毎度タイミングが合わない高並編集長との接見であるが、合えない時の理由が「足の裏を火傷した」とか「吹雪だから」だったり、たまに発見できたと思ったら、せっせと、資料を整理して積み上げた挙句に崩れ落ちる場面だったり、ワケのわからないガラクタをせっせと片付けては崩れ落ちる場面だったりして、ゆっくり話が聞ける状態にならないんだけど、憎めない人である。むしろ、こうした言い訳を聞いたり、あたふたしているのを目撃すると、妙に笑ってしまう。なにもない時などはつい「こんなの高並さんらしくない」とガッカリしてしまうくらいだ。
実は今回も高並編集長と会見する予定が、なかなか現れず、電話してみると「今回は昼頃ファックスで送った」と言い張る。しかし、某出版社のオフィスには編集長からのファックスは届いていないという。今日送られてきたものと言えば、昼間に白紙のファックスが立て続けに五枚出てきただけだそうだ…。ソレだよ。
再度編集長に電話し、早急に「文字の書かれている面」を送ってくれるようにお願いする。
編集長からのファックスを待つ間、アノ人こそ映画のキャラクターに使えそうなのになどと考えてみる。丁度「Mr.ビーン」みたいな、本人いたってまじめなのに見ているとなんだか笑えるような役柄なら、演技なしで行けるだろう。いや、どうせならもう少しシュールで毒気の強い笑いの、徹底的にばかばかしいコメディがいい。確か昔そんな映画があったはずだ…。
そんな事を考えているうちに編集長からのファックスが届いた。5月8日、午後7時から札幌市中央区のユナイテッド・シネマ札幌で行われる試写会の情報だ。タイトルをみてビックリ。「
ピンクパンサー」である。あのピーター・セラーズの当たり役、お間抜け刑事のクルーゾー警部が活躍するコメディーだ。
そうだ!これこそ高並編集長の主演作にふさわしい。60年代から70年代にかけてセラーズ主演でシリーズ化された人気作品。一時期は正月と言えば邦画は「寅さん」、洋画なら「ピンクパンサー」という時代もあったが、セラーズが他界した後は誰も代わりを務められる者などいないということでシリーズも終了してしまった。このヘンも「寅さん」と似ている。
しかし、今回残念ながら高並編集長が抜擢されることはなかったが、この伝説的名作コメディーが復活した。
主役のクルーゾー警部はスティーヴ・マーティンが演じ、徹底的な無能ぶりを発揮しているらしい。「ピンクパンサー」の直系ともいうべき、ひたすらナンセンスでドタバタなコメディーを作り続けてきたスティーヴだけに、バカっぷりも冴えているだろう。
試写会の応募は、ハガキで〒060-8799札幌中央郵便局留め「ピンクパンサー」プレミア試写会係まで。4月27日必着、360名招待。
ゴールデンウィークが終わって五月病になりそうな方は、予防策として今のうちに応募しておいては?効果は絶大のはず。もしくは、高並編集長と会ってみては?
■辻 正仁(つじ まさひと) 1966年生まれ。 中学生の頃、ビートルズに憧れ自らも作詞作曲を始める。大学時代は、バンド活動と友人の映画作りの手伝いに没頭した挙句、単位の修得を失念。北海道のCD ショップチェーン「玉光堂」の社員として10数年間勤めた後、2004年退社。現在は自らの音楽活動、執筆活動に勤しむあまり、生計を立てるのを忘れがち。
FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)」のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。