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「夜回り先生」水谷修が浦河で語った「HIV」「覚醒剤」……


03月20日(月) 10時35分
 



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著作にサインをしてもらうため、並んだ参加者
 リストカットは「地方に行けば行くほど多くなる」

 高校教師として自ら夜の街頭に赴き、非行に走る少年少女を救う活動を続け、現在は全国各地で講演活動を行っている「夜回り先生」こと水谷修氏の講演会が3月19日、浦河町総合文化会館大ホールで開かれた。  水谷氏は1956年横浜生まれ。上智大学文学部哲学科を卒業し、高校の社会科教諭に。進学校から横浜市の繁華街にある生徒数800人の定時制高校へと転勤し、初年度から生活指導担当となった。  その高校は入学した半数が退学してしまうという、「ヤクザ養成所」と呼ばれる学校だった。水谷氏は授業を終えると街に出て、ドラッグや売春など、非行に走る子どもたちに声を掛け、同時に街角のわいせつな看板を撤去した。そうした経緯からチンピラに脇腹を刺され、ヤクザの親分に右手親指を潰された経験を持つ。

 14年にわたるその活動がテレビのドキュメンタリーや著書「夜回り先生」(サンクチュアリ出版)で注目を集め、現在は学校を退職し、全国で講演活動を行っている。  「日本で今、一番人権が蹂躙されている場所はどこだと思いますか。それは家庭と学校です。親や教師は子どもを殴っていいのでしょうか。もしそうならば、道で知らない人を叩いてみて下さい。警察につかまりますから」

 最近の問題は、「ストレスによる自傷行為に走る子どもたちだ」と水谷氏は語る。中でも手首に傷をつける「リストカット」を行う子供は、100万人を超えており、リストカッターのいない学校は存在しない、と水谷氏は断言する。  「これは都市型の現象ではなく、地方に行けば行くほど多くなる。都会の子どものように外へ遊びに行けず、家にじっとこもらざるを得ない北海道、愛媛、秋田などは特に多いです」  全国各地の盛り場で“夜回り”をする水谷氏は、北海道の非行の現状も指摘する。  「北海道で最近荒れているのは旭川、札幌、新札幌。ドラッグや売春の問題も起こっています」  水谷氏は街頭で非行少年たちに名刺を配り、メールアドレスや電話番号を公開している。そんな中で知り合った若者たちのエピソードが紹介された。  シンナー中毒の青年は酩酊状態でトラックに飛び込み死んだが、その骨は箸で持ち上がらぬほどに崩れていたという。  中学3年でシンナーを3カ月、覚醒剤を5回使ったことのある少女は、病院でCTスキャンを取ると脳細胞の8%が失われていたそうだ。その後、HIVに感染していたことも判明。行きずりのトラック運転手の相手をしながら、8カ月にわたって全国を放浪し、“復讐”と称して中高年の男たちを標的に、ウイルスを男たちにばらまいた。  そして3年前にHIVを発症、50キロの体重が20キロまで落ち、全身が斑点だらけになって死亡したという。   悩める現代の子どもたちに必要なことは何か。水谷氏は「夢や希望が多ければ多いほど、傷は浅くて済む。ぜひ子どもたちに多くのやさしさを与えてください」と語った。  “夜回り先生”の熱気あふれる語り口に、客席からはすすり泣く声も響いた。

 水谷氏は最後に、こう警告した。「こういう話をすると、大人は必ず『行政は何をしている』『道は』『学校は』と言います。しかし大切なのは、『あなたは』何をしているのか、ということではないでしょうか」

 会場の大ホールは700人の超満員となり、遠くは函館から訪れた熱心なファンもいた。地元の中高生も集まっていたが、「すごい勉強になった」「薬物は怖いものだと思う」と、都会の青少年の現実に驚いた様子。

 PTAで情報を聞いて来場した主婦たちも「帰宅したら、ぜひ家族全員で話題にしたい」と感動した表情で話していた。  今回の講演は浦河青年会議所(JC)が3月例会として企画したもの。吉津孝昭理事長を中心とする浦河JCのメンバーは「わが町に“夜回り先生”を呼ぼう」と尽力した。






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浦河JCの招きで訪れた“夜回り先生”水谷修氏



関連サイト

水谷修の「春不遠(はるとおからじ)」(現在閉鎖中)
http://www.koubunken.co.jp/mizutani/main.html






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