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独裁者の秘密を徹底検証 ドキュメンタリー金正日 第32回


 
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| 若き日の金日成の軍服姿の修正写真の変遷。左の写真は1998年出版の金日成回顧録『世紀とともに』第8巻、中央の写真は1975年出版の『不滅の革命伝統』に掲載されている。抗日パルチザン闘争史が捏造される以前の1961年、朝鮮科学院歴史研究所が発行した『朝鮮近代革命運動史』(日本語版423頁)には、オリジナル(右の写真)がある。顔の輪郭や服装などを整え金日成を好男子に修正するのが北朝鮮の常道であるが、中央よりは左のほうが修正技術が向上している。オリジナル写真は、1940年代前半に金日成がソ連極東軍第88特別旅団の第1大隊長(赤軍大尉)だった30歳頃と推定されるが、修正写真は襟章を削除し、赤軍将校だった事実を隠蔽している点を見逃してはならない |
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第1部 金正日の出生の秘密を暴く
第3章 1941年に生まれた金日成の子供
新婚夫婦はいつ入ソしたのか(その2) 金日成の部下である第2方面軍第1中隊部長(旧第7連隊長)の呉白龍が書いた「司令部をたずねていく途上で」という手記がある。呉白龍は手記のなかで、「1940年11月以来、司令部〔金日成〕から離れた」と記している。この呉白龍手記は、朝鮮の抗日パルチザン闘争史がまだ捏造改変される以前の1960年代末ないし1970年初頭に書かれたもので、1940年当時の金日成と呉白龍は、10月までは共に行動していた事実を伝えている点で、非常に重要である。
金日成はソ連に向けて出発するとき、別行動をしていた呉白龍部隊のために、食糧と冬服を埋めていったというエピソードは、かつて北朝鮮ではよく知られた話だった。呉白龍たちは「米2俵と綿入れの冬服数十着」を地中から掘り出し、金日成の「配慮」に感謝しながらソ連に向かい、、呉白龍部隊は首尾よく金日成とソ連で合流したのだった。
しかし、和田春樹教授は呉白龍手記の内容をまったく無視し、『金日成と満州抗日戦争』290頁では、「金日成は呉白竜の第1中隊とともに入ソしたのだろう」と書いていた。その後、和田教授は呉白龍手記に気付いたようで、次作の『北朝鮮-遊撃国家の現在』43頁において、金日成に同行した6人の部下を紹介するなかで呉白龍の名前を加えないことにより、前作の誤認を目立たぬように訂正しているが、入ソ時期については相変わらず「9月」と主張している。
満洲の中共抗日パルチザン闘争史をまとめた中国の公式文献ともいうべき『東北抗日聯軍闘争史』436頁には、以下のような記述がある。
「一九四〇年十一月金日成率第二方面軍余部越界入蘇(1940年11月、金日成が率いる第2方面軍の残余部隊が国境を越えソ連に入る)」
この記述は、金貞淑本人が「1940年10月23日に王八☆子から入ソ」と書いたという「登録票」の情報を採用していない。金日成の行動をさまざまな資料で検討すると、10月23日に入ソと考えることは困難であり、中国共産党の研究者たちも登録票の日付に金日成は入ソしていない、と判断していると思われる。
また、金日成の入ソルートについては、金日成と金貞淑が結婚式をしたといわれる雪帯山から、馬滴達を経由する南ルートと東ルートの2つが考えられることを、すでに紹介した。しかし、登録票に書かれた「王八☆子から入ソ」という北ルートを裏付ける説を、私は延辺での取材中に聞いたことがある。延辺大学民族研究所の朴昌★教授は、金日成部隊は汪清縣に入ると北上して羅子溝に至り、老黒山南麓を東進して、東寧縣の王八☆子で国境を越えた、と私に断言した。
金日成と旧知の仲だった第2路軍総司令の周保中は、中ソ連絡員のワシリイ(王新林)に招集されて11月3日に入ソし、ハバロフスクに到着していたが、12月11日付の日記のなかで、次のように書いている。
「金日成帯十六人由琿春帰(金日成が16人をとともに琿春から入国)」(『東北抗日遊撃日記』544頁)
周保中の記述は、隊員数や入ソ地点については私がインタビューした徐順玉の証言と完全に一致しており、金日成入ソの事実を「12月11日」に書いているが、その日に金日成たちが入ソしたのか、それ以前に金日成が入ソしていた事実を、その日に書き留めたものなのかは定かではない。
以上まで、私は金日成の入ソ時期に関して、1940年の8月から12月にかけてのさまざまな情報を紹介してきたが、金日成本人は次のように回想している。
「わたしがコミンテルンの招集した会議に参加するため、ソ満国境を越えてソ連領内に入ったのは1940年11月でした」(『世紀とともに』第8巻・平壌版109頁)
金日成は入ソの理由を「会議に参加するため」としているが、コミンテルンが金日成を招集した事実はなく、上部に無許可でソ連に脱出したことを隠蔽しながら、入ソ時期については11月だったと述べているのである。(つづく)
☆は月へんに勃の左の字★は日のしたに立 






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