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辻 正仁の「音(オン)ラインにゅ?す」<ベテランの風格>


02月23日(木) 08時10分
 



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義理堅い人間性の堂島クン
 初イベントでデビュー。

 堂島孝平10作目のアルバム「SMILES」が、2月22日に発売された。

 昨年はデビュー10周年を迎え、その流れを受けて彼の誕生日にリリースされたこの作品は、これまでの最高傑作といえる仕上がり。そのアルバムを聴きながら、なぜか僕が感無量でございます。

 というのも、堂島クンがデビューしたその日、僕は彼と仕事をしていたのです。今は無き札幌市内のとあるCDショップでのインストアイベントでした。

 その店も当時はオープンしたばかりで、初イベントで出演してくれたアーティストが堂島クンでした。何しろ初めてのイベントなので、店側も何をどうすればいいのか勝手が分からず、僕も初めての司会進行役を上司から仰せつかりうろたえながら進行したありさま。堂島クンだって、その日がデビューなんだからもちろんインストアイベントは初めて。全員が右も左も分からないままに、不安気な目つきで進行していたのが忘れられない。

 嬉しいのは、これだけ人気も知名度も上がったにもかかわらず、堂島クンもずっと覚えていてくれたこと。僕が手伝っている(そして、かつての上司が店主をやっている)CDショップ「音楽処」が昨年オープンした時にも、激励のFAXを送ってくれたり店にも立ち寄ってくれたりと、何かと義理堅い。

 さて、今回のアルバム「SMILES」は堂島孝平くん自らがプロデュース。総勢50人のミュージシャンも参加し、多彩で良質なポップセンスが存分に発揮されている作品。

 大滝詠一が主宰する「ナイアガラ・レコード」を彷彿させるジャケットデザインなんか、僕のような中年世代は思わずニンマリしてしまうはず。

 アルバムを聴きながら、大滝詠一や杉真理、佐野元春などを敬愛している彼が、70年代から80年代初頭にかけての日本のポップスが持っていた良質なアンサンブルやアイディアのエッセンスを受け継ぎ、現在の若い世代へと伝える橋渡し的な存在なのかもしれないなどと思ってしまうほど。

 デビュー当時、まだ「少年」と言ってもいいあどけなさで右も左も分からずに歌っていた彼が、今や多くのミュージシャンを統率し、こんなに素敵なアルバムを作るもはやベテランの風格が漂うアーティストになるとは・・・。僕はいまだに右往左往しているというのに。

■辻 正仁(つじ まさひと) 1966年生まれ。 中学生の頃、ビートルズに憧れ自らも作詞作曲を始める。大学時代は、バンド活動と友人の映画作りの手伝いに没頭した挙句、単位の修得を失念。北海道のCDショップチェーン「玉光堂」の社員として10数年間勤めた後、2004年退社。現在は自らの音楽活動、執筆活動に勤しむあまり、生計を立てるのを忘れがち。

 FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)」のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。







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