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辻 正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <謙虚に奏でるロックの音>


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05月20日(火) 07時00分
文:辻 写真:辻 |
 
〜スモゥルフィッシュ・ワンマンライブ〜
ずっと前に「珈琲賛歌」という静かで気の利いた曲を耳にして以来、その曲を演奏している「スモゥルフィッシュ」というグループが気になっていた。
70年代初頭に「ニューロック」なんて呼ばれてた、今となってはオールドな佇まいのする懐かしいサウンドで歌われるこの曲は、じっくり歌詞を読むと何について歌っているのか不明瞭。でも、メロディが付き、サウンドがあり、曲を書いたボーカルの磯部の声に乗ると、リアルに歌の気分が伝わってくる、聴いてる側のイマジネーションがフワッと広がるという魅力的な作品である。
この「珈琲賛歌」という曲のエッセンスは、そのままスモゥルフィッシュの音楽性の核となる部分でもあると思っている。そして、この曲以来、彼らはジワジワと人気を拡大し、全国でも注目される札幌のインディーズバンドのひとつとなった。
4月9日に発売されたセカンドアルバム「僕はこの街に住むのさ」もそうした彼らの魅力に溢れている。やさしく柔らかいロックサウンドと散文詩的な言葉が生み出す世界が心地よい。聴いているとじんわりと気持ちがほぐれる作品である。音楽専門誌などでも評価が高く、全国放送のラジオにも呼ばれるなど、グループの注目度もさらに高まっている。
そのセカンドアルバムの発売を記念しての彼らのワンマンライブが、5月17日、札幌市西区の「ペニーレーン24」で行われた。発売から約1ヵ月半。プロモーションのためのインストアライブなどであちこちの会場を周ってアルバムを広めつつ、ファンにアルバムの曲が浸透したタイミングでのワンマンライブ。
普段はスタンディングであることの多い会場には150席ほどのイスが並べられ、座ってじっくりと耳を傾ける事ができる。もちろん立ち見のお客さんもいたけど、立ってじっくり聴いている。嬌声もなければ、メンバーに指示された時以外は手拍子もなく、ゆるやかに身体を揺らし、メンバーの和やかなトークに笑みをこぼす。熱狂ではない暖かさに包まれた約2時間のステージだった。
実際にメンバーに会ってみると、全員が物腰柔らかく、穏やかで謙虚な人達。ステージ上でも、いかに激しいフレーズになろうと、その人柄がにじみ出たサウンドを奏でている。アンコールでは、70年代ニューロックの旗手ともいうべき「はっぴぃえんど」のカヴァーも披露し、このバンドの現在の魅力もルーツも味わえる内容。
例えば、派手な大作ではないけれど、淡々とした良い映画を観た時のように、終った後もしばらく席に座ったままで余韻を味わいたいような気分である。会場の都合もあるし、すぐ出てきちゃったけど。
その替わり、キレイな月が出ていたので余韻に浸りながらしばらく歩くことにしたんだけど、浸りすぎて結局、会場の琴似から、仕事場のある大通りまで歩いちゃった。スモゥルフィッシュ、口当たりが良くて気づかないけど、効き目はバツグンである。 






| 全国的に高い評価を得るセカンドアルバム「僕はこの街に住むのさ」 |
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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 フリーライター、FMドラマシティ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、シンガー・ソングライター等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |



関連サイト

スモゥルフィッシュHP
http://smoulfish.hippy.jp/index.html






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