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辻 正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」<ロックオヤジ泣かせの季節到来!>


 
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| ビートルズをはじめとするリリースラッシュに懐がHELP! |
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ベテラン勢の新作・復刻次々発売。
今年もこの季節が…やってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!と、ビートルズの映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」の邦題をもじってみたが、いつのころからか、10月後半から12月にかけては、40代〜60代をターゲットにしたかのような(してるんです、間違いなく)ベテラン大物アーティストのCD、DVDが次々と発売になる。
主に、60年代から70年代にかけて登場、一斉を風靡し、ある者は未だに現役で活動を、またある者は解散やこの世を去りながらも絶大な人気を誇るロック・アーティストやバンドの作品だ。かつてのロック小僧が熱狂し、「ロックオヤジ」となった今でも熱が覚めやらない中高年は、嬉しいような辛いような、複雑な思いを味わう季節である。
それというのも、新作やベスト盤だけならいざしらず、昨今のデジタル技術の発展の恩恵を受けて、音質や画像が良くなり、未発表曲などのボーナス・トラックまで付け加えた復刻版、リイシュー作品がこれでもかと言わんばかりに登場するのです。
さらには、コレクター泣かせの特別仕様や資料性の高い特典をパッケージした「完全限定盤」なるものまで登場。当然、お値段のほうも通常盤の何割増しかになっていて、メーカー各社でこぞって自分のところのアーティストの作品をこの時期に出すもんだから、ロックオヤジにとっては財政難の危機を迎えることになる。
オールド・ロックを愛してやまないこの世代は、同時に「完全限定」という言葉に弱い。こんだけまとめて登場すると、当然手の届かないものも出てくるわけで、貴重な限定盤が他人の手に渡るのを泣く泣く見送るしかない場合もある。好きなものが沢山出てくるのは飛び上がるくらい嬉しいのだが、同時になにかひどい仕打ちを受けているような気分にもなる。どうしてくれるんだ!
おまけに、ロックオヤジは「ロック小僧」の時代にアナログ・レコードで買い、CDの時代となった青年期に同じ作品をCDで買いなおし、そしてオヤジになってから、「音質が良くなった。1曲ボーナストラックが入ってる。紙ジャケットでLPを再現してる」などの理由で、またそのアルバムを買うことになる。誰かの思うつぼだが、仕方ない。これ以上愚痴をこぼすとサーバーがダウンしてしまうくらいの文字量になるので、このへんにしておこう。
とりあえず、こんなロックオヤジを悩ませるリリース・ラッシュというのがどんなものか、これからの主だった作品を小走りで紹介しましょう(発売日は全て予定)。価格は身体に悪影響を及ぼす恐れがあるので、あえて掲載しません。手にしようとしている方は、ぜひ店頭などで確認のうえ、ビックリしてください。実際、僕はこれらの全てを購入し、翌年のこの時期まで泣きながら暮す人を知ってます。それはそれで有意義な人生ではありますが。
まずは、この世代をときめかせる象徴でもある「ビートルズ」。今回は2作目の主演映画「ヘルプ」のDVDが11月7日に発売。音声、画質共にデジタル処理された本編ディスクと、メイキングや未公開映像などを収録したディスクの2枚組が「スタンダード・エディション」。さらにボックス使用で、脚本の複製などの資料もパッケージされた「デラックス・エディション」も同時発売。
そして、ビートルズ解散後に「ジョン・レノン」が発表したソロアルバム10作品が紙ジャケット仕様で、11月28日と12月5日の2回に分けて登場。こちらは、アナログ時代の変則ジャケットや封入特典などを、CDサイズに縮小しての完全再現となる予定。
かたや「ポール・マッカートニー」は、解散後のウィングス時代から2005年までのプロモーション・クリップに、TV出演時の映像などを加えた3枚組DVD「ポール・マッカートニー・アンソロジー」を11月14日に発売する。
さて、今月に話を戻してみると、ローリング・ストーンズの「ミック・ジャガー」が、ソロ活動での初のベスト・アルバムを17曲収録のCD通常盤と、DVDをセットにした限定盤で10月24日に発売。各時代に話題となった大物アーティストとの共演や未発表曲も含まれ、中でも最大の目玉は、未発表のままだった、73年に行われたジョン・レノンとのセッションだろう。
同じ日に、今回紹介する中で最も若い(笑)、「ブルース・スプリングスティーン」が新作アルバム「マジック」を発表。一時期は離れていたものの、現在、再集結している長年連れ添ったバンド「Eストリート・バンド」の往年のサウンドが復活したと評判のこの新作、アメリカではすでにビルボードの1位を獲得している。
さらに同じ日、スプリングスティーンにも多大な影響を与えた「ボブ・ディラン」が、デビュー35周年を記念して、全キャリアを網羅したベスト・アルバムを発表する。当然のように、17曲入りの通常盤CDと、3枚組51曲収録CDに、ファンにはありがたい特典をつけて、豪華ボックスにパッケージした限定盤(日本では8000セット販売。1週間もせずになくなると思う)の2種類が出る。
そして、今年最大の話題は「レッド・ツェッペリン」だ。19年ぶりに再結成し、11月にロンドンで行われる一夜限りのライブには、チケットの抽選に世界中から2000万件の応募があったという彼ら。ベスト・アルバムが11月14日に発売となる。翌週11月21日には、ライブドキュメンタリー映画「狂熱のライブ」のDVDが、中心メンバー、ジミー・ペイジ監修によって、画像、音質を向上させたうえ、未収録映像も加えての再登場。
さらに、そのサウンドトラックとも言えるライブ・アルバム「永遠の詩」も、リマスタリングし、LP時代は収録時間の制約上カットされた曲を加え、当時のライブに忠実な曲順に並べ替えて同時発売。これら、「ツェッペリン再燃運動」に便乗してか、聞いたことないレーベルからは、ツェッペリン結成時期に行われたジミー・ペイジ中心のセッション音源(ツェッペリンのメンバーのほとんどが参加)までCD化される。
他にも、ピンク・フロイドの「デヴィッド・ギルモア」がトータル300分近いDVD出したり、「エリック・クラプトン」もライブDVDにベスト・アルバムと、書いてるだけで興奮のラインアップ。しかも、あくまでも、主な発売です。
そんなこんなで、今から出るか出ないかも分からないボーナスを計算しながら取捨選択に悩んでいるロックオヤジも多いことでしょう。ヘタすると、ツェッペリンを見にイギリスまで行く人だっているんだから。そんなロックオヤジを悩ませるボーナス・シーズン、クリスマス商戦。嬉しい音楽が一杯届けられるけれど、オヤジにサンタはやってこない。 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |







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