前回はいまひとつノリの悪かった高並編集長だったが、今回は彼が楽しみにしている作品を紹介してもらった。編集長自身もまだ観ていないそうだが、長年の経験から「期待できる!」と踏んでいるようだ。
まずは1月28日から、札幌市中央区の
「スガイシネプレックス札幌劇場」で公開される
「グレート・ビギン」。
活火山の姿からタツノオトシゴの求愛ダンス、母親の胎内にいる人間の胎児まで、あらゆる命の神秘に迫ったネイチャー・ドキュメンタリーで、監督は96年の傑作「ミクロコスモス」を撮影したクロード・ニュリザニーとマリー・プレンヌーの2人。制作は「戦場のピアニスト」のアラン・サルド。
「皇帝ペンギン」や「アトランティス」など、ネイチャー・ドキュメンタリーの傑作はいずれも撮影に長い年月を費やしているが、この作品も撮影に16年もかかったそうで、さらにはこの撮影のためにオリジナルの機材まで開発したというから時間も費用も莫大なものだろう。何より、そこまでしてこの作品を作り上げたスタッフの意気込みとエネルギーが凄い。
続いてもう1本は、スティーヴン・スピルバーグ監督の
「ミュンヘン」。「プライベート・ライアン」「シンドラーのリスト」に続く、平和を問うスピルバーグのシリアスな作品だ。
ミュンヘン・オリンピック開催中の1972年、パレスチナゲリラがイスラエル選手団を襲撃した史実に基づいて、報復のためにイスラエル機密情報機関から暗殺部隊のリーダーに任命された男を主人公に、物語が展開する。
主人公は人を殺めた事がなく、家に残した妻のお腹には間もなく生れる子供がいる・・・。命が主題となったこの作品は、そんな背景を持つ暗殺者を主人公とすることで、政治や軍事からの視点ではなく、人間的な側面から現在も世界が抱えている様々な対立について考えてみようという、監督のメッセージが反映されたもののようだ。
公開は札幌市中央区の
「ユナイテッド・シネマ札幌」ほかで2月4日から。
という事で、高並編集長が長年培ってきた映画ファンとしての筋金入りの勘と情報を元に、観る前から期待しているこの2本。
まずはためしに劇場に行き、今後も編集長の話題が信用できるかどうかの試金石にしてみるのもいいかもしれない。
■辻 正仁(つじ まさひと) 1966年生まれ。 中学生の頃、ビートルズに憧れ自らも作詞作曲を始める。大学時代はバンド活動と友人の映画作りの手伝いに勤しむあまり、単位の修得を忘れる。北海道のCDショップチェーン「玉光堂」の社員として10数年間勤めた後、2004年退社。現在は自らの音楽活動、執筆活動に勤しむあまり、生計を立てるのを忘れがち。
FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)」のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。