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独裁者の秘密を徹底検証 ドキュメンタリー金正日 第33回


 
第1部 金正日の出生の秘密を暴く
第3章 1941年に生まれた金日成の子供
新婚夫婦はいつ入ソしたのか(その3) 金日成は越境地点の付近の国境哨所で、スパイ容疑のため数日間拘留された後のことについて、次のように書いている。
「その後、ソ連側はわたしの引率した隊員たちをポシエトという所へ移送しました」(『世紀とともに』第8巻・平壌版83頁)
ポシエトはソ連極東部最南端の港町である。金日成たちが琿春縣からではなく、金貞淑が登録票に書いているという東寧縣(王八☆子) から越境したのであれば、その位置関係から考えて、遠方のポシエトに金日成の部下かちをわざわざ送るはずはなく、ヴォロシロフ(現在のウスリスク)、あるいはウラジオストクの周辺に移送したに違いない。
金日成たちが入ソした地点は、「2人の朝鮮の農民が、琿春からソ満国境付近まで案内してくれた」と金日成自身が書いているだけではなく、同行した徐順玉も証言しており、周保中日記にも記述されているところから、琿春縣からであることは疑いない。
だとすると、金貞淑が書いたという「登録票」の入ソ時期や入ソ地点はすべて事実ではないことになり、秘密文書の存在そのものが疑わしいことになる。その点については改めて後に検討することにしよう。
満洲の関東軍憲兵司令部が発行していた秘密文書『満洲共産抗日運動概況』の1941年の部分には、金日成の入ソ時期について次のように記されている。
「(1)入ソした匪首と匪賊数昭和15年(1940年)11月以後に、東部国境から入ソした匪賊グループは;
金日成匪 約30
崔賢および安尚吉匪 約50
柴世栄匪 約70
計150
(2)在ソ状況
入ソ匪は等しく国境でソ連軍に武装解除され、ヴォロシロフへ護送されたのち、その市内の一棟の家屋に収容された。匪首たちはソ連軍教官の指導によって、軍事訓練と反日教育を受けている」(『東北抗日運動概況』250頁。中国語翻訳では金日成の名は、『東北抗日運動概況』が翻訳発行された1986年当時の北朝鮮との関係から伏せ字になっている。崔賢の名前も伏せ字になっているが、その理由は不明である)
また、1942年6月4日、琿春縣馬摘達柳樹河子付近で満洲国国境警察隊に逮捕された第2方面軍警護中隊の政治委員だった李鳳禄は、第2方面軍は小部隊に分散して、1940年11月ごろから次々とソ連に避難しており、隊員たちは入ソ後、「オカヤンスカヤの野営学校」に収容された、と供述していることが、満洲国警務総局特務処特高科の秘密報告に記録されている。
琿春縣のソ満国境から入ソした金日成たちは、スパイ容疑で国境哨所で拘留された後、金日成だけが第1独立赤旗軍司令部があった軍事都市ヴォロシロフに護送され、国家保安総局(GUGB)による取り調べがおこなわれる一方で、秘密文書によれば金日成の部下たちは「オケアンスカヤ野営学校」に移送された。
ウラジオストクの北方20キロ付近にオケアンスカヤという駅名が存在するが、オケアンスカヤ(オケアン=大洋)とは海辺にある一般的な地名である。そのため「オケアンスカヤ野営学校」というのは、金日成が記述した港町ポシエト付近にある軍事施設の名称だったとしても不思議ではない。オケアンスカヤ野営学校はポシエト近辺にあったと考えるのが自然だろう。
いずれにしても、国境で何日間も拘留され「いらいらして、がっかりしていた」金日成の部下たちは、ポシエトに移送されて、ようやく休息することができた。金日成は後に金貞淑から話を聞いたのか、そのときの隊員たちの感慨を次のように書いている。
「そのときの女子隊員たちは、はでやかな服装で自由に街を行き交うソ連の女性の姿を見て、いつになったら朝鮮の女性もあのように大手を振ってあるけるのだろうかと目をうるませたものです。〈略〉銃声もなく屍もない極東に行ってみると、別世界に来たような気がしました」(『世紀とともに』第8巻・平壌版83頁)
これは、金日成の率直な感想だったに違いない。(つづく)
☆は月へんに勃の左の字 






| 上の写真は『中国抗日戦争図誌』479頁に掲載され、「綏芬河地区で活躍する抗日連軍の一部」という説明がある。下の写真は『朝鮮の母、金正淑』87頁にあり「朝鮮人民革命軍女性隊員とともにいる抗日の女性英雄金正淑女史」とされているが、どれが金貞淑かの説明はない。2枚の写真を見比べれば、上の写真の4人の女性を細かく修正して偽造したものが、下の写真であることが分かる。ソ満国境に位置する綏芬河は第2路軍の活動地域であり、第1路軍に所属していた金貞淑が、4人のなかにいるはずはないのである |
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シリーズ一括読み
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