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酪農大・長谷川豊教授の「健土健民」 過去の記事一覧
人、もの、情報を届ける出前、産直市場


10月04日(木) 15時00分
 



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道庁でのオープニングセレモニー。今年は15ヵ所延べ80日の愛食フェアが行われた。道庁前のステージでの様子

 今、日本の農業は二つの方向に向かおうとしている。一つは国の方針である認定農業者への保護により大規模農業を目指す方法。もう一つはそれに該当しない農業がどのような形で生き残るかである。すべてが国の指導通り行かない事は誰が考えても分かる。それともう一つ、今、国民の関心は、安心・安全を目指している事である。当然のように大型農業は機械化されてそれが安心・安全となれば問題はないが、省力化された農業はそれが出来ないのが欠点である。それをクリア出来ればこれほど面白い農業はないと感ずる。

 さて、もう一方の新規参入を含めた小規模農業が生き残る方法はどのように展開するかである。その一例として都会への出前、産直市場を紹介する。

 走りは「こだわり農産市」!!

 2005年3月の中頃、北海道体育文化協会理事長の佐々木亮子氏から電話を頂いた。協会が持つ施設を多くの団体が競技やイベントに利用しているが、この方達ばかりでなくいろんな形で道民の方に活用してもらい施設を発展させていきたい。北海道は農業が一番の産業、農業者と連携して何か企画できないか相談に乗って欲しい。早速、月寒にあるグリーンドーム(現・月寒アルファコートドーム)の職員の方が来られた。

「こだわり農産市をやりましょう」と提案した。農産物の即売は農家の人たちが自分の庭先や道端で直売や無人販売、道の駅に出店しているケースが徐々増えている。年に1、2回、都会の公園広場やデパートで、イモやタマネギなどの市は常であるが、春から秋まで連続的に都会に出前しての産地直売は聞いたことがない。是非これを実現し農業・農村の持つ魅力を都会の人に肌で感じて欲しい。ゆくゆくは生産者と消費者がお互いに信頼関係を築き直接の交流が広まれば正しく理想の「地産地消」「食育」「スローフード」の形が出来上がる。

「こだわり」とは、新鮮(朝どり)、完熟、できるだけ安心・安全、きれいで長持ち、付加、生産者と消費者の信頼などである。何回か協議を行う過程で、いろいろな問題が出てきたが、とにかく一回やってみよう。グリーンドームは場所提供のための条件整備、私は生産者との出店交渉。こだわりに固執して、新規参入で農業を始めた人たちに声をかけたが、不順な気候で肝心な「もの」がない。

 悪戦苦闘の末3戸の農家と酪農大学、北海道専門学校の協力で何とか開催にこぎつけた。我々の予想は遙かに超えた反響があり、ものの少なさに恐縮しきりであったが好天にも助けられ大成功に終わった。最初ということもあり反省することばかりだが、このことを糧に中身の濃い消費者の方により信頼される農産市にしたいと出店した仲間とグリーンドームの職員が情報集めに奔走した。結果、出店者が序々に増えたこと、消費者も回を重ねる毎に顔なじみの方が多くなり会話が始まった。いわゆるリピーターが生まれてきたのである。そのことにより我々生産者もより正直をモットーとして広がりが出てきた。3年目を迎えた今年度は5月から10月まで月1回の土日開催で毎回出展者15店前後、来店者2,000〜3,000人とすっかり定着し生産者も消費者も楽しみなイベントの一つとして育っている。それを参考にしたのが全道組織の「北のめぐみ愛食フェア」である。

 何をやるにも多くの人の賛同を得てやることは心強い。こだわり農産市も北海道の後援を貰って開催している。何回か行っている時に、道の農政部から助成制度を活用して全道組織で行わないかと提案があった。情報を集めてみるとそれぞれの地区で特色あるイベントを開催している所が随分多くあることが分った。その地区の代表となって活躍している人たちに声掛けを行い連絡会なる組織を旗揚げした。さすが道農政部の組織力?説明会には300人を越える出店希望者が出席。反響の大きさに改めて感じさせられたし直売の必要性を認識した。

 2006年5月第1回目。道庁赤れんが広場に道知事や来賓を迎えて盛大に花火を上げた。38店の出店者が我が自慢の産物を持って集合。報道機関の後押しもあり2日間で30,000人。持ってきたものは全て完売となり出店者は大満足。しかし、そのしっぺ返しが2回目から始まった。連絡によるとどの地区も1回目は申し分ない人の集まりはあるが、2回目からはさっぱり。当然である。1回目はマスコミによるPR効果抜群。2回目からはそんな期待も出来ない。焦るが妙案も無いまま2回目を迎えた。1回目で旨さを味わった出店者、量も質も充実して意気込んで出店。しかし、期待した人はさっぱり。我々の札幌会場は1回目のそれが嘘のように閑散として2日間で1,000人程度と閑古鳥が鳴いた。そうなると出店者は不平たらたらもう二度と出店しないとカンカン。おまけに協力して来たイベント会社にも手を引かれ我々素人集団の事務局もお手上げの状態がしばらく続いた。

 忍耐強く初心に返り、当初目的である「正直に誠意を持って、足を運んでくれた一人一人のお客様を大切に」を柱にして再出発した。ものが揃う秋口には徐々に出店者の数も回復し本格的な愛食運動が始まった。2年目を迎えたこの運動も1年目の物心両面の借財があまりにも多くまだまだ軌道に乗るまではほど遠い状態であるが、リピーターも徐々に増え「出前、産直市場」として着実に進化している。

 新規参入の農業者や漁業者、安心や安全を消費者に届けたいと頑張っている人達、環境を守り育てながら働く人等々。夢を持って生きている人がまだまだ沢山居る事に意を強くしこれからも持てる力をそんな人たちに応援していきたい。 

 愛食フェア10月の予定
 
 10月5日、6日 江差いにしえ街道蛯神広場
 10月13日、14日 札幌西友厚別店、岩見沢空知農業会館
 10月18日、19日 札幌道庁赤れんが前広場

 こだわり農産市

 10月13日、14日 月寒アルファコートドーム






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我がNPO法人農業塾風のがっこうも野菜や花の他にアイスクリームの製造を開始して、個性のある美味しいアイスクリームを製造して販売し愛食フェアを一層盛り上げた


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月寒会場のこだわり農産市ではリピーターも定着し、毎回多くの来場者でにぎわっている


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道庁での野菜配布。後半は実行委員会に酪農・北大の学生がイベントとして参加してくれ、調査研究を兼ねた学習にも役立っている


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学生による無料野菜配布も行われた



関連サイト

NPO法人 農業塾風のがっこう
http://www.kaze-school.com/






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