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ジャーナリスト・惠谷 治「独裁者の秘密を徹底検証ドキュメンタリー金正日」
独裁者の秘密を徹底検証 ドキュメンタリー金正日 第16回


02月15日(金) 00時00分
文:惠谷 治 



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上の写真は1980年に発行された写真集『平壌』で紹介されている万景台革命学院で、下は1985年に発行された写真集『平壌』に掲載された万景台革命学院である。万景台革命学院は1947年10月12日、平壌の兄弟山区域間里に設立されたが、平壌の万景台区域に上掲写真の校舎を新築し、設立から1年後の1948年10月12日に移転した。写真を比べてみると、上の写真には金日成像がないことから、万景台革命学院の正面に金日成像が建立されたのは1980年以降と推定され、前庭が1985年までに整備さたことがわかる。万景台革命学院の生徒たちは赤いストライプが入ったズボンが特徴であり、その制服制帽は北朝鮮の子供たちの憧れである
 第3部 独裁者・金正日権力の源泉
 第1章 党の謀略機関を掌握し拉致工作を定式化
 [第16回] 朝鮮人民軍の原型が整ったのは解放から2年後だった

 1947年5月17日、 偽装名だった「保安幹部訓練大隊部」は再編拡充されて、「北朝鮮人民集団軍」と改名され、北朝鮮の正式軍隊として姿を現わした。人民集団軍総司令部は、平壌の旧日本軍第77連隊跡地に設置され、人民集団軍総司令官には崔庸健が改めて任命された。この日、全将兵に、兵、戦士、下士官(下士、中士、上士)、特務長、尉官(少尉、中尉、上尉、大尉)、佐官(少佐、中佐、上佐、大佐)、将官(少将、中将、大将)の階級章が付与された。

 人民集団軍総司令部隷下には、司令部本部、飛行隊、警衛連隊、平壌学院、中央保安幹部学校、中央直属病院があり、部隊は「軽歩兵師団」などに編成された。

 司令部の本部組織は旧保安幹部訓練大隊部時代と同じく、参謀部(安吉総参謀長)、作戦部(柳新部長)、政治文化部(金一司令官)、通信部(朴英順部長)、砲兵部(金武亭司令官)、工兵部(黄虎林部長)、後方部(崔弘極司令官)、幹部部(李林部長)、偵察部(崔遠部長)という構成になっていた。

 旧保安幹部訓練大隊部には、价川の保安訓練所を中心に、新義州に「第1分所」、定州に「第2分所」、江界に「第3分所」が設置され、編入された鉄道警備隊の訓練所が、价川と羅南に置かれていた。ここで注意しなければならないのは、「訓練所」というは偽装名で実動部隊のことであり、この伝統は現在の朝鮮人民軍に受け継がれている。

 これらの「訓練所」を基幹として、人民集団軍総司令部には以下の部隊が編成された。

 第1軽歩兵師団(第1、第2、第3連隊と砲兵連隊) 師団長 金雄 价川 
 第2軽歩兵師団(第4、第5、第6連隊と砲兵連隊) 師団長 姜健 羅南 
 第3独立混成旅団(第1、第2、第3大隊と砲兵大隊、通信大隊) 旅団長 金光× 平壌

 このうち第3独立混成旅団は、後に平壌から元山に移転したが、部隊の駐屯地をみれば、部隊の基幹は「保安訓練所」ではなく「鉄道警備隊」だったことが分かる。

 一方、海軍の前身である「水上保安隊」は1946年6月5日に創設され、東海水上保安隊(元山)と西海水上保安隊(南浦鎮)が編成された。1946年12月、水上保安隊は「海岸警備隊」に改編され、元山に海岸警備隊司令部、元山、南浦鎮、清津の3個所に「警備衛戍司令部」が設置された。1947年7月8日、羅津に「海岸警備隊幹部学校」が設立されたが、その後「海軍軍官学校」と改称された。1973年3月、海軍軍官学校は咸鏡南道咸興市の興南区域麻田里に移転し、1993年7月には金正日の母親の名を冠した「金正淑海軍大学」と改名され、現在に至っている。初の海軍艦隊(魚雷艇隊)は、1949年8月28日に編成されたため、1972年6月、政令によって8月28日が「海軍節(海軍創立記念日)」と定められた。しかし、1994年になって、海軍節は艦隊の初編成日ではなく、水上保安隊が創設された6月5日に改められている。

 空軍については、1945年10月に民間の「新義州航空隊」が創設されたが、1946年6月、新義州航空隊は平壌学院に編入され、平壌学院航空中隊となり、空軍の前身となった。1947年8月20日、北朝鮮初の「飛行隊」が編成され、この日が「空軍節」となっている(1972年5月に制定)。空軍の教育機関が設置されたのは、朝鮮戦争後3年もたってからと遅く、1956年に「金策航空大学」として、清津市水南区域に開校した。1975年6月、咸鏡北道鏡城郡上温堡里(旧朱乙里)に「飛行軍官学校」が設立されると、金策航空大学の操縦士養成コースが移管され、金策航空大学は行政・技術分野の空軍士官を養成する教育機関となった。

 1947年10月12日、満洲での抗日闘争で戦死したパルチザンの子弟である「革命遺児」や高位級幹部の子弟のみが入学を許される「万景台革命遺児学院」が設立された。朝鮮戦争後、名称から「遺児」がなくなり、現在の「万景台革命学院」と改称された。革命学院の学生たちは、軍服姿で全寮制の軍隊式集団生活をおこない、教育期間は、幼稚園上級班1年、小学校4年、中学校6年の11年制である。金正日は朝鮮戦争中の1952年に1年間だけ在学したことがあるだけで、金正日が万景台革命学院の卒業生というは誤りである(第2部第18回参照)。(つづく)

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[第108回] 北朝鮮の説明から読み取る日本人拉致被害者の所属機関
http://www.bnn-s.com/news/08/11/081114154336.html

[第109回]平壌で一時期共同生活をしていためぐみさんと曽我さん
http://www.bnn-s.com/news/08/11/081117154502.html

[第110回]曽我さんと別れたのちに田口八重子さんと同居していためぐみさん
http://www.bnn-s.com/news/08/11/081121163231.html

[第111回]韓国人拉致被害者と結婚し娘をもうけた横田めぐみさん
http://www.bnn-s.com/news/08/11/081125113702.html

[第112回]離婚後は重要な秘密機関に送られたと推測されるめぐみさん
http://www.bnn-s.com/news/08/11/081126144111.html






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