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恵庭OL殺人事件 最高裁提出「上告理由書」 vol.1


05月02日(火) 22時50分
文:東  



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伊東秀子氏
 原文には「共犯者」と疑われる人物の存在を記載。

 平成12年3月17日、苫小牧市に住むOL・橋向香さん(当時24)が恵庭市北島の市道で焼死体となって発見された恵庭OL殺人事件。

 この事件で逮捕、起訴されたのは、橋向さんの同僚で日本通運札幌東支店キリンビール千歳工場内構内課に勤務していた大越美奈子被告(35)だった。

 15年3月26日、札幌地裁の遠藤和正裁判長は、殺人と死体損壊の罪に問われた被告に対し「被告人単独で被害者を殺害、死体を焼損したことは、合理的な疑いを挟む余地なく認定できる」と断罪、懲役16年(求刑・懲役18年)の判決を言い渡した。

 捜査段階から一貫して無実を主張してきた被告は、判決を不服とし、札幌高裁に即日、控訴。

 昨年9月29日、札幌高裁の長島孝太郎裁判長は1審・札幌地裁の判決を支持、「状況証拠から被告が犯人と優に認めることができる」と控訴を棄却した。

 被告は即日、上告。弁護団は上告趣意書(上告理由書)の提出期限である今年3月6日、最高裁に提出した。

 控訴審に臨むにあたり、弁護団が提出した控訴趣意書と今回の上告理由書は、ある一点において記載内容が大きく異なる。

 主任弁護人の伊東秀子氏が語る。

 「最高裁での上告審は最後の機会なので上告理由書はリアルにしようと考えた。支障があるため、内容を明らかにはできないが、弁護側は上告理由書で職場の内部の人間が共犯として関与している可能性を示す事実(実名を含む)を記載している」

 以下、上告理由書の目次。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 平成17年(あ)第2338号 殺人・死体損壊上告事件

 上告理由書
 最高裁判所 第一小法廷 御中

                         平成18年3月6日

    目次
 上告の趣意……1

 上告の理由……1

 (はじめに)……1

  1.事件発覚と被告人が犯人視されるに至った経緯……1

  2.本件及び原審の特徴……4

 第1部 刑事訴訟法411条1号違反……8

 第1.「情況による事実認定」についての判例……8

 1.刑事裁判における事実認定……8

 2.「情況による事実認定」の推論過程の適正化に関する判例……10 (1)2つの推論過程の適正さ……10 (2)長坂町放火事件最高裁判決……10 (3)仁保事件最高裁判決……11 (4)葛生事件控訴審判決……13

 第2.原審の推論と問題点(総論)……14

 1.原審の推論の構造……14

 2.原審の推論の特徴……14 (1)積極的情況証拠について……15 (2)消極的情況証拠について……18

 3.原審の推論の問題点……20

 4.本上告理由書の主張について……22

 第3.原審の犯人像の「絞り込み」の不合理性……22

 1.原審の判示……22 (1)原審の論理……22 (2)積極的情況証拠……23 (3)消極的情況証拠……23

 2.本件を「単独犯」とする推論の不合理性(前記1)……24 (1)原審の認定……24 (2)「単独犯」と認定した根拠の不合理性……25

 3.犯人をキリンビール事業所51名に絞り込んだことの不合理性(前記2)……26 (1)原審が設定した犯人像……26 (2)「被害者の携帯電話から発信された電話」から推認される犯人像……27 (3)「被害者の携帯電話が被害者のロッカー内の上着の胸ポケットに戻されていた事実」から推認される犯人像……29 (4)小括……34

 第4.「幾多の間接事実」から要証事実を推認する過程の不合理性……34

 1.被害者のロッカーキーが被告人車両から発見された事実(前記3) (1)原審の判示……34 (2)原審の認定は証拠に基づいていない……34 (3)ロッカーキーは本件以前、どこに存在したか……35 (4)ロッカーキーが被告人車両に入った経路……38 (5)第三者によるねつ造の可能性……39 (6)北海道警察における「証拠ねつ造」の実態……41 (7)本件におけるずさんな捜査と原審の判断……44 (8)小括……46

 2.被害者殺害後の犯人の動きと被告人の動きが一致する事実(前記4)……46 (1)原審の判示……46 (2)原審認定のずさんさ……47 (3)原審の認定の論理矛盾……48 (4)事件後の被告人の行動との矛盾……49 (5)小括……50

 3.被告人が事件の直前に灯油を購入し、事件後灯油を再購入している事実(前記5) (1)被害者の遺体の焼損に用いられた燃料が「灯油」であることは証明されていない――被告人の犯人性を否定する決定的事実……51 (2)仮に灯油であったとしても、10リットルでは、被害者遺体のような炭化状態には至らない……52 (3)原審の非科学的な論理展開……53

 4.被告人の供述の不合理性について(前記5及び8)……55 (1)「灯油」に関する被告人の供述の不合理性……55 (2)「動機」に関する被告人の供述(弁解)の不自然ないし虚偽性(同18頁〜22頁)……58 (3)小括……61

