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辻正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <念願かなって、歌って来た>


 
〜 「the tip connection Vol.4」体験記 〜
ドラマーであり、プロデューサーでもある林立夫氏主催の音楽イベント「the tip connection(以下ttc)」も、今年で4回目。「ttc」や林氏に関しては、何度も紹介しているので、詳細は過去記事に譲るとして、ここでは簡単に説明するとしましょう。
「ttc」は、70年代から「ティン・パン・アレイ」等で活躍、初期のユーミンや吉田美奈子等の音楽を支えてきた林氏が、北海道で活動するミュージシャンに呼びかけて年に一度行っている音楽イベントだ。
80年代以降、あまりにも商業主義に陥り、音楽本来が持っている自由な精神、冒険心が失われつつある事を危惧していた林氏が、北海道の音楽で活動するミュージシャンらに、かつて音楽が持っていた輝きとこれからの希望を見出して企画された。
運営に関わるスタッフも、ほとんどがボランティア。出演者ばかりでなく、音響など進行の手伝いとしても、道内で音楽に関わっている人達が多数集まり、他のイベントでは得難い、独特な幸福感を味わえるイベントとなっている。
8月23日、今回も過去3回と同様、札幌市中央区の「大倉山・札幌ウィンタースポーツミュージアム」で行われた。
「中央区」といっても、山の上。スキージャンプ台の下にある施設に集まり、札幌の街並みを見下ろすロケーションと、緑豊かな自然に囲まれての、イベントなんて言うより「音楽会」と言ったほうがピッタリな雰囲気で楽しめる催し物だ。
昼間は野外で5〜6組が出演してのオープンステージ。演奏している隣では、飲み物や軽食の販売ブースが設けられ、山の上の空気と共に、飲食を楽しみながら、ゆったりと演奏を聴く。
そして、日暮れ近くからは会場をスポーツミュージアムの中に移し、札幌の夜景をバックにして、さらに数組の演奏をじっくりと楽しめる趣向。もちろん、林氏の演奏もあり、毎年スペシャルゲストを招いてのセションライブも、ttcの楽しみの一つになっている。
ちなみに今年は、湘南で活躍するシンガー・ソングライターの佐藤嘉風(よしのり)氏、ユーミンやハイファイセットからkinkikidsまで手掛けるベテランの新川博氏、林氏の息子であるドラマーの一樹氏らと暖かいパフォーマンスを披露してくれた。
ttcの主役は何といっても音楽。応募資格はただ一つ「北海道で音楽活動をしている」という事。年齢もジャンルも問わず、コンテストやオーディションのように優劣を競うでもなく、それぞれの個性ある音楽を、演奏者も聴く側も、運営サイドも、みんなでその豊かさを分かち合って楽しもうという、アットホームで「ゆる〜い」感じで堪能できるのがいい。
さらに、音楽を聴くための環境作りということで選ばれたロケーションや、用意された軽食や飲み物が、そうした幸福な気持ちを盛り上げてくれる。もはやttcの名物となりつつある手作りのタンドリーチキンは絶品です。僕は毎回、ttcに来る楽しみの一つになっている。
さて、昨年までは取材も兼ねてttcに遊びに行っていた僕だけれど、一応、僕もミュージシャンの端くれであるからして、こんな素敵な音楽会ならぜひ自分も出演者の一人として演奏してみたいと思うのが人情というもの。
今回は、その念願が叶って、オープンステージに出演させてもらいました。
この日は、例年暑かったttcには珍しく、というか8月としてはあり得ないくらい寒かったけれど、歌っているこちらは、身体が次第に温まるし、そんな寒空の下でにこやかに演奏を聴いてくれる、少なくはない人数のお客さんの暖かい拍手で身も心もホットになりました。
せっかくの機会なので、今回は弾き語りではなく、ギターとキーボードの仲間に手伝ってもらっての演奏。さらに、会場でバッタリ出くわした、夜の部出演の兄弟デュオ「SE-NO」の弟のほう、蛯名摩守俊クンにも急遽参加してもらって、1曲ぶっつけ本番のセッションもかまして来ました。
出番を終えてから味わうタンドリーチキンのなんとおいしいことか!
少年時代からレコードやなんかで聴いていたドラマー、林氏のイベント。本来ならもうちょっと緊張したりして、失敗しないようにしようなんてプレッシャーがあってもいいのかもしれないけど、不思議とそんな気は起こらず、「今日この場で、どれだけ楽しめるか?」みたいな気分になってしまった。そういう気にさせてくれるのがttcなんだな。
自分の出番が終った後も、色んなミュージシャンの演奏は楽しめるし、4回目ともなると、普段は会えなくてもここで再会できる音楽仲間なんかと挨拶できたりするのも嬉しい。このttcを機会にそれぞれが新しい交流を持てたりするのも、このイベントならではかもしれない。
演奏する人、聴く人、進行する人。誰もが等しく音楽を楽しんでいる事を実感できる、手作りのイベントである。派手に宣伝しているわけでもなく、じっくりと時間をかけて、次第に定着しつつあるttc、僕はもうすでに来年の開催が待ち遠しくなっている。
来年もttcに来れば、素敵な音楽とおいしいタンドリーチキンに出会えるかと思うと、顔がほころび、腹が鳴っている。 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 フリーライター、FMドラマシティ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、シンガー・ソングライター等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |



関連サイト

「the tip connection」
http://www.ttc-music.com/ttc2008k/index.html






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