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辻 正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <こんなトレーナーに会いたかった>


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05月09日(金) 09時40分
文:辻 写真:辻 |
 
〜Voice Works Sapporo〜
長年、自分で音楽活動している。歌なんかも歌っているけれど、正直、僕は「音楽スクール」というものがあまり好きではない。これは、僕の偏見によるものだ。
もともと、少年時代に聴いた数多くのロックやポップミュージックに、他人からうるさく指図されない、自由な空気を感じて始めた音楽である。
クラシックや伝統音楽とは違い、正解も不正解もなく、自分の発想や自主性を、誰にも文句言われず自由に発揮できるのが魅力だった。僕と同世代の人達で、同じようなところに音楽の魅力を見つけた方も少なくないはず。まぁ、この辺は本題とズレるので省略するけど。
そういう価値観で音楽やってきた者にとっては、「ロックやポップスに関する事をセンセイから習う」というのに対して物凄く偏見があるわけですよ。自分のやりたい事をやりたいようにできるのが、こうした音楽の醍醐味なのにって。
スクールに行って、トレーナーの指導を受けると、確かに基礎のできた上手な人にはなれるけれど、先生から与えられる「正解、不正解」が叩き込まれて、型にはまってしまい、大事な個性も柔軟な発想も持たないミュージシャンになってしまう。実際、そういう人を何人も見てきたし、そんな指導者も見てきたんで、僕の偏見は、ほぼ確信と言っても良いものだった。
ところが、そんな僕の偏見がただの偏見でしかないと気付かせてくれたのが、札幌市北区にあるボーカル・スクール「Voice Works Sapporo」の谷藤勝彦校長だ。
最初に谷藤氏を知ったのは、「Recall」というグループのボーカリストとして。後日、その人がボーカル・スクールのトレーナーだと知って驚いた。「あんなに面白くて、自由な空気を漂わせている人が、若者を型にはめていくのか?」と。
しかし、先月メジャーデビューを果たした、世界に出しても恥ずかしくない逸材である福原美穂をはじめ、このスクールに通い、谷藤氏の指導を受ける人達の何人かを見るにつけ、僕の偏見は崩れ去った。
彼の生徒さん達は皆、伸び伸びと楽しそうに音楽をやっているのだ。そして、歌い方もそれぞれ、皆きちんと自分の個性を磨いてらっしゃる。普段の谷藤氏とのやり取りを見ていても、冗談を飛ばしあい、和気あいあい。「先生と生徒」というよりは、「音楽が好きなもの同士」というつながりが大前提としてあるように見受けられる。
はたから見て思いましたよ。僕も若い頃に、こんな先生というか、先輩からアドバイスしてもらえてたら、何度も喉を潰す必要もなく、自分の歌い方を見つけることができたかもしれないし、余計な悪いクセを付けずに済んだかも知れないって。
そんなワケで、「一体、谷藤氏はどんなふうにレッスンをしているのだろう?」という日々募る興味の元に、先日、レッスン現場にお邪魔してきました。
現在、約80名ほどの生徒さんが在籍しているという「Voice Works Sapporo」。小さな子供から、40代の会社員まで幅広い世代が谷藤氏の指導を受けている。自分の趣味を深めようという人から、プロデビューを目指すなど、本格的な音楽活動を志す人まで、目的も様々だ。
僕が訪れたのは、丁度、スクールのイベントが近いという事で、当日用のレッスンのため、通常のものとは違うという事だったが、それにしても、見学させてもらった3組の生徒さんそれぞれでレッスンの仕方が違う。
先生がボケて、生徒さんがツッコむという場面もあるが、いざ歌のこととなると、程よく一定の緊張感が保たれた中でのアドバイスがなされる。音楽を作り上げるための楽しさと真剣さが教室の空気を満たしていた。
まず、発声練習をしてから歌のレッスンに入る人もいれば、いきなり自分で選んだ歌を歌いだす生徒さんもいる。
アドバイスの仕方も「こうしなさい」ではなく、生徒さんの足りない部分を指摘した上で「こういうやり方もあれば、別のこんな解釈での方法もあるよ」というもの。最終的には自分で決めて、それを目指しなさいという事だ。方向が確認できている時には、もちろん「その為にはどうするのが良いか?」を指導してくれる。
レッスンの段取りも、目標の選択も、生徒それぞれが決定権を持っているという事だ。
「生徒に最初に言うのは、『主役はアナタですよ』という事。こっちはそれに合わせて手助けするだけ。自分はその為に使ってもらえればいいんだ」と語る谷藤氏。レッスンに来て、先生に何も要請しない場合は、放っておくという。
「何のために、ここに来てるのかって事ですよ」(谷藤氏)
つまり、音楽を発信する者としての一番大事な事を教えているんだとも言えよう。
この「Voice Works Sapporo」の生徒さん達が出演するスクールイベント「Voice&Rhythm」が、5月10日と11日の2日間、札幌市中央区の「クラップスホール」で行われる。開演は10日が午後3時、11日は午後12時となっている。
個性的で多彩な生徒さんたちの、音楽を楽しむ姿が見れることだろう。ちなみに、谷藤氏自らも出演する。見学の時、チラリと当日のタイムスケジュールを覗いたが、先生も生徒さんも出演時間は平等でした。このあたりにも、谷藤氏の気持ちがうかがえる。
「Voice Works Sapporo」では随時、見学、体験レッスンも受け付けている。詳細はHPをご参照あれ。 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 フリーライター、FMドラマシティ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、シンガー・ソングライター等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |



関連サイト

Voice Works Sapporo
http://www.k3.dion.ne.jp/~ms07b3/vws/menu.html






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