁護側の冒頭陳述では、弁護人が現場から採取された灯油の成分を分析したガスクロマトグラフィーの開示を2000年9月28日に要求しているが、「本日に至るまで検察官は開示しない」と記されている。2001年5月9日に行われた第14回公判で灯油の分析をした、道警科学捜査研究所の技官が証人として出廷。この時、証人は「灯油で燃やされたことは分かったが灯油の成分については分析できなかった」と主張している。つまり、大越が買ったとされる灯油と、焼かれた遺体から検出された灯油の成分が一致したかどうかは確認できなかったということだ。 記者は遺体発見現場から、大越が午後11時36分にガソリンを給油したとされる恵庭のガソリンスタンドに向った。農道を来た時とは反対方向に戻り、本田病院の通りを左折。2つめの信号を右折し、JR恵み野駅北側に出る。駅の手前で右折して線路を横切り左折、道道江別恵庭線に入り、約3.3km進み目的のガソリンスタンドに到着した。
なお、ここまでの道のりについては予め、最短ルートを調査しておいたためガソリンスタンドにはスムーズに到着することができた。
死体発見現場からガソリンスタンドまでの所要時間は28分だった。大越と同じように1000円分のガソリンを給油してレシートを受け取った。レシートは給油が完了してから出力される仕組みになっているため、大越がスタンドに到着したのはレシートに打刻された午後11時36分より前ということになる。
なお、遺体発見現場での炎の目撃時間は午後11時頃。大越がこの時、現場から出発したと仮定すれば、“実験”のとおり、ガソリンスタンドで給油を終えてレシートをもらうまでを約30分で行うことは可能だった。
弁護側は、大越が単独で橋向を殺害、さらに死体遺棄・死体放火までの一連の行為について、時間的に無理があると主張している。しかし、記者が車を走らせた“実験”では時間に余裕があった。もちろん、この“事実”が大越を犯人とする根拠とは成り得ない。また“実験”を終えた記者が大越を犯人とするには首を傾がざるを得ないいくつかの問題点が生じたことも併せて、付記しておく。(敬称略)







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シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd13.html






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