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“老骨にムチ”、平和を訴える80歳の元特攻兵・菅原茂 後編


 
イラク侵攻を決断した侵略者のブッシュは謝罪すべき。
世界各地で紛争、国際テロが頻発、毎日、数知れぬ無辜の人々が命を落としている。
17歳の時、「飛行服がかっこいい」と陸軍飛行兵に憧れ、水戸陸軍飛行学校に入学した愛国少年・菅原茂。
無線士として百式爆撃機「呑龍」(どんりゅう)に搭乗した菅原は、第2次世界大戦のさなかである1945年3月、福岡県の太刀洗飛行場でB29爆撃機の10機編隊の爆撃に遭遇した。数多くの犠牲者を目の当たりにしたが、辛くも一命を取りとめた。
こうした戦争体験と第2次世界大戦の終戦を経て、「生きていることがすべて」と叫ぶ菅原は、以後、80歳の現在まで孤高の平和運動を続けている。
「イラク戦争」「北朝鮮問題」、日本の「対米追従」などを菅原に聞いた。
――80歳の老骨に鞭を打って、平和を訴え続ける理由は。
菅原 サイパンから出撃したB29が太刀洗飛行場を爆撃、わずか30分でほぼ壊滅状態となった。「とにかく這いずり回ってでも行き続けたい」と考えた私は偶然助かったが、建物の梁には爆風で飛ばされた人間の塊が張り付き、地面には首のもげた体から血が噴き出した遺体が横たわっていた。
人間は生きていてこそ、すべてだ。自分の命が大事なら、隣の人の命も大事。互いに生き合おうという心こそ、大切と思い、平和を訴え続けている。
――2005年2月に核兵器保有宣言を行った北朝鮮は、翌年7月にミサイルを発射、続いて10月9日に核実験を実施したと発表した。
菅原 北朝鮮にいろいろな問題があることは事実だが、北朝鮮にしてみれば、アメリカのイラク侵攻もあり、通常の部隊では太刀打ちできない、アメリカにやられないためには核が必要と考えたとしても不思議はない。
――当初から問題視されていたアメリカのイラク侵攻は、アメリカ国民も批判するほど泥沼化している。
菅原 アメリカのイラク侵攻は侵略であり、一方的な攻撃。ブッシュの支持率は28%(米誌ニューズウィーク調査、5月5日発表)にまで落ち込んでいる。遅いとはいえ、問題に気が付いたアメリカ国民は立派。
フセインが死刑になったことは仕方がないが、なぜ、イラク侵攻を決めた侵略者であり、戦争犯罪人であるブッシュやブッシュに追従したブレアは処罰されないのか。
イラクでは罪もない多くの人が殺されている。米軍兵士の夫がイラク戦争で死んだ家族の感情を考えても、ブッシュの支持率が下がるのは当然のこと。アメリカはイラクから撤退すべきであり、ブッシュもブレアもイラクの人々に謝罪をして引き揚げろと言いたい。
――日本の対米追従に関しては賛否が交錯している。
菅原 日本は第2次世界大戦の教訓を忘れている。この戦争で多くの人が死んだにもかかわらず、イラク問題で日本人が語り合うことは少ない。
いまの若者の中には(第2次世界大戦以降、軍国主義的な意味合いを深めた)「大和魂」などとプリントしたTシャツを着ている人もいるが、戦争のことを考えたり、真剣に学ぶ人は少ない。
現代の日本人はみんな“背中合わせ”になっており、下らないテレビ番組を見て、ゲラゲラ笑っている輩も多い。ニュースでは親が子どもを殺す事件、子どもが親を殺す事件が毎日のように報じられている。
親も教育者も、子どもに「悪いことをするな」「自分だけでなく友達のことも考えなさい」「人に迷惑をかけてはいけない」ことや人間の命の大切さを十分に教えていない。
しかし、高齢者も食べ物がない苦しんだ時代のことを忘れてしまっている。同じ学校の同期会に出席して、私が平和の話をしても、残念ながらわずかな人を除いて白けてしまう。
日本がつくったかどうかはともかく、日本国憲法は世界に誇ることができる憲法。首相はブッシュに対しても、この憲法を土台にして平和を訴えるべきだ。







| 2004年に刊行した著書「戦火なき世界をめざし 特攻(ぶっとび)人生」 |
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関連サイト

前編
http://www.bnn-s.com/news/07/05/070510180701.html






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