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「札幌シネマ通(ツウ)」 <ジョン・レノンとアメリカ政府が闘う!?>


 
「PEACE BED」12月8日公開。
タイトルを読んで「映画のコーナーなのに、いきなりミュージシャンの話かよっ!」と思われた方は、しばしのお待ちを。ちゃんと映画の話になります。
さて、ジョン・レノン。この名前を知らぬ人はほとんどいないでしょう。だからここでは詳しい説明は省略します。まぁ、ジョンと言えば、かのビートルズのメンバーとしてご存知の方が多いかと。
そして、グループ解散前後からは、生涯のパートナーとなったヨーコ・オノと共に、世界中へ愛と平和のメッセージを送ったことでもよく知られている。「イマジン」や「ギブ・ピース・ア・チャンス」など、平和を訴えた名曲が今でも歌い継がれていることなどから、彼を「聖人君子」のように扱う人もいるくらい。
しかしですね、子供の頃から彼の大ファンである僕から言わせれば、ジョンの魅力は「平和の使者」であることでは全然ないです。突然にして不幸な亡くなり方をしたために、神格化されたようなところがあるけれど、ジョンの最大の魅力は、彼の飾らない人間臭さにあるのではないかと思う。
そこで、今回紹介の映画「PEACE BED」です。この作品「アメリカ vs ジョン・レノン」という原題の、ジョン・レノンのドキュメント映画なのです。ようやく日本でも12月8日、ジョンの命日からの公開が決定。札幌では、中央区のシアターキノで上映されます。
ジョンがヨーコと結婚し、二人で本格的に平和運動を開始した1969年から、その後ニューヨークへ拠点を移し、当時のニクソン政権から、二人の平和活動が「反体制運動」と捉えられ、危険分子扱いされていた時期に焦点をあてたドキュメント。
FBIによる監視や盗聴、政府の圧力によって難航したアメリカ永住権獲得の為の法廷闘争の様子が赤裸々に語られる。
なによりも、「金持ちの道楽」のように思われがちな、あるいは奇妙に神格化されて伝えられがちなジョンとヨーコの活動が、どれほど真剣で、また困難なものであったか、そして、どのような信念と理想を持ってプレッシャーの中で活動していたのかを、客観的な視点で描き、「人間ジョン・レノン」の姿を浮かび上がらせているのが秀逸だ。
当時を回想するヨーコのインタビューをはじめ、敵対していたニクソン政権の要人、FBI捜査官らの証言、それに彼ら二人を自分たちの活動に利用しようとしていた過激な反政府活動家らのインタビューが、当時の映像やジョンの音楽と共にテンポよく構成されていて、全編に渡ってリアリティと緊張感に溢れている。
政府からは睨まれ、過激派には本意ではない利用のされ方をし、堅物の平和運動家からは売名行為と非難され…。そんな状況の中で自らの理想と信念を貫くジョンの姿に感動すら覚える。
全編、事実以外の余計なインサートや偏向した意見を押し付けるような作為もなく、「その時、何があったのか?」を記録することに撤した正統派ドキュメントである。
ジョンに対する「平和のメッセージを歌った人」というイメージの中に含まれる誤解や、安易な崇拝をお持ちの方。それに、ジョン・レノンがどんな人かよく知らないという方にこそぜひみてもらいたい。一人の人間としてのジョン・レノンの姿から、今この時代に生きている我々が、自分は何をするのか?と考えるべきことは少なくないハズだ。
余談ですが、インタビューの途中、こうした闘いの回想とは別に、当時のジョンの思い出を語っている時のヨーコさんは、非常に可愛らしくてチャーミングなお顔をしています。とても印象的。 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |



関連サイト

「PEACE BED」アメリカ vs ジョン・レノン
http://peacebed-johnlennon.com

シアターキノ
http://theaterkino.net/






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