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コンサドーレ札幌 10年目のフロント改革 前編


 
児玉芳明社長を直撃。
コンサドーレ札幌は第22節を終え、9勝6分7敗で勝ち点は33。京都パープルサンガ、アビスパ福岡に次ぐリーグ3位で前半戦を終了した。
序盤戦で低迷したチームが“上昇気流”に乗ると同時に、北海道フットボールクラブ(以下、HFC)のマネジメント体制も変わりつつある。
児玉芳明氏は、社長就任が決定して間もない3月17日、BNNに次のように抱負を語った。
「佐々木利幸前社長の路線を踏襲しながら、それをどうやって発展させるか、やはりこの1年が勝負だと思います。ここで失敗したら、もうファンも離れるし、スポンサーも離れます。ちょうど10年目ですから、組織改革の良いチャンスです。フロントも変わるし、変わったところを選手に見てもらい、『一所懸命やらなければだめなんだ』ってね。今年見放されたら、回復するにはもっともっと多くの時間がかかる。そんな気持ちです」。
だが、こうした児玉社長の決意とは裏腹に、5月9日、HFCの柳沼聡取締役総務部長が中学生に対する買春容疑で逮捕された。
成績不振に加えて、フロントの不祥事、さらには石水勲会長の引責辞任。コンサドーレに対する風圧が強まる中、HFCは改革の一歩を踏み出した。
HFCは6月16日の臨時株主総会で、今季から常勤の執行役員を務めていたベンチャー起業家の水澤佳寿子氏を営業兼広報担当の取締役に抜擢、営業部門の強化を図る。
前編は児玉社長のインタビュー。
――チーム誕生から10年目、経営危機や不祥事など紆余曲折もあった。
児玉 今年がちょうど10年目。当初Jリーグバブルのような雰囲気があり、これが過ぎ去って、コンサドーレはJFLからJへ昇格、翌年J2に降格し2年後J1に昇格。そして再びJ2に落ちた。非常に波のある10年間でしたが、佐々木前社長が残していった5段階計画を実行するいい機会という気がします。
――”けがの功名”と言うのか、総務部長の事件を契機に当初予定していたよりも社内改革が早まったのではないか。
児玉 残念な事件でしたが、それを前向きに受け止め、逆に会社の改善、構造改革が少し早まったような気がします。
――これを機に改善すべき課題、問題点が明らかになった観がある。
児玉 対外的にはファンサービス、チケットの問題、グッズの開発もそうですが、観客の増員対策も前倒しで進める事ができました。このほか、児童対策、福祉施設の子どもたちの招待計画なども、大急ぎで進めることができたので、大変残念な事件でしたが私たちにとっては、スピードアップ、ステップアップの一つの機会になったと思います。
――起業家の水澤佳寿子氏も経営陣に加わった。
児玉 私は新聞記者出身ですから、お金を集めるノウハウがほとんどない。道新スポーツの社長もやりましたが、組織の中のサラリーマン社長で 実際の会社経営のノウハウはありません。水澤さんは自分で会社を立ち上げ、一人でいろいろな実務も見てきた方ですから、そうした方の力を借りなければとてもやっていけないなと思い、水澤さんをお招きしました。
ちょうど水澤さんはコティを辞められて、北海道のために何かしたいという発言をしていた。以前から水澤さんを存じ上げていたし、ぜひにと頼みました。
ただ、今回の就任をめぐっては、家族が反対していたと聞きます。2週間くらい説得して、執行役員を受けてもらいました。
――水澤氏はスポーツマネジメントを学ぶために京都まで勉強に通っていたと聞いた。
児玉 水澤さんは毎週金曜日に京都まで行き、同志社大学で行われているスポーツマネジメントの講義を受けていました。金曜に京都に飛んで土曜日の朝一番に帰ってくる。毎週2回は関西を往復しているような状況でしたが、HFCの仕事もきちんとこなしてくれた。彼女の生活で1日フリーというのはほとんどないと思います。私は彼女の行動力に相当助けられていますね。
また今回、管理部長の村野晋さんに総務部長を兼ねる執行役員になってもらいました。彼とはプロ契約で、チームのことを良く分っている人物です。僕らはチームがどういう動きをしているのか大きく分っていても細かいことは分らない。そういう面で、村野さんはワールドカップの総務担当や日本サッカー協会で仕事をしてきた人だから、マネージメント面ではプロ。
また、道新スポーツ常務の佐藤邦興さんにも常勤の執行役員に就任してもらい、広報とファンサービスを担当してもらっている。彼は長い間、新聞記者をやっていて、道新時代に市役所のキャップを務めていた。そのため市役所内の人脈、札幌市の財界、経済界との人脈があり、私がやるより早いスピードで仕事をこなしてくれます。
この体制が、うまく機能しはじめているかなという感じがしているし、当初は1年後にやりたいと考えていたことが10ヵ月前倒しすることができました。これは非常に大きな前進だと考えています。
――具体的に改革はどのようなことから始められたのか。
児玉 事件後、コンサルタント会社に社内の職務体制に関する見直しをお願いしました。5月31日から6月17日までの期間、午前9時半から午後1時半まで社内に常駐して、会社の形がこれでいいのかを調査してもらい、社員の意識調査も行いました。その上で会社をどうしたらいいかの報告書を受け取りました。現在は報告をどのような形で生かすかを検討しています。報告で上げられたことが全部正しいという訳ではありませんが、第三者的な目で見てもらう機会になり、いい雰囲気で会社が回り出していると感じています。
――前進するための準備が整った。
児玉 北海道教育大学との業務提携もスタートしました。これには非常に大きな意味合いがあります。岩見沢校がスポーツ専門の大学に体制を変えており、今後、コンサドーレと関わりを持った人たちが育っていくということになります。指導者、コーチ、学校の先生という形で北海道全域に浸透していくわけですから、コンサドーレファン、サポーターを育んでもらう土壌の形成につながると考えています。
――そうした中で児玉社長が掲げる目標は。
児玉 J1昇格。当然、フロント、監督含めてJ1でしょう。ただ急いでもしょうがないのですが、来期は今のJ2にJ1の実力を持った2チームが落ちてくるため、今年を逃すと昇格のチャンスが少なくなるという見方もあります。HFCの場合は5段階計画で今年はチーム力の向上を掲げていますが、どこのチーム、経営者、監督にとってもJ1昇格は当然の目標ですね。
以下、中編の水澤氏インタビューに続く。







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シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd94.html






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