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救う会副会長・藤野義昭が語る「拉致、金正日、核問題」 中編


 
金正日体制の問題、そして「しおかぜ」の活動。
(北朝鮮という国)
――数百人と言われる拉致被害者。北朝鮮の核実験、そして経済制裁発動でさらに緊張が高まっています。北朝鮮の暴走をやめさせる解決方法はあるのでしょうか。
藤野 借りられるものなら航空母艦でも借りて、北朝鮮に乗り付けて脅しますよ。これをやらないのは、日本がアメリカではないからだけのことです。
これが、アメリカがやられてたんだったらとっくに解決している。航空母艦を乗り付けて、「返さないんだったら攻撃するぞ」と、絶対言ってるでしょう。
それができないからね、日本は。ご存知のとおり憲法もありますしね。自衛隊をイラクに派遣しただけでも裁判を起こされて、反対意見で国論が二分するほどの状況ですからね。軍事力を行使して、自衛隊が拉致被害者を取り返しに行くということはできないわけです。
だからこそ日本は「対話と圧力」とは言うけれど、結果としてあまり圧力にならないようなことしかできない。
しかし、ようやくここに来て経済制裁に踏み切って、追加的措置で人事、金融、物資の3つの面で締め付けを行っている。日本としてはようやく、やれることをやり始めているかな、といったところです。それにしてもずいぶん時間がかかりました。もう30年早くこれをやっていたらという思いです。
――そういう意味で「救う会」は、拉致問題に積極的に取り組む姿勢を見せている安倍首相に期待しているのですね。
藤野 そういう面では、非常に信頼をおき、頼りにしています.
――経済制裁については、北朝鮮の国民が餓死することを理由に反対する意見もあります。
藤野 逆に言うと北朝鮮は先軍政治ですから、支援物資を送っても本当に困っている人の口には入りません。金正日総書記が一番大事にしているのは軍隊です。金も物資も軍隊に使うわけです。
金正日にとって最もどうでもいいのは数百万人いると言われる”敵対層”(反体制階層)でしょう。金正日にとって”敵対層”は、むしろ死んでもらった方がいいくらいのものです。
”敵対層”の上に”動揺層”というのがあり、これはどちらにつくかわからない不安定な階層。その上に軍、その信頼を置いている家族などによる”核心層”があり、国民をその3つの層に大別しています。
数年前の飢餓状態の時に、約200万人が餓死したとも言われてますが、それでも金正日は何一つ困ったということはありません。その上、100万人死のうが200万人死のうが困るということはありません。
もっと言えば、かつて中国では毛沢東が、「2,000万人死のうがどうってことない」と言ってました。つまり、核戦争になって、国民が2,000万人死んだとしても、我が国には13億の国民がいる、と。そういう国を相手にしているということです。経済制裁をすることで北朝鮮国民があらためて困窮するということではありません。やっても同じです。
――逆に制裁を続けていくことによって、北朝鮮の国民が蜂起するといったことは考えられますか。
藤野 それは難しいでしょうね。北朝鮮は普通の国と違って、国民はある意味、軽い精神病に罹っています。長期間の独裁政治によって、言論の自由もなく、食料も満足に当たらないという状況をずっと強いられていますから、立ち上がる気力はないでしょう。
――普通の国と違う独裁的国家に対し、常識的な立場から対応していこうとすると、そこでいろいろ問題が生じるのではないですか。
藤野 とにかく問題なのは、金正日とその取り巻きだけです。それだけ変われば、あれだけひどい指導者はまず現れないでしょう。新たにクーデターでも起きて、政権についた指導者が金正日よりもひどくなるということは、考えられません。そういう意味でも、あの政権が倒れるというのが一番の早道です。
――どうすれば、金正日の独裁政権は倒れますか。
藤野 いくら経済制裁で物資の流れが止まると言っても、中国は全面的に禁止しているわけではない。本当に自分たちが飢えてくれば、どうなるかわからないけれども、自分と身内と軍の幹部クラスが食べていくだけのことはどうにでもなるでしょう。
それでも軍隊は200万人と言われており、末端の兵隊から当たるものが当たらなくなっています。だから、軍隊の中にも不満が徐々に蓄積していくと思います。
今までも何度かクーデターの計画はあったようですが、密告制度を張り巡らせているので、事前に発覚してしまいます。それでクーデターは潰されてしまいます。
しかし今や、統制が効かなくなっているようで、国民の間でも金正日体制に対する批判など、長年の独裁制に対する不満が、徐々に大きくなっているようです。もちろん、おおっぴらには批判できないけれども、国民の間では相当上のレベルまで及んできている、と言われています。
(「しおかぜ」の活動)
――北朝鮮の国民に金正日政権の問題を正確に伝えることも大切です。
藤野 今、我々が取り組んでいるのは、北朝鮮がどんなにひどい国なのかを、北朝鮮の国民に知らせることです。言論の自由がなく、耳も口もふさがれている北朝鮮国民に対して、ラジオで放送を流したいわけです。
現在、特定失踪問題調査会が「しおかぜ」という短波を放送しています。北朝鮮にいると思われる拉致被害者の名前を出して呼びかけています。それに対して北朝鮮は、妨害電波を出しています。これをNHKの短波放送がやれば、強力なので妨害電波は使えない。そこでNHKに放送を行うように、働きかけています。これを放送するようになれば、国民はラジオをよく聞いているので、かなり違います。
そこで拉致問題や、北朝鮮政府の実情を伝える。それを向こうの国民が知るようになれば、北朝鮮の幹部たちも、おちおち寝ていられなくなると思います。







関連サイト

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
http://www.sukuukai.jp/

短波放送「しおかぜ」
http://www.chosa-kai.jp/shiokaze.html

シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd106.html






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