終の棲家を考える
05月08日(木) 09時10分
徳永エリ
みなさん、いかがお過ごしですか?ゴールデンウイークはどうしていましたか?
私は番組の取材はあったものの、比較的のんびり過ごすことができました。じっとしていられない性質の私は、数年前までは休みとなると突然東京へ行ったり息子とキャンプへ出かけたり、家に居ることなんかまず無かったのに、この頃は家に居てかたづけをしたり、本を読んだり、のんびり過ごすことが楽しくなりました。体力的な変化…つまり歳を取ったという事なのでしょうか。
そうそう、嬉しい事がありました。このBNNのコラムを見つけてくれて、10年以上連絡を取っていなかった友人からメールが届きました。宮田玲子さん…私より少しお姉さん。20数年前、みのもんたさんの事務所、オフィスもんたに所属していたときの仲間です。本当にれいちゃんと、ご主人のしゅんちゃんにはとてもお世話になりました。連絡先がわからなくなって、連絡の取り様が無かったのですが思いがけずメールを頂き飛び上がるほど嬉しかったです。PCって凄いよね。改めてその検索力に感動!
もし、旧友でこのコラムを見ていてくれる方が他にもいらしたら、是非、メール下さい。楽しみにしています。
さて、今日のもの申すは、「終の棲家」について。
私の母は、再婚した義理の父と25年前に離婚して以来、ずっと一人で暮らしてきた。今、71歳。これまでに二度の乳がんの手術をし、ずっと体調がよくない。体調がよくないことで精神状態も不安定で明るく笑う母の顔を思い浮かべようとしてもどうしてもできない。仕事も年金を受給するようになってからしていない。少ない年金をやりくりして暮らさなければならないものの、贅沢な暮らしを経験してきた母としては住むところだけは環境のよく、利便性の高い、さらにある程度グレードの高いところに住みたいらしく、家賃5万5000円の2DK分譲賃貸マンションに住んでいる。
10年以上前に一度、私と息子と3人で暮らしたこともあるが、ずっと自分のペースで生きてきた母には家族に合わせて暮らすということがひどく苦痛だったようで、ある日知らないうちに引っ越し先を見つけて出て行ってしまった。介護でも必要にならない限り私たちと一緒に暮らすことはないだろう、ずっと今のマンションで暮らすのだろうと思っていた。
ところがそのマンションのオーナーさんが事情があって売りたいので転居して欲しいと言ってきたのだ。母は引っ越したくない、引っ越そうにも年齢制限があったり、環境や条件が悪かったりで、いいところがなかなかない。そこを買い取ろうにも手持ちのお金が無い。そこで私に買ってくれないかと言ってきた。これから、息子の大学進学にもお金がかかるし、自分のマンションのローンも残っているのでどう考えても難しい。
母にもう一度一緒に暮らすことを提案してみたが嫌だという。20数年も一人で暮らしてきた母にとって、また体調も毎日のように違うので自分のペースで生活したいという思いを譲れないのだ。一緒に暮らせば家賃も生活費もかからない。年金も医療費とお小遣いとして余裕で使えるのに。それに母の気持ちもわかるけれども今の状況では母は自分の思いを通すのは無理だ。
かつて、日本の大半が二世代、三世代で暮らしていた時代は、子供が老いた親の世話をするのは当たり前のことだった。しかし、今は老後は子供の世話にはなりたくない、自分たちのことは自分たちでやりたいといと考える親が圧倒的に多いという。愛情だったり、我がままだったり、事情は違うようだが。
母も同じ考えなのだろうがそれは健康でしかも、経済的に余裕のある高齢者にしかできないことなのだ。
かつて、家族に恵まれない高齢者は養老院という施設に入った。孤独、家族の厄介者、かわいそうな人たちの終の棲家と言うイメージだった。それが今は有料老人ホームとなってむしろ自分から積極的に入居したいという高齢者が年々増えている。民間の施設の場合、入居金は東北、北海道地区の場合、平均で586万円あまり。月々の払いは10万円を超えるところが軒並み。
