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「トイレで座って小便をする男性」考


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01月25日(木) 17時25分
文:市民記者 高塚 |
 
パートナーが掃除をすることを慮れば…
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」。広く知られる紀貫之の「土佐日記」の冒頭の一文である。
これを筆者が現代風にアレンジすると、「女もすなる便器に座ってする小便といふものを、男もしてみむとてするなり」となる。
各メディアが幾度か報じてきたように、男性が小便をする場合、便器に座るケースが増えている。男たるもの、「小便は仁王立ちで堂々とすべし」と考える年配者にしてみれば、昨今の“小用事情”には隔世の感があるのでなかろうか。
「汲み取り」が「水洗」となり、「便所」が「トイレ」へと呼称が変わり、世の殿方の小用スタイルも「立ちション」から「座りション」へと変貌しつつあるわけだ。
BNNが一昨年に実施したWebアンケート「あなたはどう思いますか?、男性が座ってする小便」でも、立ったままするという人は意外に少なかった。アンケート参加者864人の回答結果は、以下のように辛うじて“立ちション派”が制したものの、“座りション派”の追い上げも看過できない(笑)。
・断固、立ってする 358票
・大便スタイルで 354票
・飛ばしたら自分で掃除 95票
・座って前向きに 36票
・女房(彼女)の言いなり 14票
・極力、外でしてくる 7票
はじめに私の小用スタイルを明かすと、立ったままである。もちろん、小便を便器の外に飛ばさないように“角度”は40度を徹底している。40度を説明するのは難しいが、小便を放出する角度を時計に例えると、時刻が7時20分の時の短針と言えばご理解いただけるだろうか。
私は視覚障害者であるため、時には“場外ホームラン”となる場合もある。それでも、便器の外に飛散した小便を拭いてくれているであろう妻から文句を言われたことは一度たりとてない。小学生の息子も立ってしているというから、妻には感謝、息子にはエールを送りたい。
便器に「座ってする」理由は、やはり、奥さんや恋人、子どもならば母親に迷惑をかけたくないという配慮や気兼ねだろう。場合によっては厳しく怒られ、幻滅した挙句という場合もあるだろう。
4、50年前までは家に男性が使う小用便器を備えていた家庭は珍しくなかった。しかし、現在、小用便器のある家庭はないに等しい。
そのため、男性も洋式便器で用を足すことになった。ところが以前の小用便器が“近距離”だったこととは裏腹に、洋式便器は随分と“遠い存在”になってしまった。まして現代人の身長は相当伸びているため、立ったままでは洋式便器とほどよい距離を保てず、時には飛散が避けられない。
男性の中には男の沽券を捨てて仕方なく座ることを決めた人もいるのだろうが、パートナーの掃除という手間を増やすまいと抵抗なく座るケースも多いのではないだろうか。中には座ってする方が「リラックスできる」と考える人もいる。パンツを下ろしてする大便スタイルの小便には首を傾げるが、それも個人の自由にほかならない。
江戸時代の川柳集「誹風 柳多留」には「京女立ッてたれるがすこしきづ」との作が収められている。戦後も農村部では女性が立小便をする光景が見られたというが、「はしたない」などの理由から“絶滅した”。
翻って現代の男性が座ってする小便は、もはや「少し傷」にはならないようである。
■市民記者 高塚智(たかつかさとる) 1965年、小樽市生まれ。札幌市在住の市民記者。高校在学中にオートバイの事故で失明。鍼灸・マッサージ治療院を経営。スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)を用いて原稿を書く。







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■市民記者 高塚 智(たかつか さとる)
1965年、小樽市生まれ。札幌市在住の市民記者。 高校在学中にオートバイの事故で失明。鍼灸・マッサージ治療院を経営。 スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)を用いて原稿を書く。 |






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