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「帝国」の暴走、「属国」の従順 第6回


 
ブッシュ・ドクトリンの原点「国防政策指針」。
11月4日に行われるアメリカ大統領選挙を控え、予備選・党員集会での共和、民主両党の候補指名争いが白熱している。
大統領選は日本でも注目され、5日のスーパーチューズデーも詳細が報じられた。71歳のジョン・マッケイン上院議員が勝てば、69歳だったロナルド・レーガン氏を上回る史上最高齢の大統領が就任。バラク・オバマ上院議員ならば初の黒人大統領が誕生。ヒラリー・クリントン上院議員の場合は、初の女性大統領といった具合で話題は豊富だ。日本では3氏のいずれが勝利しても、こうした「初○○」大統領誕生がトピックとなっている観は否めない。
実際にアメリカでは「年齢」や「女性」「人種」よりも、サブプライムローン問題による失業率の急上昇、株式相場の大幅下落、イラク戦争、不法移民問題、同性婚・中絶に至るさまざまな問題が火急となっている。
拉致問題や日本の国連安保理常任理事国入りにも関心を抱く、ベトナム戦争の英雄・マッケイン氏は大統領に就任すれば日米同盟を重視すると見られているが、一方では集団的自衛権の行使を強く求めてくる可能性もある。
米中関係の重視を表明しているクリントン氏の場合は、北朝鮮をめぐる北東アジアの安全保障についても米中を機軸としており、従来の日米関係は厳しく様変わりするかもしれない。
いずれにしても次期大統領は、ブッシュ政権で疲弊した財政やイラク問題を含む外交政策などで、大幅な修正を余儀なくされ、これまでの「帝国主義」から国際協調路線への転換を図ることになりそうだ。
1990年代のアメリカは多国籍軍を主導した湾岸戦争での勝利、ベルリンの壁崩壊に端を発したソ連崩壊による資本主義の勝利などから、世界のリーダーの地歩を一層固めた。
しかし、ネオコン(新保守主義派=ネオコンサーバティブ)がシナリオを描く「帝国主義」への傾斜、テロとの戦争で先制攻撃を厭わないブッシュ・ドクトリンが、軍事政策の根幹となり、国際的な威信を大きく損なった。
ブッシュ・ドクトリンの原点は、1992年にレーガン政権で国務次官補を務めたネオコンの代表的論客ポール・ウルフォウィッツ氏(後に交際相手の女性職員を厚遇し、世界銀行総裁を任期途中で辞任)が中心となって作成された「国防政策指針」(DPG:Defense Planning Guidance)。
だが、DPGが政策に反映されるまでには時間を要した。現職のジョージ・H・W・ブッシュ氏が、大統領選で民主党のビル・クリントン氏に敗れたためだ。(つづく)







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