 5.被告人車両のタイヤの損傷について(前記6)……61 (1)原審の判事……61 (2)原審の推論の破綻……62

 6.被害者の遺品の残焼物が被告人に土地勘のある場所から発見された事実について(前記7)……63 (1)原審の判示……63 (2)上記間接事実を被告人の所為とした場合の不合理性……65 (3)真犯人の所為であることを排除した推論の合理性……67

 7.動機について(前記8)……68 (1)原審の判示……68 (2)原審の推論の不合理性……68

 8.殺人事件及び死体損壊の「故意」について……70 (1)「殺意」の認定の欠如……70 (2)「死体損壊の故意」の認定の欠如……71

 9.被告人以外のキリンビール事業所従業員に犯人の可能性のある者は存在しないこと(前記9)について……73 (1)原審の判示……73 (2)アリバイ捜査のずさんさ……73 (3)被害者の交友関係の捜査の欠如……74 (4)共犯者(事後従犯及び共謀共同正犯)にはアリバイがあって当然である……74 (5)「複数犯の可能性」を推認させるその他の事実……74

 10.結論……78

 第5.「被告人は無罪である」ことを示す消極的情況証拠……79

 1.はじめに……79

 2.2台の自動車の存在……80

 3.被告人が購入した灯油で被害者が焼損された事実の証明がない……86 (1)原審の判断……86 (2)原審の判断の不合理性……87

 4.灯油10リットルでは本件死体のように焼損することは不可能である……88 (1)原審の判断……88 (2)原審判断の誤り……89

 5.被告人のアリバイの存在……91

 6.被告人の殺害行為の不可能性……96

 7.被告人の殺害を示す物的証拠が何一つない……97

 8.被害者車両がJR長都駅南側路上に放置されていたこと……99

 9.被告人は被害者の遺品を投棄していない……101

 第2部 刑事訴訟法411条3号違反……105

 第1.殺人行為及び殺意について……105

 1.原審の判断……105

 2.原審の上野証言に対する評価……105

 3.上野証言の正しい内容……106

 4.防御創についての上野証言……107

 5.死因について……107

 6.死因に対する法的評価……108

 7.死因に対する事実誤認……108

 8.殺意についての事実誤認……108

 第2.死体損壊について……109

 1.原審の判断……109

 2.焼損についての事実誤認……109

 第3.犯人は「当時のキリンビール事業所従業員」か否か……110

 1.原審の判断……110

 2.原審の論理の飛躍……111

 3.従前在籍していたキリンビール従業員の存在……111

 4.キリンビール(株)千歳工場の従業員の存在……112

 5.トラックマンの存在……112

 6.出入り業者の存在……113

 7.小括……113

 第4.ロッカーキーが被告人車両内のグローブボックス内にあった事実……114

 1.原審の判断……114

 2.原審の認定の誤り……114

 3.ねつ造の可能性……115

 4.小括……115

 第5.被害者殺害後の犯人の動きと被告人の動きが一致する事実……115

 1.原審の判断……115

 2.甲217号証の信用性について……116

 3.使用基地局の示すのは「方向」のみである。……117

 4.発信時の停車について……118

 5.始業後の着信電話について……118

 6.電源断又はエリア外について……119

 7.小括……119

 第6.油類の特定及び事件の直前の灯油の購入、事件後の灯油再購入……119

 1.油類が特定できない事実……119

 2.灯油の購入・再購入の趣向……120

 3.弁護人に話せなかった点について……120

 4.500ミリリットル少なかったことについて……121

 第7.タイヤの損傷……121

 1.原審の判断……121

 2.高熱の物体の不存在……121

 3.高熱になる時間……122

 4.小括……122

 第8.遺品残焼物について……122

 1.原審の判断……122

 2.タバコの遺留について……123

 3.土地勘のないこと……123

 4.警察官の監視……124

 5.必然性がないこと……124

 6.タイヤの泥の付着について……125

 7.小括……125

 第9.被告人の結婚願望と架電の動機……126

 1.原審の判断……126

 2.当事者の認識……126

 3.A(原文では実名)と被害者の交際の程度……127

 4.架電の動機……127

 第10.架電回数について……128

 1.原審の判断……128

 2.架電回数……128

 3.「230回もの嫌がらせ電話」について……128

 4.「リダイヤル電話」の事実を弁護人にも言えなかった理由……129

 第11.被害者遺体の焼損開始時刻……130

 1.原審の判断……130

 2.恣意的証拠採用……130

 3.小括……131

 第12.遺体発見現場から、ガソリンキング恵庭までの所要時間について……131

 1.原審の判断……131

 2.原審の事実誤認……132

 第13.被害者車両の放置について……132

 1.原審の判断……132

 2.原審の事実誤認……132

 第14.被告人車両に被害者の血痕や尿斑・指紋等の痕跡がないことについて……133

 1.原審の判断……133

 2.指紋採取の疑問……133

 第15.結論……134

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 上告理由書は記載可能な部分に限って連載する。

※原審は札幌高裁で行われた控訴審







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