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全戸に高速ネットワーク環境を整備、サイバータウン・長沼町 後編


 
今後は千歳川の増水など防災情報を充実。
農業と観光を基幹産業とする長沼町は、昨年9月に光ファイバーや無線LANで町全域をカバーする高速ネットワークを完成させた。こうした環境を全戸に整備した事例は全国でも珍しく、サイバータウンのモデルケースとして注目されている。
「まおいネット」と名付けられたこの町民向けのサービスは、町が気象協会から長沼町に限定した気象情報を収集することが大きな特徴。農作物の管理・育成に正確な気象情報は不可欠だ。気象エリアを限定することで、情報の確度は増し、営農者には貴重な情報源となりえる。
もちろん、町のサービスは高速ネットワークの整備ばかりでなく、町民に対するサポートも確立させている。町民会館で開かれる町民向けパソコン教室「あいてますクラブ」では、初心者向けのIT講習会、エクセルの講習など、高速ネットワークを生かすための環境が整えられている。
長沼町が整備したネットワーク環境のベースは、1999年度に農業に従事する町民が自宅で公共サービスを受けられるよう立ち上げた「高度情報化農村モデル構想」。
板谷利雄町長は全戸にインターネット環境を整備することとなったきっかけを次のように話す。
「2000年に福祉関連施設の視察にフィンランドを訪問したとき、まずノキアの発展ぶりに驚かされた。ITインフラが整備され、ITによる情報収集、管理が地域に浸透していた。長沼町にも整備の必要性を強く感じ、町民に都会並みのインターネット環境の基盤作りをしたいと考えた。しかし、長沼町にADSLが整備される見通しは立たない。ところがちょうどこの年に政府でeジャパン構想が立ち上がり、これが町のIT化を後押しした。農林水産省所管の高度情報化拠点施設整備事業のほか、総務省の地域イントラ基盤整備事業の開始によって、従来から構想を温めてきた町は、即時にこれらの事業に取り組むことができた」
町の社会福祉協議会に勤務する佐藤繁見さんは、光ファイバーが導入される以前からパソコンを利用しており、ボランティアで町民にパソコンの指導をしている。
佐藤さんは町の取り組みをこのように評価する。
「長沼町のインターネット環境整備は民間に頼っていたらいつになるか分からなかった。町が環境をそろえてくれたことは大変ありがたい。ファイルのダウンロードのスピードがアップしたことが一番のメリットだ。イントラネットは気象情報を利用しているが、インターネットとイントラネットの違いを理解する町民は少なく、ソフト面でのサポートはこれからだと感じている。せっかくハードが整ったのだから、もっと『あいてますクラブ』を有効に使い、利便性をアピールすることで利用者は増えると思う」
長沼町はパソコン普及率を70%まで上げることを目標としているが、現在の普及率はまだ満たない。町の企画振興課が「これからは利用価値をより高めて普及率アップを図る」と話すように普及率のアップが課題だ。
長沼町では年内に音声読み上げソフトの導入、低速な回線でもマルチメディアデータをリアルタイムに再生する、ストリーミング方式を利用した議会中継を可能にする。
さらに今後は防災面の充実を図る方針。排水機場にライブカメラを設置し、町内中心部より高い位置にある千歳川の増水状況、携帯電話からの情報収集と画像提供を可能にし、災害情報を町民に知らせ、町民からも情報をフィードバックできる環境を目指している。







関連サイト

前編
http://www.bnn-s.com/bnn/bnnMain?news_genre=17&news_cd=H20021022228






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