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控訴審判決まで1カ月 恵庭OL殺人事件


 
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| 被害者の遺体が発見された恵庭市北島の現場(2005年4月撮影) |
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弁護側、検察側とも決定的な証拠はなし。
平成12年5月23日、当時29歳だった大越美奈子容疑者が、殺人と死体損壊の容疑で道警に逮捕された恵庭OL殺人事件。
逮捕から5年余りを経た事件の控訴審判決が1カ月後に迫っている。判決公判は、9月29日午後1時30分から札幌高裁で開かれ、長島孝太郎裁判長が大越被告に判決を言い渡す。
逮捕から一貫して容疑を否認してきた大越被告に対し、札幌地裁(遠藤和正裁判長)は15年3月26日、懲役16年(求刑・懲役18年)の有罪判決を言い渡した。
この時、札幌地裁は判決文「犯罪事実」で次の2点を認定している。
第1 被告人は、平成12年3月16日午後9時30分ころから同日午後11時5分ころまでの間、北海道千歳市、恵庭市又はその周辺において、橋向香(昭和50年4月2日生)に対し、殺意をもって、その頸部を何らかの方法で圧迫し、同人を窒息死させて殺害した。
第2 被告人は、同日午後11時5分ころ、北海道恵庭市北島39番先市道南8号路上において、前記橋向の死体に灯油をかけ、そのころ、同死体に火を放って焼損し、もって死体を損壊した。 平成12年3月17日午前8時20分頃、上記恵庭市の市道で苫小牧市に住むOL・橋向香さん(当時24)が焼死体で発見された。逮捕された大越容疑者は、橋向さんと同じ日本通運の札幌東支店キリンビール千歳工場内構内課に勤務する同僚だった。
この事件が世間の耳目を集めた理由は、かつて大越被告と交際していた同僚の板持貢氏が、事件発生直前から橋向さんと交際していたことも要因だった。
判決文では被告の動機を「犯行態様は、死因及び死体焼損から推認するに冷酷非道というほかない。その動機も、自分が社内恋愛で結婚まで意識しながらも夢破れた交際相手と付き合うようになった同僚被害者に対する嫉妬や憎悪であると合理的に推認できる」(量刑の理由)としている。
逮捕から現在まで犯行を否認している大越被告は、有罪判決を言い渡されて即日控訴したが、1審からこれまでの控訴審を経て、検察側、弁護側双方とも決定的な証拠を提出するには至っていない。
しかし、被告の犯行を示唆する事実は、以下のように主なものだけでも少なくない。
1.これまで判明している限り、被告は被害者と一緒に会社を退社し、駐車場で別れた最終接触者であること。
2.被告は事件前日に灯油を購入。これが被害者を焼損した灯油と同一のものかは判別していないが、さらに被告はこの灯油を捨てた後、別の灯油を購入したことを認めている。
3.被告人所有の日産「マーチ」助手席グローブボックスから被害者のロッカーキーが発見された。
4.被害者の携帯電話番号を知らなかった被告は、板持氏の携帯電話のメモリーダイヤルを盗み見た上、非通知で被害者の携帯電話や自宅に230回架電している。
5.被告は犯行時刻と推定される時間帯に恵庭市内の書店「ビブロス」で立ち読みをしていたと証言しているが、目撃者は現れていない。
6.被告は事件発生前の3月上旬から被害者と板持氏の仲を疑うようになり、元交際相手の男性や友人に相談するようになった。
7.被告は灯油を買い換えたこと、被害者に多数の無言電話をしていたことなどを弁護人に隠していた。
一方、被告や弁護人は、上記の点にこう反論している。
1.被告は、被害者と一緒に会社を退社し、駐車場まで行ったことを認めているが、駐車場で別れたと主張している。
2.被告は12年3月31日に灯油を捨てたことを認めているが、犯行に灯油を使用したこと、さらに犯行自体を否認している。
3.弁護人は、被告の車両から出てきたとされる被害者のロッカーキーについて、捜査報告書が存在しないことなどを理由に捜査官による証拠の捏造と反論している。
4.被告は板持氏の携帯電話メモリーダイヤルを盗み見たことを認めているが、被害者に対する架電については、具体的な回数を認識していなかったと主張している。また被害者が出る前に、切ったとして嫌がらせの意図を否定している。
5.被告の主任弁護人である伊東秀子氏は、ビブロスでの目撃者は存在すると主張している。
「大越被告を目撃した女性は、大阪に住んでいたが、男性のマネージャーが札幌に在住していたため、毎月、北海道に来ていた。3月16日の夜、このマネージャーと女性の2人は、所用で千歳に行き、本を買うために行ったビブロスで大越被告を目撃した。女性はビブロスにいた多くの客の中で大越被告を覚えていた理由を『みすぼらしい服装をした若い女性が1人で夜遅くに書店にいることは、北海道では珍しくないのかな』と疑問を抱いたと語っていた。一緒にいた男性も、大越被告の姿が目が留まり、2人で大越被告のことを話したそうだ。だが、女性は事情があって法廷で証言することができず、男性が証言することを了解してくれた。こちらの証人申請を札幌地裁が認め、あとは目撃証言をしてもらうだけだったが、男性は出廷しなかった。その理由はわからない。2人の消息は不明で、本人が申し出てこない限り、証言をしてもらうすべはない」(伊東氏)
6.被告は板持氏のことを友人などに相談したことを認めているが、同氏と結婚の約束をしていたことは否定している。
被告は「A君(板持氏と交際する前に付き合っていた男性)と交際する時、結婚を前提に付き合いたいと話された」(控訴審第8回公判)と証言、さらに「A君と付き合って結婚しようと思っていたが、だめだったので自分がそういうこと(結婚)を(板持氏に対し)口にするのが怖かった」(同)とも明かしている。
7.被告は被害者に対する架電や灯油を買い替えた事実を12年9月26日まで弁護人に伝えていなかった。その理由は「(弁護人に)心を開くことができず、言えなかった」(控訴審第12回公判)と証言している。
弁護側は控訴趣意書の中で次のように問題点を指摘、札幌地裁の原判決を「恐るべき欠陥判決」と糾弾している。
原判決理由中で一審裁判所は、確たる証拠もないのに、被告人が有罪になる方向では極めて大胆なあれこれの想像をした上、事実認定をした。他方で裁判所は、弁護人の証拠調べ請求、証拠開示請求はその殆どを却下し、被告人に有利な状況証拠については全てこれを無視し、およそ真摯な事実認定がなされないという裁判の中で一審判決が下されたのである。
原判決の中では、「被告人は殺人を犯した」との事実認定はなされてはおらず、「被告人は殺人を犯した可能性がある」との認定だけしかなされてはいない。であるのに一審裁判所は、あえて憲法・刑訴法に違反し、被告人に対して不当な有罪判決をしてしまったのである。 公判では被告を真犯人と裏付ける殺害時や焼却時の目撃者、凶器の発見や被告の指紋検出など直接証拠は一切出ていない。
その一方、被告は犯行を否認した上で自身の不可解な行動の1部を認めている。
すでに裁判官は判決文の作成に取り掛かっているはずだが、判決が言い渡されるまでには、なお1カ月を要する。







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シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd13.html






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