出会い系サイトにはまる女たちとその訳
10月17日(水) 13時50分
徳永エリ
こんにちは。寒くなって、コートを着たりマフラーを巻いたりしている人もいますね。私は伊達の薄着というわけではないのですが、車を運転しているのでドアtoドアですから持っては出掛けても雪が降るまではコートをほとんど着ないですね。昨日もこの位の寒さなんてとスーツ姿で取材に出掛けたら、大通公園で30分ほどインタビューをしなければならなくって、体がすっかり冷え込んでしまって今日はちょっと風邪っぽいです。年齢も考えて寒さ対策しないとだめですよね。ほんと!
さて、今回のモノ申すは最近また利用者が増えていると言われている“出会い系サイト”について。先月、蘭越町の土捨て場で遺体で発見された37歳の女性について色々な事が解ってくる中でこれは特別な事ではない、この事件のようなことが置きそうなぎりぎりのところにいる女性達がどれだけいることだろうと感じた。私が今まで取材を通して逢ってきた女性達の中に予備軍がいる。自分では全く気が付いていないのか、認めたくないのか、かなり危険なところにいるのだ。
蘭越の事件“出会い系”母子殺傷事件の被害者・上野雪絵さんは、頭をバールのようなもので滅多打ちにされ、脳挫傷で亡くなっている。80センチもの大きな血だまりができていたその傍らで、小学校2年生7歳の娘が泣き叫んでいたという。母親とおなじように頭を殴られており重傷だった。「お母さんが知らないおじさんと喧嘩をしていた」と話したそうだ。
雪絵さんは、札幌市豊平区の家賃4万8,000円のアパートで娘と二人で暮らす母子世帯だった。体が弱く病気がちだったという事でまともに働く事もできず、3年前から月額約10万円の生活保護費を受給していた。しかし、10万円ばかりの生活費ではやっていけない。絶対に無理だ。そこで、彼女が収入源、仕事として始めたのが“出会い系サイト”。
私も取材で実際に携帯電話を使って出会い系サイトになりすましで書き込んでみて、そのシステムがわかったのだが、女性はほとんどが登録料無料という出会い系サイトの掲示板に男性を誘う書き込みをする。
<私は30代後半の人妻です。夫が忙しく寂しい毎日です。私を一人の女として喜ばせてくれる男性を捜しています!>といった具合に。
すると30分や1時間の間に30件、40件という男性からのメールが送られてくる。しかしそのほとんどが、SEXを目的としている。書き込みもかなり露骨なものもある。怖い感じがするものも…。
その中から、自分の条件にあった男性を絞り、サイトを通して数人と何度かメール交換したのち、「この人」と1人の男性を選び、自分達のメールアドレスを教え合い、直接メールを送り合う。さらに電話番号も知らせて直接会話し、逢おうということになる。逢う場所は、デパートの前だったり、大型スーパーの入り口だったり、公園だったり。いずれにしても女性は怖そうな男性だったら逃げるために人目につくところを選ぶという。そこから先はお互いの納得によって、食事や飲みに行くなどデートをするケース、車の中で“ヘルス行為”だけで済ますケース、そのままホテルに直行しSEXをしてお金を貰う、援助交際といえば聞こえはいいが売春に至るケースがある。ヘルス行為や、SEXをする場合は男性から7,000円から2万円位のお金を貰う。
雪絵さんの場合はSEXはしなかったが、SMプレイを売りにしていたようでMの男性を鞭などで叩く女王様を演じていたらしい。彼女は自宅に男性を誘い、入れ替わり立ち替わりいろいろな男性が出入りしていたのは近所の人たちも気付いていたらしい。口論になったり、刃物で刺されたこともあったようだが、やっている事が不法行為なので警察を呼ぶわけにも行かない。そんなリスクを犯してまでも彼女はその“仕事”を辞めなかった。
その果てが最悪の事件にまで発展した。いまだ、犯人は捕まっていない。
私もUHB「トークDE北海道」の取材で、出会い系にはまっている女性たち数人に逢ったが、これは大きな社会問題だと感じた。彼女達には幾つかの共通点があったのだ。独身の女性や母子世帯の母親など働きたくても仕事がなかなかない。やっと、仕事についていても正社員にはなれず、派遣社員などで月に11万とか12万というお給料しか貰えない。生活は厳しく、遊びたい、おしゃれもしたいという気持は抑えられなく手っ取り早く、割り切った付き合いでお金が手に入る出会い系サイトにはまってしまい、そのお金が生活の大半になってしまって、やめられなくなる。
夫婦関係や家族関係、地域の人間関係が希薄。夫にばれてもいいという人妻さえいる。
「夫だって勝手な事やっていてなぜ私だけ我慢しなければならないの。夫の事は好きだけど、他の男の人に1人の女としてちやほやされたい」
「子供のことは大切にしているから、置き去りにはしない。ちゃんと保育園に預けている間や夜寝かせつけてから男の人に逢いに行っているから。小学校に行ってる子にはお金渡してお腹すいたら何か買って食べるように言ってあるから」
何か変である。いや、とんでもなく変である。
さらに、待ち合わせ場所を自分の家の近所にするとか人目につくところにする。安全を考えての事とというのはわかるが、もし知ってる人に見られたらと考えないのだろうか。こそこそと逢うのではなく、白昼堂々と逢うのだ。しかも、今まで家にいた普段着のまま気軽に。つまりは、自分の住んでいる地域にはコミュニケーションがない。友人も知り合いもいないということなのか。
そして、決定的なのは人妻といっても普通の奥さんやお母さんではない。結婚前に水商売をやっていたとか、風俗で働いていたとか、中学や高校の頃にテレクラなどで援助交際をやっていたとか。結婚して子どもができてしばらくして暇ができると、お金が欲しくなると、自分を大事にする感覚や、罪悪感が欠如してしまっている彼女達はいとも簡単に援助交際、自分の身体を売る世界に戻ってしまうのだ。さらにそこに大きな危険が潜んでいると言う危機感までが欠如してしまうのだ。
大人が自分で決めてやっていることだし、何人に聞いても理解できないから私は何も言えない。事件に巻き込まれたって、殺されたって自分の責任なんだから。でも、母親がそんな生活をしていて子供たちに生きる力や自分を大切にする心を伝える事ができるのか。もし自分の母親が売春をしている何て事を知ったらどんなに深く傷つくことか。インタビューしている時、あっけらかんとしている女性の後ろに私には笑顔を失った子供達のさみしい顔が見えた。
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