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独裁者の秘密を徹底検証 ドキュメンタリー金正日 第14回


 
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| 1907年生まれの朴正愛は、朝鮮民主女性同盟の委員長を15年間も務めていたが、1968年に粛清されたためか、写真が少ない。右上は1948年11月、ソ連進駐軍が撤収する際の記念写真で、文化宣伝相だった許貞淑(左)と並ぶ朴正愛(右)。左上は、韓国の中央日報発行の『北韓人名辞典』1990年度版に掲載されている朴正愛。下の写真(著者がモスクワで入手)は1945年10月14日に開催された「ソ連解放軍歓迎平壌市民大会(北朝鮮では金日成将軍歓迎大会と偽称)」の演壇で演説する朴正愛の夫である金鎔範。写真中央に若い金日成が座っている |
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第2部 金正日の女性遍歴の真相に迫る
第1章 ロイヤル・ファミリーの女性スキャンダル
[第14回]女性実力者に結婚の仲介を頼んだ金聖愛
朝鮮戦争が勃発したのち、金日成の子供を宿したことを悟った金聖愛が、その悩みを相談した相手は朴正愛だった。
朴正愛は、朝鮮解放直後に設立された朝鮮共産党北部分局の最初の責任書記となった金鎔範の内縁の妻だった。朴正愛は共産主義運動に身を投じ、1932年にモスクワ労農大学を卒業して帰国したが、逮捕・投獄され、平壌刑務所に収監中に解放を迎えた。解放後、朴正愛は金鎔範ともにソ連派としてソ連占領行政の中心的な役割を果たしていたが、金鎔範は1947年9月に胃ガンの手術を受けた際に死亡した。
朴正愛は呂政証言にあるような党書記になったことはなく、党中央委員で1953年に創立された朝鮮民主女性同盟の初代委員長となったが、解放直後は党書記と見間違えられるほどの実力者として活躍し、金日成を支持し続けた。
金日成の再婚に関して、すべての証言に朴正愛が登場しており、朴正愛が金日成と金聖愛の結婚の仲介の労をとったことは疑いない。金聖愛は金日成と親密な実力のある女性政治家に相談したことによって、金日成夫人となることができたのだった。ちなみに、朴正愛は1968年に金日成の粛清の犠牲者となり、姿を消していたが、名誉回復された後、1986年に最高人民会議代議員に選出されている。
ハワイ大学朝鮮問題研究所の徐大粛教授は、金日成と金聖愛の結婚について次のように書いている。
「結婚したのは1963年初夏の模様である。というのは、その年の5月から7月まで、金日成は公けの場に姿を現わして演説することがまったくなかったからで、これほど沈黙を続けたことは異例のことであったからである」(『金日成・思想と政治体制』443頁)
徐大粛教授は、金日成と金聖愛は結婚式のあとハネムーンにでも行って、2カ月あまり政務から遠ざかっていたのではないか、としているが、それは誤りである。金聖愛の最初の子供である娘の「金敬珍(キム・キョンジン)」は、朝鮮戦争中の1952年に生まれており、朴正愛の尽力による結婚披露宴はその前の1951年に開かれたと思われる。
金聖愛についての個人情報は非常に少なく、金日成の戦友だった金光侠(元民族保衛相)の妹という情報(『北韓人名辞典1990年』67頁、『金日成調書』226頁)もあるが、その根拠は不明で、当時を知る人たちの証言は見当たらない。
また、1940年生まれで、故郷は平安南道という情報(世界政経調査会編『北朝鮮人名辞典1992年版』57頁)もあるが、1940年生まれだとすると、最初の出産は12歳のときだったという計算になる。生年は韓国情報(北韓研究所『最新北韓人名辞典1991年』130頁、ソウル新聞社『北韓人名辞典1992年』116頁など)のように、1924年と思われる。金聖愛は平壌女子師範卒業とされているが(『北韓人名辞典1992年』116頁)、私が延辺取材で聞いたところによると、沙里院(黄海北道)の女子師範を卒業したということだった。また、平安南道の順川女子師範専門校を卒業という情報もある。
これまでに紹介した情報を総合すると、金聖愛は本名を金聖八といい、1924年生まれで、女子師範を卒業し、終戦後、ソ連軍が平壌に進駐して人民委員会(政府)が設立されると、タイピストとして採用され、1947年、23歳のとき金日成に見初められ、内閣事務局に転属となり、その後、金日成宅の文書管理という名目で個人秘書となった。
呂政証言によれば、「侍従秘書」というのは、「朝晩、金日成のために洗面用、足濯ぎ用の水を汲んだり、ベッドを整えたり、食事を運んだりする」のが仕事だったという。洪淳寛は侍従秘書とはいわず「生活秘書」と呼んでいる。朝鮮戦争当時は「記述書記」という肩書きだったとも考えられるが、いずれにしても昼夜を問わず金日成の身の回りの世話をするのが、彼女の仕事だったことは疑いない。洪淳寛証言によれば、金日成宅で働く女性たちは保母と呼ばれており、生活秘書というのは金日成の執務室の雑用をする仕事だったという。この伝統は、金正日体制になっても継続しているのである。(つづく) 






