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「スイマセン」の繰り返しだけでは上達できない体育会


07月09日(水) 17時30分
文:糸田 



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母校・北海学園大学のアメリカンフットボール部

 僕は大学時代から現在まで「アメリカンフットボール」を続けています。

 アメリカンフットボールの魅力は、ゲームの戦略性とプレイの迫力です。フィールドでは、多様な戦術の中から状況に応じて作戦が決められ、華麗なパスや激しい肉弾戦が繰り広げられます。米国ではプロのみならず、カレッジやハイスクールでも最も多くの観客を動員できる人気スポーツです。

 と、書いてはみたものの、日本ではかなりマイナーなスポーツ。たまにテレビで見かけたりしても、すぐにチャンネルを変えてしまう人も多いでしょう(グッスン)。名前は聞いたことがあっても、大抵の人はルールすら分からない、いっぱい人が動いているなという程度かもしれません。

 今回は僕が大学のアメフト部コーチをやっていた時、「スイマセン」が口癖になってしまったK君という学生の話です。例えば練習中に失敗した時は…
 
 「オイ!」→『スイマセン!』 

 「どうした?」→『全然できてません!スイマセン』 

 「いや、それは知ってる。何がダメだった?」→『え…あ、わかりません。スイマセン』 

 「ならなんで謝るの?」→『スイマセン…あ、えー当たりが弱かったです』

 「違うから」→『あ…スイマセン。えー…次もっと頑張ります!』

 「ふっざけんな!」→『スイマセン!』

 といった具合です。K君は身長が低く、運動神経もよいとは言えません。ケガも重なり結局4年間スタメンを取れなかったのですが、一番の問題は彼が主体的にプレイできなかったことだと思います。

 K君の場合、「スイマセン」の連発もさることながら、特記事項は「次もっと頑張ります!」です。

 この「頑張ります!」には、何がダメだったが、どうすればうまくいくか、そのためにどうするかなど肝心な点は全く含まれていません。

 怒られたり注意されたりすると「スイマセン」「頑張ります」がパブロフの犬の条件反射のように口から出てきてしまうのです。驚愕すべきは、名前を呼んだだけで「スイマセン」と言うことが度々ありました。
 
 たしかに、彼は怠け者でなく、どちらかと言えば頑張り屋でした。すぐに「スイマセン」と言える潔さには見習うべき所もあるかもしれません。体育会の思考回路としては、「スイマセン」を口にすることは当たり前、失敗した時の言い訳は嫌われます。

 しかし、自分で上達しようと考えてる学生は、怒鳴られようが言い訳もするし嫌な顔もします。当然、ただ頑張るよりも上達します。スポーツで勝ちたいなら頑張ることは当たり前です。

 K君にもこういった事も含め、「主体的に取り組め」と話をしたことがありますが、自分なりに精一杯やっている意識があったせいか、僕のアドバイスは理解はしていなかったと思います。

 もう引退してしまったK君には、大学4年間で染み付いた生粋の体育会思考で、いつでも「スイマセン」と言える心優しい男でいて欲しいです。

 ちなみにK君は、たばこを「スイマセン」。











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