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恵庭OL殺人事件 控訴審第4回公判 異例、八十島保弁護士の証人尋問


 
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| 遺体発見現場に近い恵庭市北島の南8西7排水橋。ここから奥に200メートル余り行ったところが発見現場 |
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札幌高裁は、豚の燃焼実験ビデオを新証拠として採用、検証報告書は却下。
「恵庭OL殺人事件」の控訴審第4回公判が、6月25日午後1時15分から札幌高裁(長島孝太郎裁判長)で開かれた。
大越被告は、いつものように髪を編み込みにして後ろでまとめ、ピンク色のブラウスとグレーのスカートで入廷した。
午後4時過ぎまで公判中、検察官と相対して座っていた大越美奈子被告は、終始ややうつむいて証人尋問を聞いていた。
この日は弁護人である八十島保弁護士に対する証人尋問が行われた。
1審判決で札幌地裁(遠藤和正裁判長)は、大越美奈子被告に懲役16年を言い渡し、被告が殺害された橋向香さんの遺体を焼くために10リットルの灯油を購入したことを認定した。
弁護側は2003年7月9日に食肉用の豚肉、04年2月11日に豚1頭を用い、10リットルの灯油をかける燃焼実験を行った。実験の目的は、橋向さんの遺体と同様の炭化状態にはならないことを指摘するためで、燃焼実験を撮影したビデオテープを新たな証拠として高裁に提出していた。
7月9日の実験は早来町で行われ、03年12月1日付の検証報告書を作成した。
2月11日の実験は、千歳市駒里の死亡獣畜処理場で実施された。弁護側は実験に際し、橋向さんと同程度である51キロ前後の豚を依頼。実験に用いた豚は、体長119センチ、体高59センチだった。
八十島証人に対する尋問は、高裁がビデオテープを新証拠として採用するか否かを判断する前提として行われたものだ。
証人尋問は主任弁護人である伊東秀子氏の質問から始まった。
伊東 今日は弁護人たちが豚を用いて、10リットルの灯油で行った燃焼実験のことを伺います。豚はいつ運び込まれたのか。
八十島 (実験日の)前日と聞いている。
伊東 実験のメンバーは。
八十島 伊東秀子、房川樹芳、今村核弁護士とT夫妻、Y氏(恵庭冤罪事件被害者支援会のメンバーとその夫)です。
伊東 実験はビデオや写真に撮りましたましたか。
八十島 撮影は苫小牧の会社に依頼し、実験現場にはその会社の社長と助手の2人が来た。
伊東 (2月11日の)実験の際に用いたものは。
八十島 衣類、タオル、靴です。
伊東 衣類の中身は。
八十島 下着、ジーンズ、セーター。
伊東 事件当時、(被害者が)装着していたものか。
八十島 いまひとつ明確ではないが、そう思う。
伊東 下着として何を用いたのか。
八十島 ブラジャー、パンティー、キャミソール、ストッキング、靴下です。
伊東 なぜ豚を用いたのか。
八十島 千歳署で豚を用いた燃焼実験をしたことが確認できたため。生理学、解剖学的に豚は人間に近い。
伊東 豚の温度は。
八十島 測っていない。
伊東 概ね(実験当時のことを)どのように記憶しているか。
八十島 豚は倉庫にあったので、倉庫(の室温)と同じ温度ではないかと思った。少なくとも凍結はしていなかった。
伊東 7月9日の夏の時期に行った実験との関連性は。
八十島 1回目と2回目は、着火してから炎が大きくなるまでの時間や鎮火した時の状況がほとんど変わらなかった。
長島 豚の体温を測らなかった理由はありますか。
八十島 特にありません。
伊東 下着はどのように使ったのか。
八十島 下着は豚に身につけた。靴下とパンティーは下肢にはかせた。そのほかの衣類は身につけられなかったので、切り裂いて巻きつけた。
伊東 タオルは。
八十島 豚の顔面に巻きつけた。
伊東 豚はどのような形で地面に置いたのか。
八十島 横向きに置きました。
伊東 灯油はどのようにかけたのか。
八十島 上から満遍なくかけた。(恵庭冤罪事件被害者支援会の)Tさんが腰をかがめ、比較的対象物に近い位置から静かに灯油をかけた。
伊東 10リットルの灯油をかけた時間は。
八十島 1分20秒です。
伊東 灯油が周囲にかかることはなかったか。
八十島 跳ね返ることもあったし、地面には相当流れ出た。
伊東 灯油をかけ終わった後は。
八十島 100円ライターで着火した。
伊東 着火までの時間は。
八十島 20秒くらいかかった。
伊東 大きな炎になるまでの時間は。
八十島 50秒くらいかかって大きくなり、2分程度、炎の大きさは継続した。
伊東 炎が最大になったのは、(着火後)3分後くらいか。
八十島 そうです。
伊東 (写真を八十島証人に見せながら)炎が大きく、豚の姿が見えませんね。
八十島 ここまで(着火から)50秒程度です。着火後、30分すると豚の上の部分の炎がほとんど消え、地面に接した部分からちょろちょろと炎が燃えている状態が続く。
伊東 ちょろちょろの状態は、どのくらい続いたのか。
八十島 着火後、1時間半くらいです。
伊東 実験は途中で終えたのか、最後までやったのか。
