いつも高並編集長を待ち伏せする(8割方失敗に終わる)とある出版社に顔を出したところ、社内大整理大会の真っ最中であった。いや、人員が大整理されるワケではない。今のところは...。
社内の余計な資料などを片付けたり、これまで「応接室」として使用していた部屋からソファなどを処分して、会議室兼作業部屋にするのだそう。入り口付近には古い雑誌などと共に「なぜこんなモノが出版社に?」と思わせるワケのわからないガラクタの類が積み上げられている。きっとこれからまとめて処分するのだろう。
そんな大わらわな出版社に高並編集長が現れ、気が付けばダンボールを組み立て、先ほどのガラクタや古い映画雑誌をしまいこんでいる。どうやら、僕が「処分するのだろう」と思っていたワケのわからないモノの大半が編集長の私物だったらしい。
黙々と片付け続ける編集長の横で数年前の雑誌をめくりつつ、「マトリックス特集号」などを読みあさっている僕に彼が話しかけてきた。
「そういえば、ウォシャウスキー兄弟の新作試写会があるよ。」
高並編集長の言うウォシャウスキー兄弟とは、あの大ヒットした「マトリックス」のシリーズを製作した兄弟である。斬新なアイディアと革新的な特殊効果の映像で映画ファンだけでなく、SFコミックのファンをも魅了する彼らが製作・脚本を手がけた新作
「Vフォーヴェンデッタ」が、4月22日から札幌市中央区の札幌シネマフロンティアほかで公開されるそうだ。
さらに、公開に先駆けての試写会が4月17日午後6時30分から、札幌市中央区のSTVホールで行われるらしい。応募はハガキで〒060−8693私書箱200号STVホール試写会「Vフォー・ヴェンデッタ」係まで。4月7日必着で400名ご招待。
舞台は独裁国家となった近未来のイギリス。政府に挑戦する仮面の男と、戦いに巻き込まれて行く一人の女性の活躍を描いたこの作品で、ウォシャウスキー兄弟の映像テクニックは「マトリックス」よりもさらに磨きがかかっているようだ。
片付けの最中にそんな話をし始めた高並編集長。段々熱が入りはじめて、新たな資料を引っ張りだして片付けの現場はさらに混乱していく。
僕は逃げるようにしてその場を後にした。
■辻 正仁(つじ まさひと) 1966年生まれ。 中学生の頃、ビートルズに憧れ自らも作詞作曲を始める。大学時代は、バンド活動と友人の映画作りの手伝いに没頭した挙句、単位の修得を失念。北海道のCD ショップチェーン「玉光堂」の社員として10数年間勤めた後、2004年退社。現在は自らの音楽活動、執筆活動に勤しむあまり、生計を立てるのを忘れがち。
FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)」のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。
▼ 関連サイト・シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/bnns/series/seriesList.jsp?series_cd=97