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上田文雄市長に聞く、札幌市の「市役所改革」 前編


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10月31日(火) 00時00分
文:東 写真:金子 |
 
「職員が『適正に仕事ができる』『迅速に仕事ができる』というのは当たり前、これだけでは済まされない」
平成15年6月11日、青のリュックサックにグレーのスーツで、市営地下鉄に乗車、大通公園を通って札幌市役所に向かった男性は、出迎えの職員から花束を受け取って、市長室に入った。
44年ぶりの民間出身市長の初登庁日の出来事である。政令指定都市では初めてとなる再選挙を経て当選したのが、リュックサックを背負って登庁した弁護士の上田文雄氏。
札幌市は16年12月に「財政構造改革プラン」を策定した。地方交付税や国庫補助金が抑制される中、財政基盤の脆弱な札幌市にとって、行政改革、歳入歳出一体改革などは火急の問題。さらに職員の意識改革、市役所のスリム化など市長が政治手腕をふるわなければならない課題は山積している。
就任後、3年半を経て上田市長は札幌市役所をどのように変革させるのかーー以下、上田市長との一問一答。
−−昨日(インタビューは10月13日に行った)、北海道日本ハムファイターズが、福岡ソフトバンクホークスとのプレーオフ第2ステージを制し、パ・リーグ優勝を果たしました。市長は札幌ドームで試合を観戦されたようですが…。
上田 6回の裏から札幌ドームで観戦することができました。非常に緊迫した良い試合でした。私が遅れて行くことを待っていてくれたような(笑い)、試合展開で感激、感動しました。
−−市長はコンサドーレ札幌も応援されていますが、世代からすれば、野球の方がゲーム展開を理解されていますか。
上田 どちらも面白いですよ。メジャーなスポーツとしての野球が、より身近なものになりました。野球とサッカーの2つの球団に、今度はバスケットボールが加わるようですから、プロ集団が札幌、北海道にあることを本当にうれしく思っています。
札幌ドームの建設に尽力された桂信雄前市長がプロ球団を引っ張ってこられたご努力を思い、改めて敬意を表したいと昨日の試合を観ながら考えました。
−−上田市長の任期は来年6月までですが、市長選は来年の4月です。
上田 来年の4月8日に従来通り4つの選挙(知事選、市長選、道議選、市議選)を同時に行うことになると思います。
ーー2003年の市長選出馬を決意され時と、実際に市長に就任されてからでは、どのような部分が違っていましたか。
上田 外で見ている札幌市と、市役所の中に入っていろいろな職員の仕事ぶりを見てからでは、それまでの感想を大きく変えなければならないと思いました。
具体的に言えば、外から見ていると、公務員に対しては「暇そうにしているな」「何であんなに人がたくさんいるんだ」など、市民の漠とした役人に対する批判が定着した形であるわけです。これは札幌市の職員ばかりでなく、道の職員や国家公務員に対しても同じだと思います。
実際、札幌市に自分が入って、職員の仕事ぶりを見ますと、相当良く頑張っている方だ、かつての認識は改めなければならないという思いを抱きました。
一般的な公務員に対する批判、お役所仕事と言われている仕事ぶり、そういった部分を実際に職員は一生懸命やっています。にもかかわらず、批判を払拭できない原因、理由を考えなければなりません。私は市役所改革の非常に大きな部分として、「適正に仕事ができる」「迅速に仕事ができる」というのは当たり前、これだけでは済まされないということを言ってきました。
要するに自分たちの仕事がいかに適正かつ迅速に市民の役に立っているかをきちんと説明できる、理解してもらうことができる、そういうもうひとつの仕事をしなければ仕事が完成したとは言えないんだと、述べざるを得ない状況です。
適正、適切な処理プラス、それを市民に理解してもらう努力、そのプラスの部分が足りなかった。だから私も外にいた時は、「公務員の甘えがあるんじゃないか」などいろいろなことを感じました。実際にはその考えは的外れな所がたくさんあったと思っています。
−−市長の1期目の任期はまだ半年以上ありますが、就任されてからこれまでの期間で最も成果が感じられたこと、逆に実現しようとしてもできなかったものは何ですか。
上田 公約に掲げた項目については、ほぼすべてに着手し、それなりの成果が出ていると思います。とりわけ、手応えを感じているのは、「市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街」札幌をつくっていこうということです。その根本にあります豊かな市民自治を目指して、市民が市政に参加していく場面をつくっていきたいという考えで、仕事をさせていただきました。
87カ所ある連絡所をまちづくりセンターに変え、名前を変えるだけではなく、地域の方々が横の連携、連帯感を持ってまちづくりをしていくことに参加する活動拠点としてまちづくりセンターを活性化するという目標を掲げました。多くの方が参加し、すばらしい活動が起きていると理解しています。
連絡所時代は町内会活動が主流であり、94の活動があると聞いていました。それが2年半ほど経過する中で94プラス350の新しい活動が生まれ、合わせれば450くらいの市民活動がまちづくりセンターを中心に展開され、これからのまちづくりの非常に大きな原動力になると手応えを感じているところです。
一方、不十分だと思うのは日本全体の失われた10年に引き続き、まだまだ回復していない経済の土壌としての問題です。札幌市政が、全体の景気回復のためにどれだけできたというような点はなかなか成果として出てきません。
それでも「元気基金」をはじめ、「元気チャレンジファンド」などいろいろな施策を果敢に立てています。特に元気基金は2年少しの間に利用者が 7,000件を超えています。これはかなり役に立っているということではないかと思っています。中小・零細企業のみなさんの使い勝手の良い金融手段として、元気基金をたくさんご利用していただいていることを私は非常にうれしく思っています。
新たな産業を興していこうとITを中心としたコンテンツ産業を育成していく取り組みも、現実的な問題として、取っ掛かりができつつあります。 10年後は1兆円産業にしていくという目標をみんなが持って頑張りはじめていることだと思います。大学のネットワークは、市立大学を中心にできつつあり、札幌の経済のひとつの柱をつくるベースができつつあります。
公約はほぼすべてに着手していますので、全然できなかったものはないと言っていいかもしれません。
ーー市長は次期市長選についてまだ出馬するかどうかを明らかにはされていません。しかし、来年4月の市議選に立起予定の市会議員とは、パンフレット用の写真を一緒に撮影されています。当然、2期目の出馬を見据えられている。
上田 私の任期は来年の6月まであります。札幌市長選は市会議員のみなさんの選挙と
同時に実施されますが、理屈的には私の立場がどうなろうと6月までは市長です。私の身の振り方については、まだまだ時間をかけてやらなければならない仕事の検証をした上でのことだと考えています。
以下、次回に続く。







| 市長室には、北海道日本ハムファイターズのマスコット「B・B」とコンサドーレ札幌のマスコット「ドーレくん」が飾られている |
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関連サイト

札幌市長のページ
http://www.city.sapporo.jp/city/mayor/

シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd107.html






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