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駅伝初入賞 森田修一ホクレン女子陸上部監督が語る全国レベルへの布石 中編


12月29日(木) 16時25分
文:東  



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森田修一監督
 「残念ながら北海道には、育てるという土壌がありません」

 ホクレン女子陸上部は、12月18日に岐阜県の長良川競技場発着コースで行われた全日本実業団対抗女子駅伝で、12回目の挑戦にして初の入賞を果たした。

 同部の森田修一監督(40)は現役時代の1991年、福岡国際マラソンで優勝。2000年4月の就任以降、さまざまな改革を断行、チームを全国レベルに引き上げた。

 以下、森田監督のインタビュー中編。

 ――現在、ホクレン女子陸上部の選手には、年俸制が導入されています。

 森田 制度上、選手の1年の評価が次年度の年俸に反映します。実績によってすべてが評価されます。

 ――選手がホクレンの正職員だった時代とはどのように変わりましたか。

 森田 はっきりしています。こういう記録を出した、こういう大会で何番だったなど、全て査定となり、1年間積み上げたものが、次年度の年俸に反映されるスタイルです。簡単に言えば、頑張れば上がるし、頑張らなければ落ちます。今年頑張れば、次の年は確かに上がりますが、次年度の頑張りが足りなければ、落ちる可能性が十分あるということです。

 ――監督就任後、トレーニングルームを新設された。

 森田 そうですね。計画には入っていましたが、いろいろな設備投資を1度にはできないので、「今年はこれ」「その次はこれ」とチームの環境に必要なものを改善してきました。

 ――ほかに作らなければならない施設はありますか。

 森田 作るというよりも、札幌で競技をしていく上で、グラウンドの使用問題が非常にネックになっています。

 これは声を大にして言いたい問題です。北海道も全体的にそうですが、札幌の場合は大体、グラウンドの使用は5月1日にスタートして、10月末で使用が終わります。

 その年、その年によって寒暖があります。寒い年であれば、5月から10月までの使用期間は妥当だと思います。しかし、雪解けが早い、あるいは降雪が遅い場合は、その前後のプラスアルファの使用期間がもっと柔軟であるべきだと思います。

 これは陸上競技だけではなく、ほかの競技も同じです。テニスコートにしても、野球場にしても、サッカーコートにしても、「雪がなければ使用させます。ただ雪が降ったらクローズ」と、雪解けが早くなったら、早く使用させるように努力することをどんどんしてもらいたい。

 増して札幌市内にはオールウェザー(全天候型舗装材を使ったトラック)のグラウンドが円山(中央区の円山競技場)と厚別(厚別運動公園競技場)にあります。残念ながら(陸上トラックの)1レーンは、ごくわずかの時間を除いて使用禁止です。

 トラックの1レーンは減る(合成ゴムで作られたタータンと呼ばれる競技用走路が磨耗する)という理由で、使用は禁止になっています。北海道という土地は半年間、雪に埋まっているので、実質、稼動は半年です。そもそも半年で減るからといって、大会以外には使わせないという体制に問題があります。

 もうひとつネックになっているのは、グラウンドの使用料が非常に高い(円山競技場は大人当日券が260円)ということです。

 他府県では100円とか200円で借りられます。しかも1レーンを走らせてもらえます。

 使用料を取るなら取るで構いませんが、その代わりに使わせてくださいと言いたい。使わせない、使う期間も限られている。その辺りを改善しない限り、北海道の競技スポーツは向上しません。

 オールウェザーは寝かしておいても劣化します。それだったら思いっきり、市民の方に使ってもらい、張り替える方がよほど価値があります。残念ながら北海道には、育てるという土壌がありません。

 要するに何か、他力本願なところがある。もっと自分たちで工夫して、どのようにしたら育てられるのかを考えるべきです。小学生、中学生、高校生をしっかり育てないと、将来、北海道を背負って立つようなランナーは出てきません。これは陸上だけのことではなく、ほかの競技スポーツにも言えることだと思います。

 施設の使用期間はすべて条例で定められていますが、「何年前につくったものですか」と言いたい。昔といまでは違います。気象は世界的に温暖化の傾向にあり、札幌も雪が降るときは降りますが、年配の方に聞くと年々少なくなってきています。

 施設面に関しては、全く進歩していない。条例をいまの時代に即してものに変えていかなければなりません。これはスポーツに限らず、さまざまな面でも言えることで、時代のニーズに合ったものにしなければ、だめになります。

 北海道は雪国なので当然、ウインタースポーツは盛んですが、聞くところによると、かなり競技人口は減っています。非常に残念です。1回だめになると、つくり直すのは非常に時間がかかります。

 ――北海道におけるスポーツのデメリットは、一般に積雪期間中に練習時間が制限されることですが、実際には積雪と直接関係のない問題があるわけですね。

 森田 ありますね。ただ雪が逆にプラス面に作用することがないわけではありません。陸上競技の短距離やフィールド関係では、北海道の高校生は非常に高いレベルにあります。

 私自身が考えるには、室内で基礎トレーニングなどがみっちりできる、要するに割り切って基礎的なことをしっかりとするがために春になって野外に出て行った時に活かされるのだと思います。

 なまじ外でできてしまうと、基礎的なトレーニングが疎かになり、競技によっては本来のパフォーマンスを発揮できないことがあります。

 ただ短距離の場合は完全休養があってもいいと思うが、長距離は基本的に365日、何らかの形で体を動かしていなければなりません。そういう面では、雪国のハンディがあることは確かです。

 以下、後編に続く。

■ホクレン女子陸上部■ 87年創部。道内唯一の女子実業団チーム。森田監督就任後、選手は1日のすべての業務時間を練習に費やす“プロチーム”に変貌した。







関連サイト

ホクレン女子陸上部
http://www.hokuren.or.jp/track/index.html






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