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「取り調べの可視化」実現に向け、日弁連が署名活動


02月07日(木) 17時40分
文:糸田 
 冤罪や人権侵害の防止などを目的に国会に請願書を提出予定。

 日本弁護士連合会は今週から、警察・検察の取り調べの全過程を録画する「取調べの可視化」の実現を求める国会請願書の署名活動を開始した。

 請願書は、密室での取り調べが、捜査官による暴行・脅迫・利益誘導等を誘発し、虚偽の自白による冤罪を生み出していることや、密室での取り調べ状況が裁判で争われると長期化・複雑化するため、来年5月までに実施される裁判員制度に適さないことなどを理由に、「取り調べの可視化」制度の導入を求めている。

 昨年、鹿児島県の公職選挙法違反事件や、富山県の強姦事件で無罪判決が確定し、両事件での警察の違法な取り調べが明らかになった。

 民主党は昨年12月、密室での取り調べが自白の強要などによる冤罪を生む温床となっているとして、録画・録音による取調べの可視化、録画のない自白の証拠能力の否認、検察官手持ち証拠リストの開示を定める刑事訴訟法改正案を参議院に提出した。

 上記の事件の無罪判決を受け、警察庁では今年1月「取り調べ適正化指針」を策定。被疑者の身体への接触や、尊厳を著しく害するような言動など取り調べの際に不適切である事項を例示。捜査部門以外の警察官が取り調べを監督することや、取り調べ時間の管理の厳格化などを定めた。

 指針に対しては、取り調べの監督を身内で行う点にも限界があり、日弁連などが主張する録画などの「可視化」については言及しておらず不十分であるという指摘が多く、警察の強引な捜査への不信は深いと言える。

 「可視化」によって、不当な取り調べが減少し、冤罪が防止され、裁判で自白の任意性が争われなくる可能性は大きい。しかし、同時に犯罪検挙率が著しく低下することも予想される。

 可視化を実施しているイギリスや米国などの国とは違い、日本では、司法取引や刑事免責などは認められておらず、電話の傍受などにも厳しい制約がある。捜査で証拠が不十分な場合、取り調べでの自白こそが事件解決の方法となっているのが現状だ。

 密室での不当な取り調べで、冤罪や人権侵害などの被害に遭う人がいる一方、厳しい取り調べで真実を自白する犯罪者も多いだろう。組織犯罪などの捜査では、被疑者の自供がなければ進展しない事件もある。また、「可視化」することで、被疑者や被疑者に関わった第3者のプライバシーも侵害される可能性もある。

 「可視化」を実現するならば、捜査の制約の見直しや司法取引などの導入も視野に入れて議論することが不可欠だ。

 日弁連では、HPや全国の弁護士会を通じて、30万人を目標に署名活動を行い、5月以降、情勢を見ながら国会に提出する予定。




関連サイト

日本弁護士連合会 取調べの可視化(取り調べの全過程の録画)の実現を求める署名
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/investigation/shomei.html






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