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「鳥やき サムライ」


 
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| 「よお、いらっしゃい」店主の榊原航輔さんが迎えてくれる |
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札幌市中央区南4条西5丁目「エレガンスフジイビル」1階にあるのが、「鳥やき サムライ」。
「よお、いらっしゃい」。店主の榊原航輔さん(68)は、なんと日本ハムファイターズのレプリカユニフォーム姿で迎えてくれた。「お客さんが買ってきてくれてさあ」と見せてくれた背中には、小笠原選手の背番号「2」が光っている。
同店は1989年10月19日にオープン。元々住宅設備会社のサラリーマンだった榊原さんが仙台に転勤した折、旧知の先輩が同地で焼き鳥店「サムライ」を営業しており、足しげく通っているうちに“のれん分け”してもらうことになった。
「『この人にできて、俺にできないわけはないな』と思ったのさ」と榊原さんはうそぶくが、印象的な力強い「サムライ」のロゴも、仙台のお店から引き継いだものだ。
「鳥やき」とはつまり、鶏肉を串に刺した、普通の焼き鳥のこと。「ひねくれ者なんでね、逆さまにしてみたのさ」と榊原さんは軽口で話すが、味へのこだわりはやはり“普通”ではない。
カウンターに座ると、まずは山盛りの大根おろしが登場する。付け合わせとしてキャベツが出てくる店が多いが、「大根は胃がもたれないって云うでしょ」という、奥様・洋子さんのアイディア。つくり置きをせず、来客のたびにおろすので、常に新鮮な大根おろしが食べられる。
ネタケースに整然と並べられた串の数々は、毎日午前9時から仕込みをして揃えたもの。榊原さんは「最近は出来合いのものを買ってきて焼いてる店も多いが、うちはそういうことはしない」と胸を張る。
こだわりは、その“焼き”にも現れている。榊原さんは串を返しながら、ペティナイフとキッチンバサミを巧みに使う。肉をきれいに切り揃え、小さな焦げを取り除いていくのだ。その姿はまるで芸術作品を彫刻していくかのよう、“職人”のパフォーマンスに魅了されるひとときである。
味ももちろん、一級品。絶品の誉れ高い、網走産の鶏を使ったレバー串(180円)は臭みもなく、口の中でほろっととろけるやわらかさ。ハサミで切り揃えた砂ぎも串(180円)は、美しい球形を描いており、気になる筋がほとんど感じられない。
軽くガーリックパウダーを振った、豚正串(190円)の濃厚なうまみ。鳥正串(230円)は「これぞ榊原流“鳥やき”」と思わせるジューシーさ。備長炭の遠赤効果で、中まで火を通しながらおいしく焼き上げる。
「最近はこれも人気でね」と榊原さんが出してくれたのが、洋子さん手作りのおにぎり(210円)。パリパリの海苔に包まれた、厚みのあるおにぎりの中には、塩味控えめの鮭が隠れている。懐かしい“お母さんの味”といった雰囲気に、客層であるサラリーマンやOLも、あったかい家庭を思い出すのではないだろうか。
取材日(10月25日)の夜は、札幌ドームで日本ハムファイターズが中日ドラゴンズとの日本シリーズ第4戦の真っ直中。榊原さんの目も、時折店内のテレビに注がれる。
「この前の休み、かみさんとアリオ(札幌)のパブリックビューイングに行ってきたさ。『お父さん、うちで試合見るより、盛り上がってるところに行こうよ』って言われてさ」
開店から18年。継続の秘訣は、この仲のよい夫婦にあるのではないだろうか。
■鳥やき サムライ
◎札幌市中央区南4西5 エレガンスフジイビル1階
(カウンター10席、ボックス4人掛け2席)
◎電話:011-222-6977
◎営業時間:午後5時〜午後10時30分(ラストオーダー午後10時)
◎定休日:日曜・祝日 






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| 最後の締めは、洋子さん手作りのおにぎり(210円)で |
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