八十島 鎮火したと思って豚を動かしたが、小さな炎が出ていた。
以後、伊東弁護人は、燃焼実験を撮影した写真を八十島証人に見せ、心臓や肺などの臓器までは焼けていないことを八十島証人に確認した。
八十島証人は、2回の燃焼実験による着火や燃焼具合に大きな差異がないことを証言した。
続いて高橋勝検察官の尋問。
高橋 証人は弁護団のうちの1人ですよね。証人を終えれば、弁護団に戻るということですか。
八十島 はい。
高橋 2月11日の実験について聞きます。証人は実験の時間を午後2時30分から5時30分と言ったが間違いないか。
八十島 終わったのは午後4時30分で、私の記憶違いです。
高橋 実験場所の手配や豚の準備をした人は。
八十島 主任弁護人です。
高橋 用意された豚は前日、運び込まれたとのことだが、いつ病死したか聞いたか。
八十島 それについては聞いていない。
高橋 豚はどこで保管されていたのか。
八十島 (死亡獣畜処理場の)工場の倉庫内にあった。
高橋 倉庫は冷蔵庫か。
八十島 普通の倉庫です。
長島 実際に豚の体毛はどうだったかなど、あなたが言えることは。
八十島 豚は全体に汚れており、体毛は2、3センチだった。
高橋 豚の足の関節の固さは調べたか。
八十島 手で触ってはいません。
高橋 豚を置いた場所は約5センチの積雪があったというが、どういうことか。
八十島 雪の割れ目を見ると目測で5センチだった。
高橋 実験ではジーンズの上下を使っている。上を使った理由は。(橋向さんは遺体発見時に)フリースを着ていたと聞いているが、ジーンズとフリースでは実験結果に差異があるのではないか。
八十島 正確に被害者の着衣を再現することは(着ていた上着が判明せず)できなかった。
高橋 靴下は豚に履かせたのか。
八十島 はい。
高橋 ほかに豚に直接つけたものは。
八十島 パンツです。
高橋 ジーンズの上下、そのほかはどのようにしたのか。
八十島 ジーンズは足や胴体に巻きつけた。
高橋 (豚の)背中は、ジーンズを着せたというより、かぶせた状態ですね。
八十島 はい。
高橋 実験当時、風はあったか。
八十島 結構、強く吹いていた。
高橋 風の向きは。ビデオを見たらわかりますね。風の向きによって焼損に差が出ることは考えていなかったか。
八十島 (被害者と同じく)屋外なので、前提条件は同じと考えた。
高橋 Tさんに灯油を散布させた時に、注意したことは。
八十島 こういう風にしてくださいという指示はしていない。ただ満遍なくかけてくださいと言った。
高橋 灯油が最も流れ出たのは豚のどの部位か。
八十島 特定の所から多く流れ出たことはない。
高橋 ライターで点火することを選んだ理由は。
八十島 (事件で)ライターを使った証拠はないが、ライターで点火した。
高橋 火を点けたのは1カ所か。
八十島 そうです。
高橋 2カ所ということは考えなかったか。
八十島 1カ所でも中々火は点かなかった。
高橋 炎の状態が途中で強くなったことは。
八十島 なかった。
高橋 下から吹き出す炎は、何かが燃えている状況か。
八十島 判別できなかった。
高橋 一番焼けた部分は。
八十島 (豚の)表面はすべて黒くなったが、どこが一番焼けているというようなことはなかった。被害者の遺体に関する鑑定や実況見聞の状態のように、骨が露出するようなことはなかった。
高橋 炎が1時間半で消えたというのは、自然に消えたということか。
八十島 消えたと思ったが豚をずらすと下の方に少し炎が残っていた。
長島 2月11日の現場の状態ですが、豚を置いた所に雪はあったのか。
八十島 凍結しており、土は露出していません。
長島 灯油がTさんの服に跳ね返ったのは見たか。
八十島 現認していない。
◇ ◇
一審判決では、被告が遺体に火を点けた時刻を00年3月16日午後11時5分ごろとした。弁護側は、被告が同11時28分に恵庭市内のガソリンスタンド「ガソリンキング」で給油し、その車が映った防犯ビデオテープを提出、遺体発見現場からガソリンスタンドまでは、車で約25分を要するため、被告が殺害するのは不可能と主張していた。
弁護側は第3回公判に証人として出廷した上野正彦元東京都監察医務院院長の「単独での殺害は不可能。複数か、男性による事件」とした遺体鑑定意見書を証拠として申請した。
さらに豚の燃焼実験を撮影した2本のビデオテープと、2回の実験における検証報告書も申請した。
札幌高裁は上記4つの証拠のうち、検証報告書を却下、残る3つを証拠として採用した。
長島裁判長は、次回8月19日の公判でガソリンキングと豚の燃焼実験を録画したビデオを法廷で再生することを明かした。同時に裁判長は、弁護側に被告人質問の可否を尋ねたが、弁護団は「事実上、不可能」と、被告人質問の順延を求めた。
また伊東弁護士は、被害者の遺体を鑑定した寺沢氏の証人申請を訴え、房川弁護士も、豚の燃焼実験をした警察官など4人の証人に対する尋問を求めた。







関連サイト

シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd13.html






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