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「命」 第九講


 
この日、2001年6月25日は、航空自衛隊の戦闘機が訓練弾を誤射、北海道北広島市の福祉施設とゴルフコースに着弾するという事件が発生した。
俺がこの一報を知ったのは、神戸淡路鳴門自動車道の淡路サービスエリアで昼飯を食いながら見ていたテレビニュースでのこと。
北広島は俺の住む札幌市北東部と隣接する市。「まさか、ガキに…」と肝を冷やしたことは言うまでもない。
すぐ家に電話をしてみたが、カカァは「何のこと……そうなんだ。何も聞こえなかったよ」との返答。
その直後、今度は管内放送が流れた。
「オートバイでお越しの方は申し訳ございませんが、すぐに出発してください。強風で橋が通行止めになる恐れがございます」
仕方なく、俺はエンジンを掛けて、四国方面に向かったが、風の強さは想像を絶するものだった。何しろ70キロしか出すことができないのだ。あまりにも風が強くそれ以上のスピードを出せば、ハンドルから手が離れてしまうのだ。
ところが、そんな事情も知らず、観光バスやトラックは、次々と俺のバイクを追い抜いていく。しかも、追い抜かれた瞬間の突風でバイクは1メートル以上、横に流されるのだ。しかも、道路は海面から90メートルも上。下手をすれば、海に落とされるような気分だ。
絶好の肝試しとはいえ、強風下の運転ほど危険を感じたことはなかった。











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