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投票日まで1カ月、札幌市長選に波紋 市議・松浦忠が「私は清治さんに政策を提案した」


 
1月末、松浦と会談した市長候補・清治真人。
3月25日告示、4月8日投開票の札幌市長選は、2期目を目指す現職・上田文雄(58)=無所属=と前国土交通省技監・清治真人(58)=同=の2人による事実上の一騎打ちとなる公算が高い。
4年前の前回選挙は、市長を3期務めた桂信雄が引退したため、史上最多の新人7人が立起した。ところが、いずれの候補も法定得票数(有効投票の25%以上)に達せず、政令指定都市では初となる再選挙が行われた。異例の再選挙には4候補が出馬、上田が約28万票を獲得して初陣を飾った。
今回の選挙は民主、社民が上田を推薦、自民、公明は清治を推薦し、政党対決の図式が色濃い。
それでも実際の選挙は札幌市政の課題に主体的、独創的に取り組み、都市経営の手腕を発揮するリーダーが望まれるはずだ。そうした観点からすれば、有権者が一票を投じる上で欠かせないのは、政策の効果や財源を具体的に示したマニフェストの存在だ。
清治は3月2日、先行発表した24項目を含む105項目の公約「躍動札幌」を発表した。続いて上田は5日に76項目からなる公約「うえだの約束」 を明らかにした。
両者が政策を発表した折も折、札幌市議・松浦忠の言動が波紋を広げている。
松浦は白石区選出、当選5回。市議会でも指折りの勉強家として知られる一方、数々のエピソードを持つ暴れん坊として名を馳せてきた。市長の上田とも“因縁浅からぬ仲”である。
上田は、松浦が副市長室で副市長の田中賢龍に暴力をふるったとして、05年、松浦を傷害罪で刑事告発した。松浦は同年12月、略式起訴され、30万円の罰金刑が確定した。その松浦は昨年12月に今期限りで札幌市議を引退すると表明。
その後は「上田市長はごみ収集を民間業者に委託しているが、役所にもやらせている。すべてを民間に任せれば、経費を削減できるが実現しない。札幌市長はこうしたしがらみのない清治さんがいい」
などと“清治を援護射撃”してきた。
関係者の一部では松浦の主張を清治が公約に取り入れたと囁かれ、このことが自民党市議と清治陣営の軋轢になっているとも言われている。
こうした経緯から松浦の清治支援は、上田に対する意趣返しと勘ぐる向きもある。松浦が清治を称えることは、松浦を蛇蝎のごとく嫌う自民党市議の感情を害しかねないことでもあり、一市議にすぎない松浦の発言は、さまざまな憶測と動揺を交錯させるに至っている。
札幌市議会自民党議員会の高橋忠明会長は、「清治さんが松浦市議の考えを取り入れたという認識はない。多くの市民の声を取り入れた結果と考えている。あくまでも清治さんの公約なので認めざるを得ない」と話す。
当の松浦がその経緯を説明する。
「1月26日夜、札幌パークホテルで、私は清治さん、石崎岳(代議士)さん、勝木(紀昭さっぽろの未来を創る会事務総長)さん、堀川(素人札幌市議)さんの5人で会った。会合は石崎さんから私に清治さんを頼むという話があり、政策に取り入れたいということだった。私は清治さんの人柄が分からないため、会ってみようと思った。清次さんにはその場で、敬老パス(敬老優待乗車証制度)の無料化、家庭ゴミ無料収集の継続、 未就学児と乳幼児の医療費無料化を提案した。私は自民党が好きとか、嫌いということにこだわっているわけではなく、私自身がこれまでの議員生活で聞いた市民の要望を清治さんに伝えた。私は清次さんに自民党ではなく、市民の支持で当選する選挙をすべきと伝えており、市長選は清治さんがいいと支援者に言っている」
同席した市議の堀川は、松浦が所属する市議会会派「市政改革クラブ」の同僚。堀川は「5人が会ったことは事実だが、松浦さんの提案を清治さんが政策に取り入れたとは認識していない。私が松浦さんと一緒に清治さんに会ったのは、清治さんに会って考え方や政策を聞くことが大切だと思ったためだ。松浦さんは清治さんの支援に積極的だが、私は市民が自由に市長を選ぶべきだと考えている。私自身は敬老パスの無料化は求めていない。現行の制度ではなく、どこまで乗っても200円というような制度に変えるべきと主張している」
実際、清治の政策には松浦が清治に主張したとする「家庭ゴミの無料収集を継続」 「敬老パスの原則無料化の実現」 「未就学・乳幼児医療費の完全無料化を実現」の3点が含まれている。
果たして清治は、松浦が主張する政策を取り入れたのか。
清治の支援団体である「さっぽろの未来を創る会」の事務総長・勝木は、5人で会ったことを認めた上で事情をこう説明する。
「松浦先生の側から石崎先生に対して清治さんの人となりを知りたいという話があった。この時点の我々は(政策に関して)いろいろな人から話を聞こうというスタンス。だから共産、民主以外の道議、市議とお会いしているし、各首長の公約も検証した。経済界や女性を含め、幅広い層から市政に関する意見も伺っている。松浦先生はその中の1人という位置づけ。会いたいという方を拒むことはできない。私は石崎先生に依頼されて会合に同席した。松浦先生からは『ゴミの(収集業務)民営化を広げるべき』という話があったので、貴重な意見をありがとうございますと述べた。だが、ゴミ問題以外の政策は話されなかった」
「さっぽろの未来を創る会のスタッフは、札幌市政に関して自民党、公明党の過去3年間の政策を調べた。ゴミと敬老パスの問題は昨年11月に開いたミーティングで、主婦の方からも意見が出ている。敬老パスについては、さっぽろの未来を創る会の政策グループで大きな問題として認識してきた。ゴミ収集や焼却場(清掃工場)を民営委託した場合の経費も独自に試算している」
5人が会談した前日の1月25日、清治は公約の第1弾を発表した。その中には、2005年度から有料化された敬老パスに関し、一定の所得水準に満たない市民は無料化するとの政策も盛り込まれた。
会談の前日、清治が敬老パスの政策を公表したことは、清治が松浦の提案を取り入れたわけではないことを示すものだが、松浦は「その前に石崎さんに伝えている」と主張する。
この件に関して取材を申し込んだところ、石崎岳事務所では「ご質問の根拠について、一切不明なため取材に応じられません」との回答を寄せた。
果たして松浦の言動は清治陣営にどのような影響を及ぼすのか、すでに陣営が“対策”を練っていることは容易に想像できる。(文中敬称略)










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