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「命」 第十一講


 
なけなしの金を叩いて、高知の皿鉢(さわち)料理を堪能した俺は、愛媛県の今治から高速道路に乗った。
広島県の尾道市まで続く瀬戸内しまなみ海道は、来島海峡から中渡島、武志島、伯方島、大三島、生口島、因島、向島などを橋でつなぐ、壮大な道路。
本州と四国を結ぶ高速道路は3本。当然、すべてに多額の血税が投じられている。
片や俺の住む北海道でこれらの橋に対抗できるのは、青函トンネルただひとつ。政治力の違いと言ってしまえばそれまでだが、北海道新幹線に時間を費やすことになったのも、そもそも道民の熱意が足りなかったためだ。
青森県八戸市から東京までのルートは、土砂降りに見舞われたが、中国・四国地方を旅した期間は、梅雨にもかかわらず、とにかく晴天に恵まれた。
Tシャツで30分もバイクに跨っていると、腕が真っ赤に日焼けする。北海道では体験できない火傷である。
このエリアで強く印象に残ったのは、鳥取砂丘だ。東西16キロ、南北2キロの砂丘は、日本海から吹く季節風で、風紋や砂簾(されん)など、さまざまに表情を変える。
砂丘にラクダがいるとは知らなかったが、乗るのはともかく、ラクダと記念撮影するにも金がかかるとは驚いた。
北海道ならば、クマこそ簡単には遭遇できないが、エゾシカやキタキツネ、タヌキ、エゾリスは珍しくない。
よそから連れて来たラクダに興味を抱くことはできなかったが、砂丘の黄色と日本海の紺碧が織り成す絶景はすばらしかった。 










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