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身体障害者手帳不正取得疑惑 手続き代行の社労士が「潔白」を主張 後編


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04月10日(木) 16時15分
文:東 写真:東 |
 
「医師が2級の診断書を乱発したことは、社会保険労務士の仕事上、迷惑この上ない行為でした」
札幌市内の耳鼻咽喉科医が作成した診断書によって、聴覚障害の身体障害者手帳を交付された多くの“患者”が、返還命令を受けたり、自主的に手帳を返還する異常事態が生じている。この問題で、耳鼻咽喉科医には不正に手帳を取得させた疑惑が取り沙汰されている。
渦中の耳鼻咽喉科医は、すでに札幌市に指定医の辞任届を郵送しているが、同市は刑事告発する方針だ。
耳鼻咽喉科医の診断書をもとに、身体障害者手帳の代行手続きをしたのが、社会保険労務士の香田清氏。香田氏はこの問題でブローカー(A氏)と報じられている元労組幹部から、代行手続きを依頼されたため、問題発覚当初は、疑惑の矛先が向けられたこともあったが、同氏は不正関与をきっぱりと否定している。以下、前編に続き、香田氏の弁明。
労災の場合は、申請手続きが繁雑なため、代行する場合、私は依頼者と何度も会います。しかし、身体障害者手帳の申請手続きは労災と違って簡素なものであり、本来は依頼者自身が手続きを行えるものです。それでも自ら申請するのは面倒なのか、代行の依頼は続きました。
依頼者の中には、振動障害のため、申請書類に自分で記載できない人もいましたし、A氏や手帳の申請手続きの代行を依頼する取りまとめ役が、複数の元探鉱マンの話を聞いた上で、まとめて代行手続きを依頼してきました。そのため、私は身体障害者手帳を希望する依頼者の大半とは直接会っておりません。
A氏から代行の依頼を受けて、私が申請手続きを代行した身体障害者手帳は100件を少し超えていると把握しています。実際に手帳が発行された件数は不明ですが、発行されなかったものはほとんどないものと思われます。
A氏を通じて手続きの代行を依頼されたものは、A氏が代表を務める団体を通じて、1件につき2万円の報酬を受領しました。私に障害年金請求の手続きの代行を依頼された方の中には、国民年金の滞納により障害年金の受給権のない方も多く、ほとんどがただ働きでした。そのため、2万円は着手金としていただくことにしたものです。この際の金銭授受は、A氏の名前で振り込まれたり、現金で受け取ったものですが、いずれも規定した2万円を超えることはありませんでした。
私が代行手続きをしたものは数多く、A氏から依頼を受けた分は全体のごく1部にすぎません。問題の耳鼻咽喉科医ばかりでなく、大学病院をはじめとする多くの医療機関の診断書を扱います。その際、私が社会保険労務士としてすべきことは、提出書類に不備があるかどうかで、診断書の記載内容が妥当か否かではありません。もちろん、私は医師でないため、診断書の内容自体に疑いを持つこともありませんでした。なお、社会保険労務士は労働各法で拘束されます。労働各法では「主治医の診断の尊重」は基本原則であり、判例も同様です。そのため、社会保険労務士が医師の診断を疑うことは許されないことです。
一方、A氏が身体障害者手帳の申請を依頼した人々から多額の報酬を得ていたことを私が知ったのは昨年の12月以降のことです。発端は昨年12月4日付朝刊に「聴覚障害申請 知人の社労士が代行 行政書士法違反の疑い 成功報酬100人分」の見出しで、あたかも私が首謀者のごとく疑惑が報じられたためです。A氏が多額の報酬を得ていたことは、マスコミ関係者の方からお聞きし、私も依頼者に確認して明らかになったことです。ただ、A氏に多額の報酬を支払ったと明言する元炭鉱マンの中には、翌日になって平気で前言を撤回する人も珍しくありませんでした。A氏は依頼者を札幌まで送迎しているため、報酬はその分も加味されているのかもしれず、明確なことは分かりません。
この耳鼻咽喉科医が書いた診断書を用いて申請された身体障害者手帳の発行が止まって以来、私も身体障害者手帳の代行業務をしておりません。
社会保険労務士として、より高い成功報酬を得られるのは、労災の騒音性難聴の申請です。依頼者にとっても労災でもらえる補償は、障害基礎年金や障害厚生年金など比べ物にならないほど高額です。騒音性難聴の場合、どんなに重くても4級あるいは6級(※1)です。騒音により2級に該当するまで聴力が低下することはほとんどあり得ないとされています。そのため、難聴2級の身体障害者手帳を持っていると、私傷病が主たる病因とされ、労災騒音性難聴が認められることは極めて困難となります。成功報酬から考えて社会保険労務士が医師と共謀して2級を乱発させることはあり得ないのです。
商売上も、依頼者の損得勘定からも、2級を勧めることはあるはずがありません。はっきり申し上げて医師が2級の診断書を乱発したことは、社会保険労務士の仕事上、迷惑この上ない行為でした。
私は今回の一件で不正を知りながら代行手続きをしたり、不正に関与したことはないと断言します。
(※1)身体障害者手帳は障害の程度によって1級から6級(1部は7級まで)に区分されているが、聴覚障害の場合、1級と5級はない。







関連サイト

前編
http://www.bnn-s.com/news/08/04/080408193400.html






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