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長沼町散骨場問題 風評被害を危惧、怒り心頭の地元住民


10月13日(水) 14時30分
 



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散骨場反対の看板
 「法に抵触しない」と整備を続行する事業者に町は困惑。

 空知管内長沼町で、散骨場の設置を巡り事業者と地元住民の対立が続いている。

 事の発端は、NPO法人「22世紀北輝行研究会」(札幌市)が長沼町幌内地区に昨年から設置を進めている散骨場。

 散骨は同NPO代表者の向井隆氏が所有する約2万3,000平方メートルの私有林を利用し、2メートル四方の区画に樹木を植え、遺骨をまくというもの。故人の名を記載した墓標はなく、樹木に記号を彫ったプレートをつけるという独自のスタイルだ。1区画の使用料は52万5,000円で管理費は年間1万2,600円。運営は、今年3月に同NPOのメンバーが設立した有限会社が担う。

 同NPOは昨年10月28日、長沼町役場を訪れ、散骨場の説明を行った。町の住民課は「当初は、墓標の代わりに木を植え、遺骨を埋葬する樹木葬を行うという話だった。埋葬の場合は墓地に該当するため、自治体に許可が必要。事業者にその旨を伝えたところ、今年3月になってから『樹木葬だが、遺骨を砕いて樹木の周辺にまく散骨方式なので、墓地には該当しない。従って墓地埋葬法に抵触しない』と一変した」と困惑する。

 墓地埋葬法上では散骨に対する定義はなく、現状で規制はない。

 私有林の付近には、なだらかな丘陵が続く農村地帯と閑静な新興住宅地が立ち並ぶ。散骨場の設置を知った住民からは「農作物への風評被害が出る」「付近の住民は地下水を飲料水として利用しているので、風雨で地下水に混入しないか不安」「人骨をばらまいているかと思うと不気味」といった声が上がった。  地元で農業を営む男性は、問題の経緯を次のように話す。

 「昨年11月に新聞報道で初めて散骨場の話を知った。それまでは、土地を売るために雑草を刈っているのだなと思っていたので、大変驚いた。一度、関係者が話に来たが、事業者がやろうとしているのは法のすき間をかいくぐり、墓石のない墓を作ろうとしているのと同じ事だ。散骨場ができたら、長沼町の農業に風評被害が出て住民は大きなダメージを被る。行政は法の整備をして散骨場の受け入れを拒否すべきだ」 

 町は道と協議を重ねた結果、今年6月、墓地埋葬法に抵触するか否か、を厚生労働省に照会した。この問題は町議会でも取り上げられ、議会では散骨が法規定の対象外であるにもかかわらず、衛生問題など生活環境の悪化や定住化の後退、農産物への風評被害を危惧し、6月10日に計画撤回を決議した。

 しかし事業者は整備を続行したため、板谷利雄長沼町長は7月と8月に事業者宛てに散骨場の設置の即時中止と撤退の要請文を送付した。

 さらに住民は散骨場の設置の反対署名運動を進め、9月6日に長沼町の有権者の7割に当たる7,291人の署名を集め、事業者に提出した。

 北輝行の太田安男専務は整備続行の理由をこう説明する。

 「NPO法人『22世紀北輝行研究会』は定年を迎える人が趣味、仕事をしながら定住できる生き甲斐村を作ることを計画している。樹木葬もこの構想の一環で、自然葬を普及させたいと考えており、幌内地区の土地で先行実施しようと構想をまとめた。樹木葬の方法は樹木の上から粉状にした遺骨をまき、見えないように枝や枯れ葉をかぶせる。また、髪の毛を埋める方法もある。枯れ葉は腐葉土に近いものを使うため、重さがあり、風で遺骨が飛ばされることはない」

 「法に違反してまで散骨をしようとは思わない。しかし新たな条例が制定されれば別だが、現状では散骨は違法ではない。昨年の11月は、1カ月間で100件を超える問い合わせがあった。契約者数は言えないが、既に樹木葬は実行している。公務員が中止してほしいと言ったからといって、国民の行動を規制するものではない。地元住民の反対署名や議会の決議も承知している。本当に迷惑がかかっているのであれば中止するが、感情的になっているだけではないか。小さな町なので、署名を断れない人もいるはずだ。町議も町民にいい顔したいだけだ。真剣に反対しているとは思えない。今後、時間をかけて理解してもらえるよう説明したい」

 町の住民課は「事業者は自分たちの言い分を一方的に言うだけで、こちらが何を言っても耳を傾けない。町長の中止の要請文に対しても『町が反対しても我々は事業を着々と進めます』という答えが返ってきた」と嘆息する。

 板谷利雄町長は「住民に不利益をもたらす行為は許されないと思っている。付近住民は地下水を飲料水に利用しているし、散骨は農作物のイメージダウンにつながる。現在は墓地埋葬法に関して国からの疑義照会を待っている段階だ。違法との結果が出れば散骨場の設置を中止してくれるものと信じている。違法でないとしても何らかの措置を取り、中止させたいと考えている」と語る。

 道環境生活部では「今週にも厚生労働省から事業者の散骨の手法が墓地埋葬法に抵触するかどうかの見解が出される」と明かす。






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散骨場の整備が進められている「ホロナイ森林公園」



関連サイト

NPO法人 22世紀北輝行研究会
http://www.hokkikou.com/






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