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食肉偽装「ミートホープ」裁判 元社長が「(偽装を)やめようと考えていたが、思い切れなかった」


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02月18日(月) 19時10分
文:糸田 写真:糸田 |
 
元取締役の妻が「知らなかった」と証言。
苫小牧市の食品加工卸会社「ミートホープ」(破産手続き中)による食肉偽装事件で、昨年10月に逮捕された同社元社長・田中稔被告(69)の第2回公判が、2月18日午後1時30分から、札幌地裁(嶋原文雄裁判長)で開かれた。
起訴状記載の公訴事実は、「平成18年5月から平成19年6月にかけて、不正に利益を得る目的で製造・加工した豚、鳥、羊、鴨などの畜肉を加えたカット肉や挽き肉に牛肉のみを原料とする表記をし、取引先に発送。また、同時期に、北海道加ト吉その他2社に対して、同様に豚、鳥、羊、鴨などの畜肉を加え、さらに豚の血液製剤を使うなどして色を加えたカット肉や挽き肉を販売。代金として計約3,900万円を銀行口座に振り込ませ、詐取した」もので、不正競争防止法違反と詐欺の罪に問われている。
先月28日に行われた初公判で、田中被告は「間違いありません」と起訴事実を全面的に認めた。
初公判では、「昭和51年にミートホープを設立。設立してまもなく、豚肉や鶏肉を牛肉に混ぜて(牛)挽き肉として、自衛隊や学校給食などに納品していた。被告人は、挽き肉班を編成し、豚や鳥を混ぜて、牛や豚の血液製剤、心臓などで着色した挽き肉の配合や手順を指示、出来栄えを自ら確認して納品していた。豚の心臓が仕入れた量に比べて販売実績が乏しいことから、発覚をおそれ、仕入れ業者に(心臓を)“豚焼き材赤”と表示させて仕入れていた」(冒頭陳述)ことなどが明らかになった。
18日の公判では、田中被告の妻(65)が証人として出廷した。妻は平成18年3月まで同社取締役を務め、以後、パートとして経理に携わっていた。
田中被告の妻は、弁護人から被告人の人柄について聞かれると、「仕事に対してはもの凄く研究熱心で、三十数年間仕事一筋だった。ほとんど事務所にはおらず、工場でパートさんと一緒に働いていた。朝早くから工場へ行って包丁を研いだりもしていた。従業員からのクレームなどは聞いたことがない。ワンマンと言われているが、ある程度は話を聞いてくれる人で、割と温厚だと思う」と述べた。
また、偽装を知っていたかについて、「安くやっている分に牛の心臓や脂身を入れているのは知っていたが、豚や他の物が入っていたのは知らなかった。(大手との取り引きを始めた平成7年頃から)安く大量な挽き肉が出るようになってから、時々、社長に『ウチは大丈夫なのか、変なものを入れていないか』などを聞いたが、『工夫しているから大丈夫だ』と言っていた」と証言した。
偽装を「知らなかった」という妻の証言に対して、検察官と裁判官は、「調書では、知っていたが注意しなかった」となっていると質問したが、「実際に見たわけではない。私の知らないところで行われていた。(ミートホープ取締役として)お給料を貰っていたが、責任があるかないかはわかりません」と答えた。
続いて、被告人質問が行われ、弁護人から「(偽装を)悪いことをしているという意識はあったか」との質問に田中被告は、「あまり感じなかった。取引先の値段に合うものを何とか作って続けようという気持ちが強かった」と答えた。「挽き肉の粗利益は、調書で7割〜8割だったが」との質問には、「挽き肉に使う端材を評価0円で計算するとそうなるが、きちんと評価すると挽き肉(の粗利益)は18%くらいだと思う」と述べた。
田中被告は、「腐った肉を使用していた」「解凍に雨水を使用していた」「水を足して容量を増やした」などの報道について、「腐った肉は誰も食べれない。肉の塊で腐った部分があれば切り取って捨てて、腐ってない部分を使う。お肉屋さんならどこでも使っている。解凍に雨水を使ったことはあるが、フィルターを通した水を塩素で殺菌して使った。上下水道と同じ方法だが、これは保健所に許可を取っていなかった。水は量を増やすためではない。注射器で水を打ち込んで肉の中のドリップを出すと、加工した時にアクが少なく、肉が柔らかくなる。誤解しないでほしい」と語った。
また、「表示すればよかったのでは」との質問には、「工場間取り引きには表示の義務はない」と返答した。
検察官の「15%の売り上げしかないなら(偽装を)やめればよかったのでは」との質問に対して田中被告は、「十数年前から、何度かやめようと考えていたが、なかなか思い切れなかった。商売をやっていると少しでも売り上げが欲しい。私の弱さだと思います。これからは、年金生活になるが、消費者にご迷惑をかけたので、自分の経験を生かしてやれる道はないか考えている」と述べた。
田中被告は終始うつむきながら質問を聞き、蚊の鳴くような声で答えていた。
次回公判は、3月5日午後1時30分から。論告弁論が行われ結審する。







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