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救う会副会長・藤野義昭が語る「拉致、金正日、核問題」 前編


10月23日(月) 10時45分
 



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藤野義昭氏
 「横田夫妻は支援者と握手をすることで腰や背中を痛めることもあり、疲労困憊というのが現実です」

 10月9日、北朝鮮が同国北東部の咸鏡北道花台郡舞水端で、プルトニウム型核爆弾とみられる地下核実験を行って以来、世界各国に再び緊張が走っている。

 日本、アメリカを始め、北朝鮮の友好国であるはずの中国政府でさえ異例の強い非難声明を行い、同時に経済制裁の動きも本格化している。

 日本政府は14日から北朝鮮に対する、6ヶ月間の追加制裁措置を発動した。すべての北朝鮮籍船舶の入港禁止、また同国からの輸入全面禁止、そして同国籍を有する者の入国原則禁止の3つを柱とするもので、他国に比べて厳しい制裁の発動を目指している。

 政府は追加制裁発動の理由として、「北朝鮮の核実験実施」「ミサイル開発など日本の安全保障上の脅威が倍加したこと」、そして「北朝鮮が拉致問題に対して何ら誠意ある対応を見せない」ことを挙げている。

 札幌で活動する弁護士・藤野義昭氏は「北朝鮮に拉致された日本人を救う会」の北海道代表、「特定失踪者問題調査会」常務理事、そして全国組織である「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(「救う会」)の副会長として失踪者の家族と道内特定失踪者の現地調査を実施するなど、精力的に拉致問題に取り組んでいる。今回は藤野氏に、緊迫する北朝鮮情勢と「救う会」、そして今後の日本政府に望むことなどについて話を聞いた。


 ――救う会の現在の活動状況は?

 藤野 現在は集会を開いたり、署名活動を行うのが中心。写真展なども行っていきます。ご存じだとは思いますが、2006年4月、札幌で横田めぐみさんの写真展を後援した際には「爆弾を仕掛けた」という脅迫電話騒ぎがありました。

 ――そうでした。横田めぐみさんの家族写真などを展示する「めぐみちゃんと家族のメッセージ 横田滋写真展」の中止を要求する脅迫状が開催予定場所の丸井今井札幌本店に届きました。

 藤野 結局、会場を「かでる2・7」に移すことになりました。集会と講演会は、年に2回ほど行っています。そもそも救う会が結成されたのは1997年ですから、もう10年活動を続けています。

 ――北朝鮮による日本人拉致に関し、政府が認定した発端は。

 藤野 1988年、梶山静六国家公安委員長(当時)が参議院予算委員会で警察の資料を元に「拉致の疑いが濃厚だ」と答弁しました。しかし、その後、政府は長い間、何の活動もしなかったんです。

 ――拉致が活発に行われていた時期は、1960から70年代ですね。

 藤野 ですから古い人たちは、もう40年以上北朝鮮にいるんでしょう。ただ、正確に特定できないのが、非常に歯がゆいことです。

 ――日本政府は16人の日本人を拉致被害者として認定していますが、実際はもっと多いということですね。

 藤野 50人とも100人とも言われています。

 ――拉致の場所も新潟など日本海沿岸が多いわけですが、北海道沿岸の結構奥地での例もあるようです。

 藤野 そうですね。釧路市や網走市、道央の旭川市近辺内陸部という例も聞いています。しかし、その場所で失踪したというだけで、実際には海の方に連れて行かれ、そこから運ばれたのではないかと思っています。全国的にみても、内陸部で失踪する例は多くあります。千葉県から長野県の大町を経由して、日本海側の新潟に抜けるルート上に、拉致がたくさん発生している例があります。

 ――なるほど。

 藤野 ここが拉致問題の難しいところです。未だに特定ができず、全容がわからない。そこの点が、この事件の一番の特徴でしょう。長期にわたって、日本全国に被害が散らばっています。関係者も亡くなっている場合が多いですし、資料も散逸しています。

 特定失踪者問題調査会ができたのは、約3年前の小泉訪朝以後です。これが結成されたのも、拉致被害者に認定されていなかった曽我ひとみさんが見つかったことが発端です。それで、政府の認定以外にも拉致被害者はいるじゃないか、ということになり、調査会の荒木和博代表(拓殖大学教授)らが精力的に調べた結果、次々と行方不明者の家族から問い合わせが集まるようになりました。

 氏名や顔を公開している人、非公開の人もいますが、合わせて460人ぐらいです。この3年間でワッと出たということです。しかし、そのうちの何人が拉致被害者であるかということは、はっきりと断定できていません。

 ――横田滋・早紀江夫妻の積極的な活動が拉致に対する国民の関心を高めています。

 藤野 2 人は日本全国で回っていないところがないくらいです。外国にも行ってますし、講演会も1,000回を超えました。滋さんが73歳、妻の早紀江さんが70歳ぐらいでしょう。2人は支援者と握手をします。これが身体によくないんですね。話に感動した人ほど、力を込めて握る。握る方はいつも変わるけど、握られる方はひとりです。握手をすることで腰や背中を痛めることもあり、大変です。そんなこともあって、疲労困憊というのが現実です。

 早紀江さんを呼ぶと、多くの人が来ます。この10年、北海道にも何度か来ていただいてますが、身体が大切だし、病気がちなので気の毒で呼べません。

 ――今後、「救う会」の活動は、どのように進んでいくのでしょうか。

 藤野 政府にも安倍晋三首相が自ら本部長となった、「拉致問題対策本部」ができた。拉致議連もありますし、警察にも30人体制のチームができて、特定失踪者の調査を行っている。新潟県にも拉致被害者支援室が出来た。

 そういう中で我々に、どういう役目があるのか。実際、政治問題ですから。我々がどうこう言ったからといって帰ってくるというものではありません。しかし、拉致が核問題などの陰に隠れ、忘れられるのは困る。

 拉致被害者家族の高齢化も進んでいます。我々としては家族を支え、全力をあげて世論への喚起を続けていきたいと考えています。そして政府の尻を叩くと言いますか、拉致問題解決に向けての努力を怠らないように監視をしていくことになります。家族会も「救う会」があったからここまで来れたと評価してくれてますし、やはり支えになっています。頼りにしてもらっているうちは頑張ろう、というところです。


■「救う会北海道」では、11月16日午後6時から、札幌市教育文化会館(中央区北1西13)で「北朝鮮拉致事件緊急セミナー」を開催する。

 内容は西村眞悟衆議院議員による「国家の使命としての拉致被害者救出」、そしてBNNで「独裁者の秘密を徹底検証・ドキュメンタリー金正日」を好評連載中のジャーナリスト、惠谷治氏が「北朝鮮の脅威は本物か」と題して講演を行う予定。

 入場は無料。詳しい問い合わせは救う会北海道(電話011-241-8141)まで。








関連サイト

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
http://www.sukuukai.jp/

シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd106.html






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