関連サイト

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[第45回]キップムジョである個人秘書のキスル書記
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http://www.bnn-s.com/news/07/04/070412164806.html

[第53回]唯一後継者になるための最大の障害だった継母・金聖愛
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[第54回]金聖愛の長男である金平一の存在
http://www.bnn-s.com/news/07/04/070419095817.html

[第55回]「党中央」というコードネームで呼ばれていた金正日
http://www.bnn-s.com/news/07/04/070423173817.html

[第56回]金正日は極秘来日したことがあるのだろうか
http://www.bnn-s.com/news/07/04/070426093409.html

[第57回]名前を聞かれて答えなかった金正男少年
http://www.bnn-s.com/news/07/04/070427115947.html

[第58回]金正日の身辺警護にあたっている娘の金雪松の存在
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070428142851.html

[第59回]ジュネーヴ国際学校に入学した金正男
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070501115541.html

[第60回]韓国の監視を逃れてジュネーヴからモスクワに転校した金正男
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070507181024.html

[第61回]高英姫が産んだ3人の子供たち
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070508123909.html

[第62回]再びジュネーヴに移り、美術学校に入学した金正男
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070514170722.html

[第63回]官邸に女を連れ込んだ金正男に炭坑での強制労働を命令
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070515110432.html

[第64回]父親から手ほどきを受け少年時代から銃に馴染んでいた金正男
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070521092100.html

[第65回]1994年1月に初めて金正男の名前が報じられた
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070521172910.html

[第66回]韓国亡命を公表した8カ月後に暗殺されたロイヤル・ファミリーの李韓永
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[第67回]李韓永暗殺は金正男の父親に対する忠誠心の発露だった
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[第68回]金正日に似て銃火器をよく操り射撃も得意な金正男
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[第69回]金正男はコンピューターとインターネットに通じIT政策を主導
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[第70回]金正男が1990年に設立した朝鮮コンピューター・センター
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[第71回]2000年に日米両国を秘密訪問していた金正男
http://www.bnn-s.com/news/07/06/070608175230.html

[第72回]ドミニカ共和国の偽造旅券で入国しようとした4人の関係
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[第73回]金正男の一行はカメラの砲列のなかを歩かされた
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[第74回]金正男の極秘来日は武器代金の集金のためともいわれている
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[第75回]金正男に同行していた男児は金正日の隠し子だったのか
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[第76回]「子供たちに恵まれなかった」と金正日が嘆いたロシアの旅
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[第77回]モスクワでひっそりと生涯を閉じた金正男の母
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[第78回]金正哲擁立の幻の「尊敬するオモニム」キャンペーン
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[第79回]「革命の首脳部」は後継車を示すコードネームなのか
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[第80回]乳癌、肺癌、脳梗塞、交通事故などで苦しんだ高英姫の最期
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[第81回]高英姫はパリのジョルジュ・ポンピドー欧州病院で死去か
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[第82回]金正哲の世話役だった金正日の妹夫婦のアメリカ亡命
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[第83回]金正哲が後継者という情報は母親が死去したのちも続出
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[第84回]後継者は「緻密な性格」の金正哲が有力と判断した韓国政府
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[第86回]側近たちに後継者問題の論議を止めるよう特別指示した金正日
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[第87回]金正日の母親である金貞淑の故郷を秘密訪問した金正哲
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[第88回]少女のように胸が膨らむホルモン分泌障害に苦しむ金正哲
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[第89回]スーパーニュースの放映以後、金正哲の偽情報は激減している
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[第90回]日本人記者団の前に現われた「自称金正男」は本人なのか
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[第91回]ウィーンで暗殺未遂事件に遭遇したといわれる金正男
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[第93回]金正男と親しい在日商社員が明かす“影武者”との相違点
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[第94回]後継者になりたいのか、拒否しているのか不明な金正男
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[第95回]最高権力機関である国防委員会を強化している金正日の真意
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[第96回]黄長★元書記の韓国国会証言を機に粛清された張成沢
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[第97回]金正男が後継者になる事態を避けるのが国際社会の責務である
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