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「どーぞ刑務所にぶち込んでください。退場します!」と騒ぎ立てて退廷 地下鉄通り魔・池田博被告


06月05日(木) 09時40分
文:糸田 



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札幌市営地下鉄
 「身に覚えがないね」と起訴事実を否認。

 「退場します」。法廷で興奮しながら、そう叫んだ池田博被告(65)は、開廷からわずか20分後、札幌地裁の井上豊裁判長に退廷を命じられた。

 池田被告は昨年9月13日午前7時22分頃、地下鉄東豊線・福住行きの美園ー月寒中央駅間を走行中の車両内で、乗車中の女性(当時22歳)に近づき、刃渡り15.2センチの包丁で左側胸部などを3回突き刺して、被害者女性に3週間のけがを負わせた。

 犯行後、駆け付けた車掌に取り押さえられ、同日、札幌豊平署に逮捕された池田被告は「刺すなら誰でもよかった。殺そうと思った」などと供述していたという。今年1月24日、殺人未遂と銃砲刀剣類所持等取締法違反で起訴された。

 地下鉄通り魔・池田被告の初公判は、6月4日午後1時30分から札幌地裁で開かれたが、法廷の被告は、地下鉄車両内での行動を想起させるかのように常軌を逸したものだった。

 池田被告は、青いTシャツとジーンズ姿で腰縄と手錠され、看守に伴われて入廷。人定質問のため証言台に立ち、井上裁判長に名前を尋ねられると、「ちょっと待ってください」と手に持った起訴状を見ながら、落ち着かない様子で黙り込んだ。

 井上裁判長は「被告人は名前を言いなさい」と再三求めたが、その度に「待ってください」と繰り返した。業を煮やした井上裁判長が語気を強めて名前を聞くと、「池田博」と小さく答えた。

 その後、尋ねられた生年月日と出身地には「うん」と答え、落ち着いたかに見えたが、井上裁判長が「無職、住所不定は間違いありませんか」と聞くと、「ちょっと待ってください。ちょっと待ってください!」と声を荒げた。

 以下、井上裁判長と池田被告のやりとり。(※は同様の内容を数回繰り返し)

 被告 住所不定ではない。住所はあります。インチキだ!

 裁判長 では住所を言ってください。

 被告 ちょっと待ってください!こんなインチキ、でっち上げだ!※

 裁判長 だから住所があるならば言いなさい。※

 被告 札幌市清田区美しが丘1条8丁目5-15。

 裁判長 札幌市清田区美しが丘1条8丁目ですね。わかりました。職業はなしですか。

 被告 うん。

 裁判長 では起訴状を…

 被告 ちょっと待ってください!どうして住所不定なのか。納得いかない。

 裁判長 起訴状を読み上げるので被告人は元の席へ座っていなさい。

 被告 退場します!こんなインチキ。※

 裁判長 だめです。座りなさい。※

 被告 いやです。退場します!※

 裁判長 在廷しなさい。起訴状に異議がある場合は読み上げた後に聞きます。※

 (看守に座らされる)

 裁判長 検察官は起訴状を朗読してください。

 (池田被告は検察官の起訴状の朗読中も終始、「いやです」「退場します」「インチキだ」などと叫び、何度も立ち上ろうとして看守に制止され、ジーンズのチャックが全開に) 

 裁判長 (朗読後も叫ぶ池田被告に)うるさい。やめなさい。

 被告 ちょっと待って、落ち着くから…。口が渇いてしゃべれないから、水をくれ。

 (紙コップで水を飲み、うつむいてしばらく沈黙)

 裁判長 起訴状に記載されていることについて意見はありますか。

 被告 身に覚えがないね。なんだこの水…水が苦い(ティッシュペーパーで口を拭く)。

 裁判長 身に覚えがないということですね。わかりました。では…

 被告 (再び立ち上がり)ちょっと待って。オラー!退場する、退場する、退場する。

 裁判長 被告人、座りなさい。※

 被告 やだ。退場する。※

 裁判長 審理を進めます。

 被告 勝手にやってくれ。退場する。身に覚えのないことです。無実の罪にさせるのか。

 裁判長 審理を妨げると退廷させますよ。

 被告 それでいい。次からはご自由に進めなさい。次は出てこないからな。

 裁判長 (出廷しなければ)あなたの言いたいことも言えませんよ。

 被告 裁判長、この裁判を受けることができない。

 裁判長 あなたがいなくとも審理は進めますよ。

 被告 退場する、退場する。

 裁判長 …被告人を退廷させなさい。

 (池田被告は最後に、「どーぞ刑務所にぶち込んでください!」と叫びながら看守に伴われて退廷した)

 検察官は冒頭陳述で「被告は中学校卒業後、7年間は働いていたが、その後は窃盗などで前科5犯を繰り返している。被告は人を刺し殺す事件を起こすことを計画し、ダンボールで作った鞘に包丁を入れて歩き回っていた。犯行当日は自宅からバスに乗り、東豊線福住駅で栄町行きの地下鉄に乗るが、人を殺すかどうかためらい大通駅で降りている。大通公園でも人を殺すかどうかを考え、東豊線大通駅から午前7時14分、福住行きの地下鉄に乗って美園ー月寒中央駅間で、うたた寝している女性を見つけ犯行に及んだ。被告は殺すのは誰でもよかったが、反抗されて抑えられないように(標的を)女性にした。包丁を逆手に持って振り上げ、女性の左項部(うなじ付近)、左肩部に振り下ろした。さらに逃げた女性の左側胸部を刺した」と犯行の経緯を明かした。

 一方、弁護人は、「1977年に被告が起こした強盗致傷事件で精神鑑定を行った際、慢性の統合失調症破瓜妄想型と診断され、善悪を認識する能力がないとして不起訴処分になった。その後、精神病院に17年間入院していた。退院後も症状が悪化して2度入院している。犯行動機は被告の統合失調症が悪化して「コンピュータ」(池田被告は「化学機械」と呼ぶ)から電波を送られたり、監視されているという被害妄想から来ている。被告人は自分が病気だとは思っておらず、揺るぎない妄想は常人では理解できない」と池田被告が犯行時、統合失調症による心神耗弱状態だったことを主張した。

 初公判では被告人質問が予定されていたが被告が退廷させられたため、検察側、弁護側双方の書証の取り調べを行い閉廷した。

 次回公判は7月16日午後1時30分から。精神鑑定医の証人尋問が行われる。










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