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土橋信男・前札幌教育長は「日の丸・君が代」問題で“仲間”から糾弾されていた 後編


 
「思いつき」だったオンリーワン教育。
前編で報じた通り、土橋信男教育長が掲げる「オンリーワン教育」に対する教育委員の厳しい見解は、今年4月9日の「教育委員懇談会」で明らかになった。
この懇談会に出席した霜触寛教育次長は、この時の模様をこう述懐している。
「我々はオンリーワン教育に期待し、土橋教育長からその具体的内容が提示されることを待ち望んでいた。しかし、何度か依頼しても具体案が示されず、4月9日の懇談会を迎えてしまった。土橋教育長は懇談会で複数の教育委員から詰め寄られたが、説明することができなかった」
こうした経緯から土橋信男教育長は、5月8日付で市内の各幼稚園長と市立学校長宛てに「『オンリーワンの教育』の撤回と適正な教育課程の編成・実施について」と題する公式文書を配布した。
一部を抜粋すると《私は、本市や各学校に「オンリーワンの教育を」と申し上げましたが、これは、本市の教育の現状を十分に理解せず、言葉だけを先行させ、内容のないものを思いつきで表現したものであり、撤回させていただきます。各学校に誤解と混乱を招きましたことを深く反省しております》と記載されている。
理由はともかく、土橋氏にとって「オンリーワン教育」の撤回は事実上の敗北宣言である。結局、土橋氏は6月20日、辞表を提出した。
しかし、辞表には「一身上の都合」とすら書かれておらず、「いまもなぜ辞められたのかわからない」(霜触氏)とする向きは少なくない。
実は昨年12月10日、土橋氏に対し、公開質問状が提出されていた。
公開質問状を出したのは「君が代」・「日の丸」の強制と法制化に反対する札幌市民の会だった。市民の会の質問内容は、「君が代・日の丸の斉唱・掲揚の法的根拠は何ですか」など12項目。土橋氏が道新インタビューに答えた内容に対する指摘だった。
教育長として、君が代斉唱と日の丸掲揚を教育現場で推進することは、職務上、当たり前のことである。
にもかかわらず、市民の会が公開質問状を送った背景には、教育長就任後、土橋氏が「変節」したと判断したためである。
土橋氏はBNNの質問に次のように答えた。
――辞任の理由は。
土橋 主張したオンリーワン教育が実現できなかった。さらに言えば、(教育委員会に)否定された。辞任の理由は、オンリーワン教育と、もうひとつあるが、それについては答えるべきではないと思っている。
――教育長就任以前は、市民の会で君が代・日の丸に反対されてきたようだが…。
土橋 公人である教育長としては、これまでの教育長がされてきたことを継承するだけだ。確かに私は(市民の会の)会員だった。公開質問状に対し、回答をすれば、文言としていろいろな形で残ると考えたが、質問状が辞任の理由ではない。私は(教育委員会に)造反されたと思っている。
教育委員会の有力OBは、「教育委員会に土橋氏を受け入れる環境が整っていなかったということはないと思っている。結果として、土橋氏が教育委員会に協力を求め、一丸となって教育行政を進めていこうという姿勢が足りなかったのではないか。いかなる理由があろうとも、任期の4年を全うすることなく、辞めてしまったことは残念だ」と胸中を吐露している。







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