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辻 正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <ソウルファン必聴!>


 
〜ライアン・ショウ、日本デビュー!〜
今どき、「R&Bが好きです」なんて言うと、デジタル楽器を駆使した、オシャレでシックな音楽を連想されそうで、なかなか言いづらいオジサンっていうのも、多いのではないだろうか?実は僕もその一人。
本来「R&B」というのは「リスム・アンド・ブルース」の略で、50年代の終わりごろに現れた、泥臭くてバイタリティを感じる、とてもエモーショナルな黒人音楽だった。そのうち「ソウル・ミュージック」なんていう言い方もされるようになるほど、まさに「魂」を感じるような音楽なんですよ。まぁ、「ソウル・ミュージック」ってのも、今どきだとずいぶん印象変っちゃったけど。
でも、本家であるアメリカに関心させられるのは、何年かに一人か二人は必ず昔ながらのソウル・ミュージックの様式を受け継いだシンガーが登場するところ。ちょっと前には「リッキー・ファンテ」という人が現れた。そして、今回紹介する「ライアン・ショウ」もまた、これぞ「R&B、ソウル・シンガー」と言いたくなる新人だ。
この21世紀において、本当に今のサウンドか?と疑いたくなるような、ある意味保守的とも捉えられそうなサウンド。往年のR&B、ソウル・ミュージックをそのままに再現したような音作りと、ボーカルは、オーティス・レディング、サム・クック、ウィルソン・ピケットなどを愛した音楽好きなら、瞬時に叫び声を挙げてしまいそうなくらいである(恥ずかしながら、実際に公の場所で大声を出して喜んでしまった男がコレを書いてます)。
本国アメリカでは昨年デビューし、早々にグラミー賞にもノミネートされているライアン・ショウは、まだ27歳。考えてみれば60年代〜70年代に活躍したソウル・シンガー達も当時そのくらいの年齢なのだから、不思議はないのだが、思わず「この若さでこれだけ歌えるなんて!」と感動してしまうのは、昨今のシンガーからなかなか「ソウルフル」という言葉を連想できなくなったからかもしれない。
そんなライアン・ショウが、ようやく4月23日に日本でもアルバム・デビューする。気の利いた音楽番組などでは既に紹介されているので、耳にした方もいるだろう。
アルバムタイトルは「THIS IS RYAN SHAW」。シンプルながら色んな訳し方ができるタイトルだが、音の感触に従えば「コレがライアン・ショウだ!」っていうような、堂々としたイメージが似合うだろう。
往年のソウルの名曲のカバーを盛り込み、オリジナル曲も60〜70年代のソウル・ミュージックのマナーに敬意を表した作品が並ぶ。昔のソウル愛好者だけでなく、クリアな音色に慣れている若い音楽ファンにも、昔から脈々と流れるソウルの本流を堪能できることだろう。
まぁ、こういう作品が登場すると必ず「懐古趣味」などという批判が出てくるんだけどね。でも、それはちょっと違うと僕は思うんですよ。
このアルバムにみなぎる音は間違いなく現在の最新技術を駆使して録音されたもの。そして、その技術を用いて、今最も必要とされている音楽というのは、こうした「人間味ある音」という事なんだと思う。単純に昔を懐かしむためにというのでなく、昔から受け継がれたものを今必要な形で提示してみせたのが、このアルバムではないだろうか?それを可能にしたのは、やはり今の若者であるライアン・ショウというシンガーの才能あればこそなのだ。
そして、もう一言。こういうのが出ると必ず「コレなら昔のオーティスの方が凄かった」などと言ってソッポをむいてしまう、筋金入りのファンという方も必ずいらっしゃる。
いや、それはそれとして楽しんで、さらにそうした先駆者が残して行った素晴らしいものが、今どんな形で受け継がれているのかを、もっと楽しんでもいいのではないでしょうか?そうした支持があってこそ、素晴らしい音楽は次世代にもまた「現代の音楽」としての輝きを持って続いていくのです。
そんなワケで、老いも若きも、ぜひこの「ライアン・ショウ」に注目を! 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 FM新さっぽろ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、ミュージックショップ「音楽処」の準スタッフ等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |







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