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厄年


 
先日、高校時代の同級生と酒を飲んだ。
ほとんどの奴とは何年かに一回は会っているので、経年変化は生え際がイッたこと、養豚化ぐらいしか感じない。中には身長188センチ、体重107キロというバケモノもいる。
座って開口一番、五分刈りが「厄祓いしたか。もうすぐ後厄、脱出だな」と叫んだ。
男の本厄は、語呂合わせで「死に」となる数え年42歳。後厄を脱出すれば、災難にも遭わないだろうと考え、五分刈はうれしいかったのだろう。
だが、俺は御祓いを信じていない。苦い経験があるためだ。
大学生の頃、俺の車を運転していた弟が大きな犬を轢いた。幸い怪我はなかった。しかし、俺の車のパンパー下にあるスポイラーは、衝撃でひん曲がった。
弟が気持ち悪がったため、仕方がなく俺は車の下にもぐってスポイラーを外した。
その後、誰の発案だったか、記憶は定かでないが、車を神社に持って行き、御払いをしてもらった。これで一安心と思ったが、後日談があった。
車に乗せた妹が「犬の泣き声がする」と言うのである。万全を期して、妹に「犬のこと」は知らせなかったにもかかわらずだ。
妹には「そうか。聞こえないぞ」ととぼけたが、犬の声は本当に聞こえたのだろう。
厄年に突入する直前、カミさんは「御祓いしたら」と言った。
「ぁぁ」と気が無く返した俺は御祓いをするつもりが全くなかった。脳裏に大型犬の姿が浮かんだためだ。 










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