たくさんの習い事は子供のためになるのか?
02月04日(月) 11時55分
徳永エリ
毎日寒いですね。体調を崩さず元気にお過ごしでしょうか?今週から「さっぽろ雪まつり」が開催されますが、受験生はセンター試験の前期日程が終了し、3月5日は公立高校の入試。まさに受験シーズン真っ只中であります。去年の今頃は息子の受験を控えて、緊張していたと言うか、プレッシャーとストレスでかなり辛かった事を思い出します。
まず私立高校に2勝し、いよいよ本命。第一志望の札幌市立M高校の合格発表の掲示板に息子の受験番号を見つけた時には胸が一杯で涙が出ました。だって、中3の2学期まではどうみても真剣に勉強している感じではなかったし、内申点のランクはぎりぎりだし、塾の先生にはもう一ランク下げて受験してはどうですかとか言われるし、かなり不安でした。でも、最後の最後、3学期に入ってからの猛ダッシュは驚くほどでちょっと見直したかな。
しかし、ほっとしたのもつかの間。次は大学受験です。北海道札幌南高に行った息子の友人達は南高生専門の塾とやらに通ってセンター試験を目指しています。他の友人達も塾に行かないと学校のテストでいい点が採れないからと塾通い。うちの息子も週2回、北大生に家庭教師に来てもらっています。せっかく公立高校に入っても塾や家庭教師にお金がかかり、私立の授業料と同じかそれ以上のお金がかかるのですから大変です。
しかも、芸術系に進みたいと言っている息子の志望校は東京で、授業料と生活費で年間200万は軽く超えてしまいます。本当に希望するところに行かせてやれるのか、不安で一杯です。
小・中学校の就学援助を受けている人が札幌で3人に1人と言われています。高校の授業料が払えなくて学校を辞める子がいたり、公立高校の場合、一時的に授業料を安くしてもらう減免措置をとって貰っている人も年々増えているようです。
昔は貧困家庭の子が苦学して、国立大学に入り末は博士か総理大臣か、なんてこともありましたが今は北大に通う学生の家庭の平均年収は1000万以上とか…。東大あたりではもっと高いのかもしれません。
いい学校に入るためには、塾や家庭教師の力を借りなければ無理な受験システムになっているのですから、経済的に苦しい家庭の子はいい学校には行けないのです。さらに、来年から石狩地区の通学区域が7学区から、1学区になります。どういうことかというと、人気の高い札幌北、南、旭丘に志望者が殺到し、学力レベルの高い子達が落ちる。その受け皿となるのが、私立の立命館慶祥、北海学園、第一高校あたり。この辺のレベルがぐんと上がるのです。
そうなると安全を考えて、中学受験する人が増える。中学受験するためには小学校低学年から、塾に通わせなければならない…気分に親がなる。受験戦争は激化する一方です。ゆとり教育は失敗だったとは言え、ゆとりの理念はどこに行ってしまったのでしょう。
そして、経済的に厳しい家庭の子はレベルの低い公立高校に吹きだまることになるのです。10代からまさに格差を目の当たりにして生きていくことになるのです。これでいいのでしょうか…。
さて、今回のモノ申す。皆さんは子供の頃、何か習い事をしていただろうか?私は水泳と、お琴と、ピアノを習っていた。どれもこれも短期間で、それなりに形になっているものは一つも無い。親に言われるままに行っていただけで、嫌で嫌で仕方がなかった。
しかし、今は子供達が積極的に習い事をしたがるという。習い事で忙しく、家で友達と遊べるのは一週間に一日だけと言う子も少なくない。親も熱心に送り迎えするし、習い事の場が子供達の社交の場にもなっているそうだ。お母さん達の社交の場にもなっているが…。(心の中は他の子に負けたくないと穏やかじゃない人もいると聞くが…)
小学校に入ると、ピアノに英会話、公文にスキースクール、空手、スイミングスクールにバレー。お父さんとお母さんが交代で送り迎えしている。見学もする。大変だ!たしなみなのか、なんのためのお稽古なのか。本当にやりたいのか、皆がやってるからやらないといけないと感じてしまうのか。週に5日も、6日も習い事をしていたらお金だって大変だ。私の友人は小学校5年生と1年生の子供がいて習い事だけで月10万はかかるとなげいていた。
何か一つの事を徹底的にやって、それなりに身に付けるほうがいいような気もするが…。なぜ、色々やらせるのだろう。やはり、ここにも学校の水泳やスキーの授業だけでは、身に付かずいい成績が取れないからということもあるようだ。親が教えられればいいが、今の親は人任せ。自分でどう子供に教えたらいいのかわからないという。
息子に聞いてみた。「何で色んな事をやるんだろう?親がやれというから仕方がなく?」
「色んな事を経験して自分のスキルを上げたいと思うよ。それに今の子供達は小さい頃から与えられる事に慣れてるからさ、親が見つけてきたものに乗っかってそれなりに楽しんでいるんだと思うよ。習い事の先生達も見学に来ている親の顔気にしてるから、そんなに厳しく指導もしないしね。楽しいのさ、それなりに」
なんだか、わかったような、わからないような。でもなんとなく違和感がある。色んな経験をするのはいいことだけれど、中途半端にかじってスキルになるんだろうか。一つの事を、厳しい環境で苦労しながら修得してこそスキルなのではないだろうか。
結局、こういう感覚が自然にベースになって大学や専門学校に行っても自分に合わないから辞める、楽しくないから辞める。学校だけではない。就職しても、次はこんな事がしたいから辞めますと、全然違う業種へ転職する。親からすればもったいないと思う一流企業ですら、いとも簡単に辞めてしまえる感覚が子供のかなり早い時期に身についてしまっているのではないかと私は思う。
やりたい事がやれないとか、我慢するとか、貫くとかそういう事があって、あーこれだっていうものに出逢えるのではないだろうか。いつまでも追い求めていたのでは、しかも親や、人に与えられたのでは至福の達成感は決して得られることはないだろう。
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