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ミートホープ元社長の田中稔被告に懲役4年の実刑判決


03月19日(水) 12時45分
文:糸田 



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田中稔被告
 裁判長は「安価な原材料で多額の売り上げを得ようとした動機は極めて利欲的かつ自己中心的」と指摘。

 「被告人を懲役4年に処する」

 3月19日午前10時30分から札幌地裁で開かれた苫小牧市の食品加工卸会社「ミートホープ」(破産手続き中)の食肉偽装事件判決公判で、嶋原文雄裁判長は、同社元社長の田中稔被告に実刑判決を言い渡した。

 田中被告は昨年10月24日、道警に不正競争防止法違反の容疑で逮捕された。起訴状などによると、2006年5月から07年6月にかけて、豚、鶏、羊、鴨などの畜肉を混ぜた挽き肉やカット肉を牛100%と表示して取引先に発送。同時期に北海道加ト吉など3社に販売し、計約3,900万円をだまし取ったとして、翌月14日、不正競争防止法違反と詐欺の罪で起訴された。

 1月28日に行われた初公判で、田中被告は「間違いありません」と起訴事実を全面的に認め、公判を通じて争う姿勢を見せなかった。それでも、弁護人から罪の意識の有無を問われると、「あまり感じなかった。取引先の値段に合うものを何とか作って続けようという気持ちが強かった」と答えるなど、犯意は極めて希薄であることを露呈させた。

 3月5日の論告求刑公判では検察官が、「利益を上げる目的で犯行を犯した被告は利欲的、身勝手かつ自己中心的。公正な競争を害し、多数の関係者、特に一般消費者を裏切り愚弄した反社会的犯行。食にまつわる犯罪としてその影響は重大。被告は最後の職人と自負していたが、恥も外聞もない。ミートホープ、そして被告自身は手続き中だが、自業自得であり過度に考慮することは許されず、同情されるものではない」と断罪、懲役6年を求刑した。

 一方、弁護人は最終弁論で「ミートホープは挽き肉の利益に依存していた会社ではない。被告に暴利を得る考えはなく、取引先の需要にこたえるため、安い値段でおいしい挽き肉を供給しようという考えだった。本件で被告が苦労しながら知識と経験を積み重ねながらも築いてきたものをすべて失い、事実上の制裁は十分受けている。被告は、取引先の損害のみならず一般消費者に計り知れない不安を招いたこと、食品業者としての自覚が足りなかったことなど深く反省している」と述べ、情状酌量を求めた。

 嶋原裁判長は量刑の理由などを次のように述べた。

 「食品を口にする一般の消費者に何ら考慮することなく、安価な原材料で多額の売り上げを得ようとした動機は極めて利欲的かつ自己中心的。偽装は会社ぐるみで大規模かつ組織的に行われ、被告が知識を悪用し、具体的に不正を指示していた。食品偽装の中でも、原産地偽装などの事案とは一線を画す」

 坊主頭にグレーのスーツ上下、白いYシャツ姿で出廷した田中被告は、姿勢を正し、判決に耳を傾けていた。







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