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恵庭OL殺人事件控訴審 元恋人が初証言


 
被告人とは「別れていません」
4月20日午後1時15分から、札幌高裁(長島孝太郎裁判長)で「恵庭OL殺人事件」の控訴審が開かれた。
大越美奈子被告は、黒のハイネックにグレーのスカート、ピンクのサンダルを履き、いつものように髪を編みこみにして入廷。
第2回目の公判で弁護側は、大越被告、被害者の橋向香さん双方と交際した板持貢氏(33)を証人として、申請した。
秋山賢三弁護人は、被告、被害者の双方と職場の同僚でもあった板持証人に生年月日、学歴、入社年月日、所属部署などを質問した後、「三角関係が争点となっているので、立ち入って聞かなければならない」と前置きした。
複数の質問に対し、板持証人は、大越被告との交際期間は1年半であること、交際後に肉体関係があったこと、具体的に結婚の話は出なかったことなどを答えた。
秋山弁護人は「あなたの検察官面前調書では『年齢的にも結婚を意識した交際』と記載されているが、そういう話をした事実はあるか」と質問。
板持証人は「ない」と答え、「両親の仲が良くなかったので自分はすぐに結婚できるとは思わなかった」と答えた。
大越被告の性格については「人に対して優しく、控え目で生真面目」と語り、具体的な事例を聞かれ、「私が(職場に)気付かず穴の開いた靴下をはいていくと、下駄箱に新しい靴下を入れておいてくれた」と述懐した。
板持証人は橋向さんが殺害された2000年3月16日の直前、3月11日に橋向さんに交際を申し込み、橋向さんが交際を承諾したことを明かした。同時に00年2月27日、大越被告の電話により、札幌市清田区の大型書店「コーチャンフォー」の駐車場に車を停め、話し合ったことを証言した。
秋山弁護人の「検面調書では、この時、あなたは大越被告に別れ話を持ち掛けたと記載されているが…」との質問に、板持証人は「していない。私から連絡を入れたわけではなく、そういうつもりはなかった。別れ話もしていない」と否定した。
ところがこの時、板持証人は「大越さんからは、あなたは何も苦労をしないで、生きてきたのでしょうと言われ、腹が立った」ことを明かし、「私は右手の障害があるため、保育園時代にいじめられた」と立腹した理由を吐露した。
続いて大越被告とは「27日に別れたという認識はなく、3月8日も普通のデートをした」と証言。さらに3月12日にも被告と会い、以後、被告から車のヒーターを直して欲しいと依頼されたこと、4月にタイヤ交換をしてあげたことを説明した。
板持証人が橋向さんと2人だけで初めて会ったのは3月4日のことだったが、この時は勤務先の同僚女性が退社することを危惧し、橋向さんにその事情を聞くことが目的であったことを明かした。
板持証人は3月4日以後、8日、橋向さんにCDを貸すため自宅前で会い千歳までドライブしたこと、11日に交際を申し込んだこと、2人だけで会ったのは14日が最後だったことを話した。
板持証人は殺害事件当日の午後4時ごろ、「橋向さんから『きょうは遅くなるんですか』と聞かれ、遅くなると思うと答えた。何か相談したいことがあったと思った」と答え、橋向さんと大越被告の仲については、「良かった。大越さんは先輩として仕事を教えていた」と話した。
また、秋山弁護人の「あなたの検面調書に『私は橋向さんとドライブしたが、キスや肉体関係はなかった』と記載されているが事実か」の問いに、板持証人は「はい」と即答した。
続いて、検事と板持証人の一問一答の概略。
――大越被告とは交際後、事件近くまで土日に会うことが続いたのか。
板持 はい。
――自分が前向きな性格であることに対し、大越被告はマイナス志向の部分があったということだが、そう思うことはあったか。
板持 はい。
――職場でそう感じることはあったか。
板持 大越さんが意見を言うことはあったが、反抗的になったり、卑屈ということはなかった。
――2人で将来について話をすることはあったでしょう。
板持 具体的に話したことは本当になかった。
――被告から結婚の話を聞いた記憶はないのか。
板持 ない。
――あなたは2月27日に大越被告と仕事の話をしたと言ったが「なぜ結婚の妥協点が見えない」と言ったのか。
板持 大越さんは私に対して(あなたは何も苦労をしないで、生きてきたと言ったが)身体的なことを指摘したという認識はなかったと思う。だが、私は悔しかった。
――「妥協点が見えない」と言った時の被告は。
板持 「もう少し考えて」と言った。
――2月27日以降、会社で被告人と会った時の様子は。
板持 変わったことはなかった。
――3月8日、被害者と会ったことを被告人に見られたという認識は。あなたはその後、被告人に電話したのでは。
板持 (橋向さんの家の前を通った車が)大越さんかと思い電話した。
――あなたは被害者と会っている所を被告人に見られたと思っているのか。
板持 思っていない。
――3月11日、あなたは飲み会に行った被害者を迎えに行っているが、交際したいという気持ちがあったのか。
板持 あった。
――被告人と(の関係)はどうするつもりだったのか。
板持 大越さんとは職場の同僚としてつきあいたいと思っていた。
――あなたは被告人と別れたのですか。
板持 別れていません。
――事情聴取を受ける中で被告が事件に関与していると思ったことは。
板持 私がマスコミや警察に聞かれることは大越さんのことばかりだった。警察や検事は私の話を聞くという考えがなかった。2、3行の調書を取るのに2、30分粘られ、態度は威圧的だった。
――被害者の健康診断書の写しを会社に請求した記憶は。
板持 記憶にない。
――あなたも救う会(現・恵庭冤罪事件被害者支援会)のメンバーですか。
板持 違います。
続いて長島裁判長が板持氏に対する取り調べについて「説得というよりも、決めつける点があったのか」と問うと、板持証人はきっぱり「はい」と答えた。
検事は板持証人に「大越被告と交際を続けたいと思うならば、『ごめん』と言うのが普通ではないか」と問いただしたが、板持証人は「記憶にない」と返答。
検事は「記憶にないというバカな話はない」と畳み掛けたが、長島裁判長は「記憶にないでいいじゃないですか」と制し、公判は午後5時過ぎに終わった。
次回公判は5月25日午後1時10分から。東京都監察医務院院長の上野正彦氏が証人として出廷する。







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