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上田文雄市長に聞く、札幌市の「市役所改革」 中編


 
「税金を使っている以上、政務調査費の使途はすべて公開すべきです」
財政再建団体の申請を議会で可決した夕張市を特殊な事例としても、地方自治体の財政は一様に逼迫している。限られた財源の中、札幌市の政策も大きな変革を迫られている。以下、上田文雄札幌市長が語るインタビュー中編。
――札幌市議会は上田与党が少数です。地方議会を与党、野党の枠組みで判断すること自体、正しい見方とはいえませんが、理事者にとっては厳しい局面もあるはずです。少数与党の議会運営をどのように認識されていますか。
上田 市長と市議はすべて選挙で選ばれているもの同士です。(市の提案に)理解を示していただけるか、そうでないか、会派はそれぞれの対応があります。ただ具体的な政策で、そんなに違った政策はあろうはずもないと私は考えています。
私の政策を客観的に評価し、「絶対いけない」という考えがあれば、きちんと述べていただき、それが良ければ、修正するなり考えを改めることになります。議会に何でも賛成していただけるなどと甘えず、しっかりと説得し、市民の利益を考え、最善の政策を提出しようと考えています。
――市長は札幌市が主催する平成16年1月5日の新年互礼会で、それまで歌う場面が設けられていた国歌の斉唱を中止する決断をされました。市長の判断に抗議することを理由に市議会自民党会派は新年互礼会をボイコットし、経済界の一部や陸上自衛隊も出席を取りやめ、市長との間に軋轢が生じました。市長の国歌に対する考え方を改めて伺えますか。
上田 平成16年の第1回定例議会で(自民党の村松正海議員から)質問をいただき、長い答弁をさせていただきました。その答弁(札幌市議会HP会議録検索システムで閲覧可)に付け加えることは特にありません。
私の答弁を理解しようと思って読んでいただけるか、「アカンのだ」と先見的なバイアスをかけて読まれれば、なかなか理解していただけない、という限界は感じざるを得ないと思います。
国旗国歌(平成11年に公布、施行した国旗及び国歌に関する法律)は、政府が提案説明をし、「強制はいけません」と国会で十分に議論されてできた法律です。私はそういうふうに(国旗掲揚・国歌斉唱の強制)ならないためにどうすれば良いか、ということを申し上げました。やりたい人はやればいいし、私は自由だと思う。
ただ札幌市の行事として行うときには問題があります。市民がどうしても参加しなければならないということは、やめた方がいいのではないでしょうか。もちろん、外国との関係でいろいろな交流をする際、アイデンティティーの問題としてやることには一切問題がないと思います。
――札幌市議会自民党会派が調査費を流用したとして、札幌市在住の主婦・大坪富美子さんが起こした返還訴訟で、最高裁は9月21日、会派の上告を棄却しました。市長は政務調査費の使い方をどのように考えられていますか。
上田 政務調査費は当然、条例(札幌市議会政務調査費の交付に関する条例)にのっとった使い方をしなければなりません。それに反した使い方をすれば、「いけません」というのは当然のことです。それは議員のみなさんが分かっていることだと思います。
政務調査費は現在、1件当たりの金額が5万円以上の場合に領収書を添付していますが、これもおかしいと思います。税金を使っている以上、全部(の使途)を公開すべきです。
我々市役所の支出は、1円たりとて領収書がなかったり、使い道が公然化されていないものないと思います。そういうことは常識です。(一部の議員は5万円以下の場合に領収書を添付することに反対し、その理由を)「何を勉強しているのかを知られるのは嫌だ」などと言うのは、いささか違うと思います。
――市長は平成15年7月、市議が議会で質問する際の原稿を市職員が“代筆”することを禁止する方針を明らかにしました。それでも“代筆”は現在もなされています。
上田 いまもありますか。
――そう、思っています。
上田 当然のことながら禁止を徹底します。
―― 市電(路面電車)の活用策を検討してきた「さっぽろを元気にする路面電車検討会議」は、最終提言をまとめ、9月に市長に提出しました。今後はJR札幌駅周辺、大通、ススキノを結ぶための延伸の是非などを議論する必要があります。同時に老朽化している市電の補修や新規購入には100億円近くの予算が必要になるとも言われています。
上田 その額は非常にアバウトなもので、いままでの例ではそうなるというだけのことです。これからどのような電車の形にするのか、これはかなりバリエーションがあります。90億、100億と言われているものとは違うものがありそうな状況で、選択の可能性は広がっています。費用対効果でどれほどお金を掛けれるかという現実の問題は、やるときに考えればいいと思っています。
基本的には先日、答申があったように、(市電の延伸は)まちづくりの中にしっかりと位置づけてやる問題です。札幌駅との結節点をきちんとつくらなければ、利用率が上がらないとする考え方があります。結節点をどこにするかは別にして、市電が通っている既存の場所は、それぞれの場所でそれぞれのまちづくりが盛んに行われています。将来はそれぞれのまちづくりを共有し、市電が本当に活用できることを考えなければなりません。そうではなく、単に交通の便が良くなるということだけでは、現実にはできません。
――財政難の道は、今年度と来年度、職員給与を一律10%カットします。さらに道は、大幅な職員削減計画を決め、10年間で30%の職員を削減する方針です。一方、札幌市は早い時期から職員数を抑制してきました。職員削減に関して市長は、どのような方針ですか。
上田 政令市の中で、札幌市の10万人当たりの行政職職員数は400人で、全国最低の人員です。一方、大阪市は580人で、えらい違いがあります。札幌はスリムでありながら、ほかの政令市と同じような行政サービスを実現しています。これは札幌市の労使共に一生懸命、市民のために我慢するところは我慢した結果でもあります。将来の人口が減少していくことを想定した中、本当に必要な市役所の仕事は何なのかということを見据え、職員の削減をしてきたわけです。
これからは本当に市役所がしなければならない仕事の範囲を確定させることが大事です。同時にこれまで市役所が担ってきた行政サービスから手を引く場合、今後、誰がその仕事を担うのか、NPOなり、市民団体なりが市民活動をフォローしていくことをおいて考えることはできません。市民活動をしっかり支えていくこととリンクした上で公務員の削減を考えていかなければなりません。その過程で既存のサービスを受けていた方々、サービスを必要としているみなさんが不便や不安に感じないやり方をみんなで考えていくことが重要です。
以下、次回に続く。







関連サイト

札幌市長のページ
http://www.city.sapporo.jp/city/mayor/

シリーズ一括読み
http://www.bnn-s.com/news/series_cd107.html






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