入りたくても、まとまった預金が無く、月々の年金も少なければ入れないのだ。今は、民間の有料老人ホームで暮らす高齢者は、豊かな恵まれた人たちなのだ。じゃあ、安価で入れる公共の有料老人ホームはと言うと札幌では今、入居を希望していながら空きが無く待っている人が5,140人以上。2年、3年待ちでしかも介護度4以上、ほとんど寝たきりに近い人しか入れないのだ。
さらに、民間の有料老人ホームにも高齢者を食い物にしようという、悪質なところがあり、トラブルが多々起きているという。食事が粗末だったり、家族に面会させて貰えなかったり、外出もままならないとか、介護が必要になったら出されてしまうとか、預けた通帳から勝手にお金が引き出されていたとということもあるようだ。入居時にきちんといくつかのポイントをチェックできていれば、家族にとっても、高齢の親たちにとっても民間の有料老人ホームの暮らしは安心で安定している。
ある優良といわれている施設に取材に行った時に、入居している78歳のおばあちゃまにお話を聞いた。
「私は60代からここで暮らしているんです。入居金は1千万円近く夫の退職金で入れて、月々は年金で払ってますよ。夫はここからゴルフに行っていたし、2人で海外旅行も行ったし、来週はこの施設のお友達と京都に旅行に行くんです。主人はもう亡くなったんですが、ある日突然くも膜下出血で倒れて介護が必要になったんですけどね、ここの介護棟で看護師さんが看てくれたので私は介護の苦労も全く無く夫を送ることができたんですよ。感謝してます。それからね、子供は一緒に暮らそうと言ってくれたんですけれど負担になってから施設に入れるんじゃ子供も悩むでしょ。でも、元気なうちに自分たちで希望して施設に入れば子供に余計な心労かけなくって済むじゃないですか。今の時代と、子供のことを考えたら親としてそうするべきじゃないですかね」
同世代が暮らし、専門の職員が健康や生活を見守ってくれたり、必要に応じて世話をしてくれる。個室に台所やユニットバスもあり、プライバシーも確保できる。私も金銭的余裕があれば、こんなところに母を入居させてやりたいと思った。
そこで、親のことは間に合わないとしても、これから歳をとる我々が自分のために考えておかなければならないこと。準備しておかなければならないこと。
1、自分のわがままを抑えて家族に合わせて生活ができる、愛すべき可愛い年寄りになること。
2、65歳までに預金を含めた資産の合計を最低でも1千万円以持っていること。
3、共同生活に順応できる訓練をしておくこと。
4、年金はあてにできないけれどゼロよりはまし。年金をきちんと払うこと。
5、健康で一生現役、経済活動ができるシステムを作っておくこと。
なかなか簡単なことではないが、せめてこのくらいの事は意識して生きていかないといざと言うときに本当に困ることになりそうだ。
また、親のためにこれから有料老人ホームを探す人たちに良い施設を選ぶポイント!
1、入居金は戻ってくるのか、数年で償却してしまうのか確認する。
2、介護が必要になっても最後まで面倒をみてくれるのか。
3、入居率は?低いところは良くない。
4、退去者と退去先は。問題があるから退去者がいる。
5、職員の離職者数は?良い職場は職員が定着する。
6、体験入所すること。食事や、入居者が楽しく過ごしているかなどチェック。
7、午前11時の法則…職員が一番忙しいこの時間帯にいかに効率よく生き生きと働いているかは意外と重要なポイント。
私の母のことは、まだ解決していない。他にも色々問題があって今、私の最大の悩みである。これは、私だけの問題ではなくてこれから多くの人たちが直面する問題だと思うので経過はまた、お伝えしていこうと考えている。
■読者の皆さん、できるだけお返事しますので、ご意見や、気になる世の中の出来事などをメールでwebmaster@bnn-s.comまでお寄せください。
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