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辻 正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <喜びの涙と感動の笑顔>


 
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| 4月16日発売のメジャーデビュー作「CHANGE」 |
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〜福原美穂 ワンマンライブ〜
この「音ラインにゅ〜す」でも何度も取り上げてきた、札幌出身のシンガー、福原美穂。
インディーズデビューした彼女のCDを聴き、ちょっと気になり、それでも「CDならいくらでも修正できるこのご時世だから」なんて思っていたのが、インストア・ライブのお手伝いで彼女の生の歌声を聴き、唖然としたのが今から約2年前。以来、事あるごとに「こんな近所にホンモノがいた!」と吹聴してきた。
その福原美穂、4月16日、シングル「CHANGE」でのメジャーデビューが決定している。もう間もなく、日本全国が唖然とするわけだ。
デビューを間近に控えた3月18日、彼女の初のワンマンライブが、札幌市中央区のライブハウス「Zepp札幌」で行われた。僕が到着した時には会場は既に超満員。入り口より先に進めない。およそ1800人以上は集まっていたかと思う。この原稿、当夜に書いてるので動員の正式発表を聞いていないが、ひょっとしたらもっといたかもしれない。
今回は番組応募での無料招待とはいえ、メジャーデビュー前の新人にこれだけの応募と来場者があるというのは、異例の事だと言えよう。会場には、ただ福原の歌を聴こうというのではなく、この素晴らしい才能が全国へ向け(個人的には「世界に向け」という印象だが)旅立つのを祝い、共に喜びあおうという空気が満ちていた。これもまた本当の意味での「ソウルシンガー」である福原ならではの事だろう。
得意のソウル色の強いカバーを交えてのステージ。とてもついこの前まで、ショップの店頭で歌っていたとは思えないほど、大きな会場でも堂々のステージ。何が変ったのかという具体的な事柄を挙げることはできないが、デビューシングルのためニューヨークに渡り、グラミーアーティスト、アリシア・キースのスタッフとのレコーディング・セッションや、ロスにあるアフリカ系黒人最古の教会「ブルックリンズ・コミュニティ」でのゴスペルクワイアとの共演(この時、本場の来場者も彼女の歌に唖然としてたらしい)などが、彼女のシンガーとしての何かをさらに大きく変えたに違いないと感じた。
まだ肌寒い札幌でのライブ。これはあくまでも僕の持論だがこの時期の札幌の会場では、良いシンガーである事を証明できる瞬間がある。それは、バラードを歌っている時だ。
会場をのせるアップテンポのナンバーではなく、じっくりと聴かせるバラードを歌っている時、寒さを感じる会場の空気が次第に熱を帯びてくるのだ。おとなしく聴き入っているオーディエンスの体温、あるいは気持ちが会場の温度を高めていく。勿論、この日もそんな現象を、それこそ肌で感じることができた。
約2年間のインディーズ活動の集大成であり、これからメジャーシーンを震撼させるであろう活動に向けての出発点ともなるライブ。ラストの曲の前に感極まって流した涙は、音楽からもたらされた喜びに満ちていた。涙で声を震わせ音程をはずした彼女の歌もまた感動もの。
そしてアンコールに応え、前半で披露したデビュー曲「CHANGE」を歌い終えた彼女が満面の笑みを浮かべていたのもまた爽やかな感動。
ちょっと気取って書かせてもらおう。
福原美穂が歌う姿の背景には、砂漠の荒野が広がっているような錯覚を覚える。そして彼女の姿、あるいは歌声は、その荒野に咲いた一輪の花のように思える。
果てしなく広がる世界に咲いた、「希望」「力」「喜び」「救い」…。僕が福原美穂を「本当のソウルシンガー」と評するのは、そうした風景が胸によぎるからである。
これまでまるで我がことのように「北海道には凄いシンガーがいるんだぜ!」と自慢してきたが、もうじき「日本には〜」と自慢することになるだろう。
今までも自分の音楽を世界に向けて届けようとトライしてきた日本のアーティストは多いが、ようやく、わざわざ出向かなくとも、世界から求めてくるであろうシンガーが登場したのだ。
福原美穂、20歳でメジャーデビュー。先はまだまだ長い。残念ながらメジャーというのは、必ずしもアーティストの存在価値を尊重した扱いをするとは限らない。そこには企業の論理が介在し、せっかくの才能を成長できなくする場合だってある。
願わくば、目先のことに捉われず、これから先、最低でも40年は歌えるであろうシンガーを、日本の音楽文化の宝として育んでいって欲しい。 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |



関連サイト

福原美穂
http://www.fukuharamiho.com






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